バンドキーボードの選び方
軽音楽部でキーボード担当になった!またはこれから軽音楽部に入ってキーボードを弾きたい!と思っている人も、最初に悩むのが軽音楽部でキーボード担当、つまりキーボーディストは何を揃えたら良いのか?何をすれば良いのか?といったことではないでしょうか?
そんな初心者キーボーディストのためのあれこれを解説します。
キーボードと聞いてピアノを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
鍵盤楽器=キーボード
というくくりで見てみると、ピアノもれっきとしたキーボードの一つなのですが、このサイトでは電子楽器のキーボードを「キーボード」と呼ぶことにします。音楽室にある黒塗りのピアノは「生ピアノ」と呼ぶことにしますので、少しだけ頭を切り替えて下さい。
さて、電子楽器のキーボードって何?というところから説明しますが、皆さんが子供の頃に、楽器屋さんや電気屋さんの店頭で、鍵盤が光ったりする楽器を見たことはないでしょうか?これもキーボードの一種なのですが、このタイプのキーボードはバンドで使用するのにあまり向いていません。これは「ポータブルキーボード」という種類のもので、本体のスピーカーやへッドホンから聞こえる音だけで演奏する目的で作られています。自宅で家族に演奏を披露するだけなら「ポータブルキーボード」でも良いのですが、バンドとなると、ドラムやエレキギターなどの大きな音にかき消されてしまい、お客さんに演奏が届きません。そこで、楽器メーカー各社からバンドアンサンブルで使うのに最適な電子楽器を発売しており、それが「バンド用の」キーボードなのです。
話しはそれますが、バスケットボール部に入ったらバスケットシューズを、野球部に入ったらスパイクを買いますよね?とりあえず靴であれば何でも良い!ということであればスニーカーでも問題ないかもしれませんが、試合に出るとなるとそうはいきません。
これと同じで、ちょっと音が出れば良いだけなら「ポータブルキーボード」でも代用は効くのですが、本格的にバンド活動をするのであれば、道具(「キーボード」)も専用のものを揃えましょう。
ちなみに、バンドの中でキーボーディストがどんな音を弾いているか、想像したことはありますか?ギターやドラムなど、どのパートも「あー、あんな音ね」とだいたい想像できると思いますが、キーボードについては、やはり一番に思いつくのがピアノの音ではないでしょうか。もちろんピアノの音もその一つですが、実はバンドのキーボーディストというのは、
どんな音でも弾くことができます。
バンドで使用するキーボードはトランペットやバイオリン、鉄琴、果ては犬の鳴き声や波の音のような効果音まで様々な音を出すことができます。逆に言うと、それはキーボードを演奏するキーボーディストにしかできない役割であるとも言え、キーボーディストはバンド内で様々な音を操り、影になり日向になりと、バンドサウンドを支えるユーティリティープレイヤーなのです。
さて、キーボードのことが少し判ってきたので、知っておいて欲しいことを記載しておきます。
まず、キーボードってどうやって音を出すの?ということです。
「ポータブルキーボード」では買ってきて電源を入れ、ボリュームを上げると本体から音が出ますが、一般的なキーボードはそうはいきません。
エレキギターと同じでアンプが必要なのです。
※ヤマハCKシリーズ等、例外的にアンプ無しで練習できるキーボードもあります。
でも、ギタリストが使用しているギターアンプには接続しないで下さい。音が出ないことはありませんが、あまり気持ちの良い音がでません。
そこでPA(ピーエー)※と呼ばれる音響システムを使用することになります。(PAについて興味がある方は「PAビギナーズガイド」「PAお悩み相談室」も参考にしてみてください。)PAは、ミキサー、アンプ、スピーカーの3点から成り立っていて、このうちキーボードを接続するのはミキサーと呼ばれるところになります。ミキサーはボーカルマイクや、BGMで使う音楽プレーヤーなどを接続し、それぞれのバランスを取るための機材ですが、そこにキーボードもお邪魔させてもらいます。
接続にはギタリストが使っているものと同じで、一般的には「シールド」「シールデッド・ケーブル」と呼ばれるケーブルを使います。できれば2本用意しましょう。というのも、ほとんどのキーボードが音楽プレーヤーと同じステレオ(右と左の音が若干違って広がりのある音)になっているので、良い音で格好良くキメたい・・・という人は絶対にステレオがお薦めです。
ただし、PAがステレオになっていないと意味が無いので、ここのところはPAに詳しい先輩や先生に確認しましょう。
さてPAが必要なことはわかりましたが、素朴な疑問として「家にもPAが無いと音が出ないの?」って思いますよね?さすがに学校にあるPAと同じものを家に導入するのは大変です。
そこで活躍するのがヘッドホンです。キーボードにはほとんどの機種でヘッドホン端子が付いていますので、自宅で音を確認したいときはヘッドホンを使って音を聞きましょう。(参考:楽器練習向きのヘッドホン)
次にキーボードの置き場所も考えなくてはいけません。
キーボードの魅力の一つとして持ち運べるというのがあります。電子ピアノや生ピアノはそう簡単に移動できませんが、キーボードなら自宅、学校、練習スタジオなど、どこへでも持ち運びが可能です(重たいと辛いですが・・・)。その反面、演奏する場所に置き場所が無いと演奏ができません。学習机に置いて使っていたら「勉強はどこでやるの???」ってツッコまれそうですよね。そこで必要なのがキーボードスタンドです。
キーボードスタンドはX字のタイプや机のように4つ足のタイプなどいろいろなタイプがあります。マイスタンドを持ち歩きたい人は軽いものを選んだ方が良いですが、リハーサルスタジオやライブハウスではキーボードスタンドを貸してくれるので、自宅に置くためのキーボードスタンドという目的で選択するのが良いでしょう。
詳しい音色や演奏に関しては別の項目で説明しますが、もし、キーボードを使ってピアノの演奏もすることが前提であるなら、サスティンペダルという機材も必要になります。これはピアノのダンパーペダルに相当するもので、これを使わずにキーボードでピアノの音を出しても「猫踏んじゃった」くらいしか演奏できません。バンドの中でしっかりとピアノ演奏をしたいときはサスティンペダルも用意しましょう。
最後にもう一つ、バンドでキーボードを使うのであればケースは持っていた方が良いでしょう。キーボードを裸で持ち歩くのは大変ですし、危険です。最近ではリュックの様に背負うタイプのケースもあるので、持ち運びやすさは格段に向上します。
ここまでに、
キーボード本体
シールド2本
ヘッドホン(イヤホンで代用可)
キーボードスタンド(自宅用)
サスティンペダル(ピアノの演奏をする場合)
持ち運び用のケース
を揃えれば良いことがわかりました。
欲を言えば椅子も欲しいですが・・・最近は立って演奏するキーボーディストも多いので、オプションと考えても良いです。
※Public Address (パブリック アドレス)の略
実際にバンドを組んでキーボーディストが演奏するパートってどんなものがあるのでしょうか?
一番多いのがやはりピアノです。
ピアノという楽器は、楽器の中で一番音域が広い楽器(ちなみに2番目はハープ)なので、どんな楽曲でも合わせやすいというのも理由の一つです。
次に活躍するのがエレピ(電気ピアノ)の音です。電気ピアノ???電子ピアノなら家にあります!と思った人もいるかもしれませんが、エレピは電子ピアノとは違います。生ピアノは弦が張ってあってそれを叩きますが、エレピは弦の代わりに金属の棒などを叩き、その振動をエレキギターと同じような仕組みで拾う電気楽器です(他の方式もあります)。生ピアノと比べると音が伸びている時間が長いので全音符や2分音符で演奏されることが多い楽器です。
次に重要なのがオルガンです。ハードロックやプログレッシブロックをルーツとする音楽や、ジャズブルースをルーツとする音楽では頻繁に使われている楽器です。特にロックオルガンでは、オルガンにロータリースピーカーという回転スピーカー(箱の中で本当にぐるぐるとスピーカーホーンが回っています)のエフェクトをかけたサウンドが有名で、オルガンサウンドを必要とするバンドに入った場合は、このサウンドが出せるかどうか・・・といったあたりもチェックポイントになってきます。
ストリングス(弦楽器)サウンドもキーボードが担当するパートとしては使用頻度が多い音色です。中でもストリングスアンサンブルと呼ばれるオーケストラ的なサウンドや、数名の弦楽器で構成されるチャンバーストリングスと呼ばれるサウンドが、様々なジャンルの音楽に使用されています。
ブラスサウンドもキーボーディストが頼まれることの多いパートです。サックスソロを弾いてくれ・・・というオーダーは少ないかもしれませんが、ホーンセクションのサウンドを出して欲しいという要望は多いでしょう。特にイントロのメロディーにホーンセクションが使用されている曲は、キーボーディストが最も目立つ曲であるとも言えます。明るく派手なサウンドがバシッと決まると注目度が増しますので、一言でブラスサウンドと言ってもお気に入りの音色をいくつか用意しておくのがお薦めです。
ここまで来ると世の中にある楽器はほとんど担当することになるのでは???と思うかもしれませんが、ある意味正解です。バンドのギタリストがお休みでイントロのギターリフが無いと曲が始まらない・・・なんて時にはエレキギターの音を出して代役を務めるということも可能です。
さらに世の中の楽器には無さそうな音を出す役割もあります。これがシンセサイザーサウンドで、コピーバンドをやっていると、ギターの音なのか、ピアノの音なのかよくわからない音があったり、音程や音色がぐちゃぐちゃに変化していくような音色があったりして困ってしまう場合があります。こういった音色はシンセサイザーと呼ばれている音を自由に作成できるキーボードを使用して演奏されています。キーボードの中には本体に用意されている音色を呼びだして使うだけのものと、積極的に音作りを行えるものの2種類がありますので、いままで聞いたことが無いような新しい音を出してみたい・・・と思う人はシンセサイザーを選択すると良いでしょう。
さて、最後におまけ的な話しになりますが、飛び道具的な効果音を担当する役割もできます。MC中にファンファーレやドラムロールを流したり、メンバー紹介の時に拍手を流したり・・・そういったお楽しみもキーボーディストの醍醐味です。
バンド内での音色的な役割は少し把握できたと思うのですが、キーボードを使って実際にバンド活動をするとどんな悩みが出てくるのか・・・という点にも触れていきましょう。
キーボードを手に入れたあと、どのようにPAシステムに接続し、演奏の準備を進めたらいいのか?というお話はセッティング編 で詳しく解説していますので、ここでは演奏面についてご紹介していきます。
キーボードにはいろいろな音が入っていてそれを切り換えて使用するのですが、1曲に1音色では無いことも多々あります。ボタン一つで音色を切り換えられるので、使いたい音色を選択すれば良いだけなのですが、今使っている音色を途切れさせたくない場合や、数音のフレーズを弾くためだけに切り換えるのは面倒・・・という場合もあります。例えば、一曲を通してピアノ演奏なのですが、サビの部分だけ4小節おきにグロッケンシュピール(いわゆる鉄琴)の音を鳴らしたい!・・・みたいな曲の時です。グロッケンシュピールの音を弾いているときも、ピアノの音を途切れさせたくない場合は両方の音が同時に出て欲しいですよね?キーボードを2台持っていれば簡単に実現できる演奏なのですが、これを1台で行う方法もあります。これはスプリットと呼ばれる設定なのですが、自分で決めた鍵盤を中心に左側(低音側)と右側(高音側)に別々の音を配置する事ができます。この機能を使えば左手でピアノを、右手でグロッケンシュピールの音を弾くことができます。
あらかじめこういった設定になっている音色を搭載しているキーボードもありますが、実際には自分のバンドが演奏する曲に合わせて音色を自由に組み合わせてスプリットができるほうがが便利です。
スプリット機能を持ったキーボードを選択するというのはもちろんですが、機種によっては2音だけでなく3音色以上を同時に鍵盤上にならべられる機種もありますので、そういった機種の場合左右どちらかの鍵盤に効果音を仕込んでおく・・・なんて使い方もできたりします。
次によくある話として、バンド内でピアノ、ギター、ベース、ドラム、ボーカルといった編成でバラード系のゆったりした曲を演奏中、ギターがソロを弾き出すとコード感が薄れてしまい
「もっと厚みが欲しいんだけどなんとかならない?」とキーボーディストにみんなの眼差しが集まってしまう事があります。こんな時、バンド内のユーティリティープレイヤーであるキーボーディストとしては、できるだけその期待に応えたい所ですが・・・
こんな時は、ピアノの演奏に加えてストリングスアンサンブルやシンセパッド(柔らかく包み込むようなシンセサイザーサウンドの総称)の音を加えてあげるとサウンドにほど良く厚みが増し、楽曲の雰囲気をぐっとワンランク押し上げる事ができます。
しかし、スプリットで二つの音色を弾くと片手ずつしか弾けないですし、もう一人キーボーディストを入れるとバンドが揉めそうだし・・・と悩みが発生します。そこで有効なのがレイヤーという機能です。これは、一つの鍵盤の演奏に対して、2つ以上の音色を割り振る(重ねる)ことができる機能で、例えばピアノとストリングスアンサンブルの音をレイヤーにしておけば、鍵盤でピアノパートを演奏するだけでストリングスアンサンブルの音も出せます。こちらも元々2つの音が重なった音色が用意されている場合もあるのですが、2つの音色のバランスを変更できたりいろいろな音色同士を重ねられたりと、自由度が高いのでレイヤー機能が付いているキーボードを選択するというのも大切なポイントです。
先程スプリットのところで効果音の話しをしましたが、これについても触れておきましょう。最近のキーボードには様々な効果音があらかじめ入っていたり、オーディオデータを読み込んで使用できる機種もあります。 例えば「イェーイ」という声のオーディオデータを読み込み、ある鍵盤に割り当てると、その鍵盤を押す度に「イェーイ」、「イェーイ」、「イェーイ」と何度でも再生出来ます。また素速く鍵盤を叩いたら「イェ」「イェ」「イェーイ」みたいな演奏もできます。また、難しくて弾けないフレーズなんかを録音しておけば、その部分だけサンプリングに担当させるといった裏技も考えられます。※テンポがずれる可能性があるので、イントロぐらいでしか使えませんが・・・
この様にピアノやオルガンなどの鍵盤楽器演奏だけにとらわれないキーボードの使い方もあるので、機種選びのポイントに付け加えておくと良いでしょう。
最後にシンセサイザー機能についても少しだけ触れておきましょう。
キーボードが担当する音のところで説明した、「世の中の楽器に無い音」を作るのがシンセサイザーですが、シンセサイザーにも様々な種類があります。世の中にある音を基本に音作りをするタイプと、もっと根本的な要素から音を組み上げるタイプの2種類です。
前者はピアノの音とかギターの音が既に入っていて、それを素材として作成していくので、「弾いた瞬間に音程が下がっていくピアノ」とか「逆再生のギターの音」みたいな音を作るのは割と簡単にできます。
後者は音の素片となる基本波形を様々な方法で加工しながら音を作っていくタイプなので、ピアノの音をまねるのは少し苦手ですが、いわゆるシンセサイザーサウンドを作るのには向いています。特にFM音源方式と呼ばれるシンセサイザー機能を搭載したモデルでは、それまで「世の中に無かった音」を「よく聞くシンセサイザーサウンド」に変えてしまったほどインパクトのあるシンセサイザーサウンドを作り出せます。
どちらのタイプもいろいろな音が作れることに変わりは無いのですが、インパクトのあるオリジナルなシンセサイザーサウンドもピアノの音を少しだけ変更したような音色も欲しい・・・という場合には、両方の機能をもったシンセサイザーを導入するのが良いでしょう。
一般的な軽音学部のバンド活動ではあまり使用しないかもしれませんが、シンセサイザーには、アルペジエーターやシーケンサーと呼ばれる自動伴奏・録音・作曲機能を備えた機種もあるので、リズム隊が生演奏ではないバンドを組みたい人や、積極的に楽曲制作をしてみたい、という人はそういった機能を持ったシンセサイザーも検討してみても良いかもしれません。
ここまで読んできて、キーボーディストがどんな役割を担うのかと、キーボードってどんなことができて、どう使ったら良いのかが少し理解できたのではないでしょうか?
最後に皆さんが求めるキーボーディスト像に合わせて、どんなタイプのキーボードを選択したら良いのかをまとめてみましょう。
まず、キーボードには大きく分けて2種類が存在します。
ひとつはステージキーボードと呼ばれるもので、もうひとつはシンセサイザーです。
ステージキーボードは「世の中にある楽器の音」を出すのが得意なキーボードで、バンドを組んで、ピアノ、オルガン、ストリングス、ブラスなどのパートを担当したい人に最適なキーボードです。「世の中にある楽器の音」の中には「よく使われるシンセサイザーの音」も含まれるので、自分で1から音を作ることはできませんが、代表的なシンセサイザーサウンドを鳴らせなくて困るようなことはほとんどありません。POPSのコピーバンドや、スタンダードミュージックを演奏する人にとっては、音色選びや音作りなどの操作がしやすく、演奏に集中する事ができるステージキーボードが良いでしょう。シンセサイザーは「世の中に無い音」を自由に作れるというのが最大の魅力です。白紙のスケッチブックに絵を書くようにクリエイティブな音色づくりができますので、「誰にも真似できない音でバンドをやりたい」とか「オリジナルソングをオリジナル音色で演奏したい」といった人はシンセサイザーが向いています。音作りにはそれなりに知識や演奏以外のいわゆる「操作」への熟練も必要となりますが、そういった奥の深さはシンセサイザーの楽しみの一つでもあります。
この様に、同じバンドのキーボードでも考え方は様々です。どちらもある程度機能面でクロスしている部分もあり、ステージキーボードでもある程度音色が変更できますし、シンセサイザーでもスタンダードなピアノやストリングスの音も出せます。ステージキーボードとシンセサイザーのどちらを選ぶのが良いのかは、キーボードの役割をもう一度読んで、自分のシチュエーションにあっているもの、使いたい機能、使い勝手なども想像しながら選択しましょう。
最初にオススメするキーボードは「CKシリーズ」で、カテゴリーとしてはステージキーボードに分類されるキーボードです。このキーボードは特に「バンドでの使い勝手」にこだわったアイディアが詰め込まれており、初心者だけでなく、ベテランキーボーディストにとってもまさに「持っていて損がない」キーボードと言えます。バンドで必要とされる厳選の高品位音色を300種類以上搭載しており、それらを組み合わせてシンセのような積極的な音作りをする事も可能です。そして、実はステージキーボードとしては珍しく、外見ではわからない場所にスピーカーが搭載されており、スピーカーやヘッドホンが無くてもすぐに演奏できる事も魅力のひとつです。電池駆動にも対応しているので、屋外でセッションしたり、例えば本番当日に「電源アダプターを家に忘れた!」と気づいてしまった時も、コンビニで乾電池を買ってくれば何とか乗り切れるのは安心感があります。ほかにもスマホの音声をBluetooth接続でスピーカーから鳴らしたり、ボーカル用マイクの接続にも対応するなど、便利な機能が備わっています。
つまみがいっぱいついているので、一見難しそうに見えるかもしれませんが、むしろその逆で、頻繁に使う機能(初心者にとっては、いずれ使ようになるであろう機能)がすぐに操作できるように並んでいるので、覚えてしまえばこれ以上に使いやすいキーボードは無い、と言えます。
ふたつめにオススメのキーボードはシンセサイザーのMODX+シリーズです。この製品の魅力は何といってもゼロから音を作りだすことが出来るほどの強力な音源と、単純な鍵盤演奏にとどまらない高度な音声表現まで可能とする機能性・表現力の高さにあります。ものすごくたくさんの事ができる反面、すべての機能を使い倒そうと思うと初心者にはハードルが高めかもしれませんが、プリセットの音色が豊富に搭載されており、音色検索やエディットもタッチパネル操作で行えるので、基本的な使い方を覚えるのにそんなに時間がかかる事はないでしょう。むしろ使い方のコツをつかみ、音作りの知識やノウハウを吸収していけば、カバー曲の演奏などで再現できない音はほぼ無くなってきます。
鍵盤でコードを押さえるだけでフレーズを演奏してくれるアルペジエーターや、思いついたフレーズをスケッチの様に録音できるパフォーマンスレコーダーといった機能も搭載しており、オリジナルの楽曲づくりに役立てる事が出来るのも魅力です。パソコンを使った本格的な楽曲制作を始めたい方のためにDAWソフトウェア CUBASE AIを無料で手に入れる事が出来るダウンロードコードもバンドルされています。