作曲入門講座
第1回 リコどんとりこっちの『問い』と『応え』
ある日リコどんは、りこっちに作曲をする方法を教えてほしくて、りこっちのお家に遊びに行きました。
- 「あ、リコどん!元気?どうしたの?」
- 「やあ、りこっち!ぼくは元気だよ。ねえ、りこっち、この前に歌ってくれたあの名前のついてない曲、どうやって作ったの?」
- 「あ、リコどんも曲を作ってみたくなった?とっても楽しいよ!」
- 「うん、ぼくもやってみたい。だけど、一人で考えていても、どうしていいか分からないんだ。」
- 「まあ、あまり堅苦しく考えないほうがいいんじゃない?曲を作ろうと思うと、たくさんの音符を想像してしまうけれど、それはだんだん増やしていけばいいよ。欲張らないで、音をよく聴いて、自分で歌うことからね。」
- 「いまここに2小節のメロディーを書いてみたよ。リコーダーで吹いてみて。」
- 「りこっち、今どうやって音符を書いたの?」
- 「それは気にしないの!!」
- 「そう、ミファソミ レミファーだね。やっぱりリコどんはリコーダーが上手!じゃあ、このあとに2小節を続けてみて。なるべく自然に。そうそう、いま、私とリコどんが話しているように、メロディーで会話をするようにするの。」
- 「うーん、どうしようかなぁ……」
- 「あー、それでも間違いではないかな。場合によっては良いこともあるね……。初めの2小節をテーマ(主題)と言うんだけど、それには応えてない感じがしない?それにもう終わっちゃった感じがするよね。もっと続かないと曲にはならないかもね。」
- 「いいね!自然にメロディーが生まれてきた。それを音符にしてみよう。今口ずさんだ音をリコーダーで探してみて。」
- 「なんだか、りこっちの言ったメロディーに応えるということが、少し解ってきたかも。」
- 「これはちょうど、『問い』と『応え』、のような関係になっているよ。リコどんははテーマの『問いかけ』に『応え』てくれたの。もう1度テーマを私が歌うから、リコどんのメロディーを続けて歌ってみよう。」
- 「とても優しいメロディー。これをしっかり感じとって、次のメロディーの『問いかけ』に『応え』てみて。」
- 「じゃあ、始めから歌ってみよう。私の『問い』のメロディーを感じ取り、それに『応える』ように歌うよ。」
- 「わあ、素直な好い曲ができたー。でも曲というにはまだ物足りないよね。もう8小節続けてみようよ。今度はちょっと目線をあげて、深く呼吸する感じでいってみよう。」
りこっちは五線ノートと鉛筆を持ってきて、何やらゴソゴソ。
リコどん、それをみて吹きました。
リコどん、どうしていいか判らず、「ドドドド ドドドー」と吹いてしまいます。
りこっち、もう1度、今度はテーマをラララで歌いだします。するとリコどんは、それに誘われるように、「ララララ ラララー」と続けました。
リコどんが何度か歌ってみたり、リコーダーで音を探したりしてできたメロディーはこうです。
りこっちの問いかけ
リコどんの応え
りこっちの問いかけ
リコどんの応え
リコどんはどんどんこの『問い』と『応え』のメロディー作りが面白くなって、時の経つのも忘れ、夢中になりました。りこっちと2人で作った曲は少し日が翳るころ完成しました。この曲はりこっちとのメロディーの会話からできたので、曲名を「りこっちとの会話」としたのです。
リコどんの音楽メモ
1. りこっちが言うには、「音楽は模倣(まね)と応答(問いと応え)でできている」のだそうだ。
2. 音楽の要素
・サウンド・・・・音の高さ、音色、強さなど(S)
・ハーモニー・・・調性、和音など(H)
・メロディー・・・旋律〔歌〕(M)
・リズム・・・・・音の長さ(R)
3. 曲のバランス
1)2小節ずつの問いと応えで4小節を作る。
2)その4小節を模倣しながら、7~8小節でまとめる。
3)次の8小節は始めのイメージを膨らませ、音高やリズムに変化を与える。
4)前の8小節に戻る。自分の気に入るよう、変化させてみると面白くなる。
これは3部形式(A-B-A)という歌謡形式のひとつなのだそうだ。りこっちはあまり形式にこだわらなくても良いという。まず、気に入ったメロディーの「『問い』と『答え』」を様々なイメージで作っていくうちに、いろんなかたちのものが可能なことが解って来ると言っている。
2. 音楽の要素
・サウンド・・・・音の高さ、音色、強さなど(S)
・ハーモニー・・・調性、和音など(H)
・メロディー・・・旋律〔歌〕(M)
・リズム・・・・・音の長さ(R)
3. 曲のバランス
1)2小節ずつの問いと応えで4小節を作る。
2)その4小節を模倣しながら、7~8小節でまとめる。
3)次の8小節は始めのイメージを膨らませ、音高やリズムに変化を与える。
4)前の8小節に戻る。自分の気に入るよう、変化させてみると面白くなる。
これは3部形式(A-B-A)という歌謡形式のひとつなのだそうだ。りこっちはあまり形式にこだわらなくても良いという。まず、気に入ったメロディーの「『問い』と『答え』」を様々なイメージで作っていくうちに、いろんなかたちのものが可能なことが解って来ると言っている。
完成
リコどんは「りこっちとの会話」を作ってから、たくさんの『問い』と『応え』による曲を完成させました。まだメロディーを音符にしただけで、スラーや強弱、和音や音色など、これから学ぶことはたくさんありますが、そのうちの3曲をここで紹介しておきましょう。『問い』と『応え』はどんなふうに工夫されているでしょう。