19世紀後半から20世紀へ

 

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フランス革命
フランス革命
18世紀末のフランス革命によって生れた自由と平等の精神は、各国の市民階級の中に深く浸透し、ウィーン体制に対する彼らの抵抗には根強いものがありました。革命の震源地であるフランスではもちろん、そのほかの諸国においても、政治的な変動や社会体制の変化が相次いで起こり、ヨーロッパだけでなく、世界全体がそれによって揺り動かされるようになっていきます。その激変する社会情勢は、そのまま世紀の後半にまでもちこされ、やがて、20世紀前半における2度の大戦を招くに至ります。

フランスでは1848年の第2共和政時代のあと、ナポレオン3世による帝政時代と有名なパリ・コミューンを経て、1875年には第3共和国憲法が誕生し、今日の基礎を築きます。ドイツはプロイセンを中心勢力として、1871年にドイツ帝国を名のることになり、イタリアでは1859-60年にわたる統一戦争からイタリア王国の誕生を見ることになります。
海を隔てたイギリスはヴィクトリア女王(在位1837-1901)の時代であり、世界に広がった経済圏を足場に、世界帝国としての威容を整えつつありました。ロシアも既に大国として先進諸国と肩を並べるに至ったものの、1861年の農奴解放、81年のアレクサンドル2世の暗殺事件と、政治的には多難な道を歩んで、やがてロシア革命へとつながっていくことになります。また、スカンディナヴィア3国やバルカン半島の諸国、ボヘミアやポーランドなどでは、独立運動が盛んに行われていました。一方、海の向こうのアメリカでは1861-65年の南北戦争が、63年の奴隷解放宣言を挟んで行われ、65年には合衆国としての統一が成立します。

こうしたヨーロッパ社会の動きは、結果的に、その後の列強の帝国主義的な動きを助長することになりますが、一方では、自由主義的な考えかたに基づいた市民階級を中心とする民族運動も高まっていきます。それが国民主義です。この時期、そうした傾向が音楽にもうかがわれるところから、この時代の音楽を国民主義音楽とよんでいますが、技法的にはロマン主義音楽の延長上にあると考えることができます。