第1日 音の名前

楽譜について学ぶ

第1日 音の名前

1. 五線と加線


音の高低を示すために使用されます。現在は、上記の五線と加線で示されます。

2. 音部記号

a )ト音記号または高音部記号、ヴァイオリン記号

ト音記号の書き始める位置が、音符のト音(ソ)を示します。

b )へ音記号または低音部記号、バス記号

へ音記号の書き始める位置が、音符のへ音(ファ)を示します。

c )ハ音記号

ハ音記号の中心が、音符のハ音(ド)を示します。

これらの音部記号は五線上で用いられて、譜表となります。上記のa)、b)、c)を正確に言い表わすと、a)ト音譜表、または高音部譜表、ヴァイオリン譜表、b)ヘ音譜表、または低音部譜表、バス譜表、c)ハ音譜表となります。 またa)、b)、c)の全音符はハ音(ド)で、全く同じ音の高さを示しています。

3. オクターヴ記号

たくさんの音符が五線上に入らず、加線が多くなって読みにくくなることがあります。そういうときに用いられるのがオクターヴ記号です。

a )アロッターヴァ アルタ(all'ottava alta・伊)

記譜された音より1オクターブ高い音を奏します。

b )アロッターヴァ バッサ(all'ottava bassa・伊)

記譜された音より1オクターヴ低い音を奏します。 現在用いられている音部記号のほとんどは、ト音記号ヘ音記号ですが、例えばピアノなどは、オーケストラの全ての楽器よりも音域が広く、それをこの2つの音部記号で表しているので、どうしてもオクターヴ記号が必要になってくるのです。




コラム:ト音記号やへ音記号の形について

ト音記号はアルファベットのG(「ソ」の音)が変形してト音記号となったものです。また、へ音記号も同じくアルファベットのFが変更してヘ音記号となりました。
どうでしょう? アルファベットのGとFをじっとみつめているとト音記号ヘ音記号に見えてきませんか?

4. 譜表

a )チェロ

ヨハン・セバスティアン・バッハ「無伴奏チェロ組曲」より“第1組曲のプレリュード冒頭”

b )ピアノ
ショパン「ノクターン第15番」より


記譜された音より1オクターヴ低い音を奏します。
現在用いられている音部記号のほとんどは、ト音記号ヘ音記号ですが、例えばピアノなどは、オーケストラの全ての楽器よりも音域が広く、それをこの2つの音部記号で表しているので、どうしてもオクターヴ記号が必要になってくるのです。

c )ヴァイオリンとピアノ
ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第5番 春」より



d )弦楽四重奏
モーツァルト「弦楽四重奏曲k.v.421」より


管弦楽曲
ビゼー「アルルの女 第1組曲」より


様々な譜表がありますね。いろんな音楽を聴き、読譜(楽譜を読むこと)をしていくことで、音符がより身近なものとなるでしょう。




コラム:五線、音符の歴史について

五線や音符はいつごろ出来たのでしょうか?
現在の五線記譜法は17世紀にヨーロッパで完成しました。9世紀頃はグレゴリオ聖歌の文字の上に、曲線で旋律の動きを、ひっかき傷のように示すだけでしたが、11世紀に入ると横線が1本、次に2本、13世紀には四線になりました。また、その頃の音符はネウマと呼ばれ、■、◆、などの形をしていました。このように現在の五線や音符になるまでには、長い歴史があるのです。