デジタル教材WEB実践事例 佐賀市立金立小学校

鍵盤ハーモニカの学習の際に、このデジタル音楽教材を使ってみました。子どもたち一人一人が自分のペースで主体的に取り組むことができるようになるための有効なツールとしての可能性を秘めていると思いました。

今回は、教科書教材の「小ぎつね」を歌い、鍵盤ハーモニカで一通り、取り組んだ後に、このデジタル音楽教材を使いました。それぞれの子どもが自らの習熟の度合いに合わせて、お手本で指づかいを確認したり、自分が安心して演奏できる速度を設定したりしながら、思い思いに取り組んでいました。また、できた子どもは、他の曲にもチャレンジしていました。

授業中の限られた時間だけで、子どもたちがこのデジタル音楽教材を使いこなすことができるようになるのは難しい面もあると思いますが、教師による指導と上手に組み合わせて、このデジタル音楽教材を使用することで、子どもたち一人一人の実態に合わせた支援が可能になると思いました。また、子どもたちが一生懸命に演奏できるようになろうと頑張る姿が見られてよかったと思います。

本校では、まだタブレットＰＣの自由な持ち帰りが制限されているため、子どもたちが家庭などで、自由にこのデジタル音楽教材を使って、鍵盤ハーモニカに取り組むことができませんが、将来的に、授業という枠組みだけでなく、家庭も含めた自由な時間の中で、子どもたちがこのデジタル音楽教材を思い思いに使うことができる環境が整えば、この教材の効果は一層高まるのではないかと思いました。

GIGAスクール構想の一環として、児童一人一人に学習者用端末が準備されたときに、校長としては、幅広い教科・領域において、その活用の可能性を広げていければと思っていました。しかしながら、正直なところ、本校では、低学年の一人一台タブレット端末の活用はさほど進んでおらず、まだ手探りの状況にありました。（児童の発達段階を考えたときに、まずは紙に鉛筆でしっかりと字や絵をかくことや活字の本をしっかりと読むことを大切にしたいという校長の思いもありました。）また、本校の２年生は新型コロナの影響などもあり、１年時に十分に鍵盤ハーモニカを用いた器楽学習をできなかったこともあり、鍵盤ハーモニカの面白さを味わわせることや技能を習得させることには課題がありました。

そのような中、このデジタル音楽教材は、児童の関心を高め、興味を引き出し、何より、個々の児童の学び方に合わせて、様々なコンテンツが準備されているのが魅力的であり、児童の器楽学習をアシストする最適の教材であると思いました。このようなデジタル音楽教材を積極的に導入することで、児童の主体性をなお一層喚起するとともに、教員の指導における負担軽減にもつながればと思っています。教師自身も鍵盤ハーモニカの技能などをしっかりと学ぶ機会などは少なく、手探りで指導している場合も多いのではないかと推測します。教師自身の学びの教材としても、このデジタル音楽教材は有効なのではないかと思います。