デジタル教材WEB実践事例 帝塚山学園帝塚山小学校
ヤマハ デジタル教材WEB実践事例
帝塚山学園帝塚山小学校
池田 校長 / 田中 先生
概要
- 導入時期
- 2017年3月
- 取り組み
概要 - 学年4年
- 目あて
- リズム&ハーモニーを楽しもう!
- デジタル教材
の種類 -
ヤマハデジタル音楽教材
ボーカロイド教育版
- 小学校
- ボーカロイド教育版
- Windowsタブレット
内容
教育目標の1つとして「豊かな学力」を掲げている帝塚山小学校。ICT教育にもいち早く取り組み、小学校1年生からパソコンの基本操作に慣れ、2年生ではローマ字を使った文字入力も習得、高学年ではホームページ制作までも実施しているとのこと。2020年度から必修化される「プログラミング教育」に先駆けて、2016年度から既に導入し、5年生ではロボット体験を実施したそうです。
2017年度から帝塚山小学校独自のカリキュラムにより全学年で「プログラミング教育」の実施をする中で、ヤマハ「ボーカロイド」による創作活動にも注目いただき、導入が決定しました。
「ボーカロイドを使った歌づくりは、まさに論理的思考に基づいた学習。作品として残るのもいい!」と話される池田校長先生。来年度から本格的に全学年で活用する前に、4年生の音楽の授業で「ボーカロイド」を使ってみることになりました。創作テーマは音楽科の田中先生と相談し、現在学習している「ズーリズム」に関連した内容で、更に深く学べるものとしました。
1 ボーカロイドの操作を覚えよう
まずは初めて使う「ボーカロイド」の操作練習です。
基本的な説明は「言葉を入力」して、「ピアノロール画面」に「鉛筆ツールを選択して」「音を並べる」だけ。5分ほどの操作説明を聞いた後、4人一組になって活動スタートしました。
最初の練習課題は、「田中先生こんにちは」とボーカロイドに喋らせることからです。まず台詞を日本語で入力することは難なくクリア。ここでのポイントは「リズム」です。ただ音を並べるだけでは「タナカセンセイコンニチワ」とすべて繋がってしまいます。たとえば、1か所休符を入れて「タナカセンセイ コンニチワ」とするだけで、聞きとりやすくなります。また「コンニチワ―」と、最後の音を長くすると元気な印象になります。
各グループ、リズムを完成させた後は、音の高さを変えてメロディづくりにチャレンジしました。ボーカロイドの画面で入力したメロディは、すぐ再生して耳で聴いて確認することができます。入力と再生を繰り返しながら作ったオリジナルのメロディに児童たちは大喜び。たった15分ほどの活動ですっかりボーカロイドの基本操作に慣れ、言葉とリズムの関係や音の高さの変化でメロディができることを体感できたようでした。
2 「ズーリズム」をボーカロイドで歌ってみよう
音楽科の田中先生から「ズーリズム」という児童たちが大好きなリズムアンサンブルがあると聞いていました。「ズーリズム」は4人でそれぞれ違う動物の名前(あざらし/ぞう/きりん/どうぶつえん)を拍子に合わせてリズム唱する、リズムアンサンブルで、それぞれの言葉のリズムの特徴を生かして掛け合いをする、とても楽しい曲です。
田中先生のアイディアで、この「ズーリズム」を児童たちの好きな言葉に置き換え、ボーカロイドでアンサンブルしてみることになりました。
まず、4人グループでテーマを決め、4つのワードを考えました。たとえば、「すしリズム」(サーモン、カニ、まぐろ、おすしやさん)、「どろぼうリズム」(コソコソ、ドン、ヒヒヒ、どろぼうだん)など。
4種のワードによるアンサンブルなので1人1ワード担当することにしました。順番に歌詞と音符を入力していきます。そして4つのパートがそれぞれ違う音高なるように、下のパートから「ド、ミ、ソ、ド」の音で入力し、ハーモニーのきれいな曲ができました。
リズム唱でアンサンブルした「ズーリズム」とは一味違うオリジナルのリズムアンサンブルに児童たちも大喜びでした。
3 コード進行に合わせてハーモニーを作ろう
初めから終わりまで「ド・ソ・ミ・ド」のハーモニーで歌うのも美しいですが、さらに指定されたコード進行に合わせて音程を変化させて、コーラスを作ることにチャレンジしました。
1小節ごとに変わるコードの構成音に注意しながら、4声でハーモニーを作ります。ボーカロイドのコードガイド機能を頼りに音程を変えますが、どのように変化させるかは耳でハーモニーの動きを聴きながら決めていくので、センスが問われる部分です。全グループ同じコード進行で制作しますが、選択する音程やボーカロイドが歌う言葉の違いで、それぞれ違う雰囲気の曲になります。中には、コードが変わらない小節内でも音の高さを変化させてみるなど、自発的に工夫しているグループもあり、これには田中先生も驚いていました。ボーカロイドは制作しながらすぐ聴くことができるので、試行錯誤しながら児童たちのアイディアが詰まった楽しい曲を完成させることができたようです。
たった3時限の授業で、曲づくりから発表会まで実施することができました。児童たちは休み時間も忘れるほどボーカロイドに夢中になり、楽しく曲作りを体験することができました。
「来年度(2017年度)は、全学年で本格的な『歌づくり』に取り組みます!」と話す田中先生。ボーカロイドは児童同様に先生ご自身も初めての体験となりましたが、児童たちが制作に取り組む様子を見ながら色々アイディアが浮かんでいるようでした。来年度はボーカロイドを活用してどのような歌作りになるか、スタッフ一同楽しみにしています。