デジタル教材活用事例 東京都教職員研修センター

ヤマハ デジタル教材活用事例
東京都教職員研修センター

概要

実施時期
2025年8月
目あて
ボーカロイド教育版の体験を基に、ICTを用いた音楽的な創作活動を取り入れた教材開発について考える。
デジタル教材
の種類
ヤマハデジタル音楽教材
ボーカロイド教育版
  • ボーカロイド教育版
  • Windows
  • iPad

内容

東京都教職員研修センター様は、東京都教育委員会において、教職員の研修を専門的に実施する唯一の機関として、長く取り組みをされております。その専門性向上研修のプログラムの一つとして、今回、国立音楽大学様と連携し、ボーカロイド教育版を使った研修を実施いただきました。

キャリア8年以上の教職員の方を対象として募集したところ、定員以上の申し込みと音楽専科以外の先生からも多数エントリーをいただき、注目度の高い研修プログラムになりました。

今回企画のとりまとめと当日研修の講義をいただいた国立音楽大学瀧川淳教授からコメントをいただきました。

「ボーカロイド教育版Ⅱをどのように音楽の授業に生かすか?」
国立音楽大学教授 瀧川 淳
[写真]国立音楽大学教授 瀧川 淳

瀧川 淳(たきかわじゅん)

東京学芸大学卒、同大学院修了、東京藝術大学音楽学部博士後期課程(音楽教育学)修了。
上野学園大学講師、熊本大学、国立音楽大学准教授を経て、現在、国立音楽大学教授。
中高をカナダ・トロントで過ごし、中学でIBM PCやApple社のMacintosh SEに親しむ。
音楽教育とICTの研究を進め、各地で研修会や講習会の講師を担当する。
明治図書より編著として『1人1台端末でみんなつながる!音楽授業のICT活用ハンドブック』(2022年2月)、『音楽×アプリ×授業アイデア100』(2023年9月)、『小学校音楽 ICT活用で実現する個別最適な学び×協働的な学び』(2025年6月)を出版。
大学で、ICTと音楽教育の講義を担当。
2024年度は、ヤマハの協力のもと、「ボーカロイド6」を使った講義を実施。2025年には「ボーカロイド教育版Ⅱ」を使った音楽授業のアイデアに関する講義を実施する。


私は、近年、ICTと音楽教育を専門に各地で研修会や講習会を行っています。今回は、ヤマハ様にご協力をいただいて、東京都の先生を対象としたボーカロイド教育版Ⅱ(以下、ボカロ)を使った研修会を開催しました。これは国立音楽大学と東京都教職員研修センターの連携協定に基づいたものですが、校種を超えた先生たちが参加されました。
研修の流れは次の通りです。まずヤマハのインストラクター主導による操作体験を行い、それを受けて、創作(音楽づくり)授業におけるボカロの教育的な可能性に触れ、教科書を題材にボカロを活用した実践を体験しました。
今回の研修でも先生たちが実際に体験しましたが、言葉とリズムを適当に配置するだけでは、ボカロをきれいに歌わせることはできず、また日本語としておかしなイントネーションになってしまいます。
このことを体感した先生たちは、ボカロを活用した「言葉を伴う」旋律づくりの実践が、単に歌の創作活動に終始するのではなく、日本語の持つ響きやリズムの美しさに気付かせながら旋律づくりができる授業の可能性を見出しました。また現在のバージョンのボカロは英語を扱うこともできます。この機能を使った教科横断的な授業の可能性にも言及されました。
ボカロというと合成された歌声の楽曲をまずイメージしますが、先生たちは実際の体験を通して、ボーカロイド教育版Ⅱが持つ多くの教育的な可能性に気付かれた様子が大変印象的でした。

[写真]研修風景
[写真]研修風景

瀧川教授の講義ではICT教材の利点として「音楽を音声と画面との両方で確認し、試行錯誤しながら作品を完成させることができる」ことを紹介いただきました。また他のICT教材と比較して、ボーカロイド教育版は唯一、声を発することが出来る歌声合成ソフトのため、児童からの反応が良く、また国語、英語などの他の授業にも使える強みを伝えていただきました。
今回、瀧川教授のお繋ぎで、東京都教職員研修センター様と初めて提携させていただき、ボーカロイド教育版のICT教材活用について先生方にご紹介できる貴重な機会となりました。東京都教育施策大網で掲げる「ICTの活用による学び」の一端を担えるよう、ヤマハはボーカロイド教育版を使ったICT教材開発を今後もサポートしていきたいと考えます。

[写真]研修風景
東京都教職員研修センター
https://www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.lg.jp/
研修名
令和7年度 専門性向上研修 音楽Ⅱ・Ⅲ「音楽大学で学ぶICTを用いた音楽的な創作活動~歌声合成ソフトの体験を基に考える音楽科の教材開発~」
研修会場
国立音楽大学 PC教室にて