第2回:上田実季、河尻広之(東京藝術大学)
© SmileStyleStudio
- 上田実季
愛知県碧南市出身。
愛知県立明和高等学校、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。大学卒業時に、同声会賞、アカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞受賞。皇居桃華楽堂にて催された皇后陛下主催演奏会にて御前演奏。
現在東京藝術大学大学院修士課程1年に在籍。
これまでに、安田高子、後藤康孝、今野尚美、高石香、湯口美和、鈴木弘尚、吉永哲道、清水皇樹の各氏に師事。
現在、伊藤恵氏に師事。
ヤマハマスタークラス特別コース修了。
2016年度山田貞夫音楽財団奨学生。
2017年度より、ヤマハ音楽振興会音楽支援制度奨学生。
イモラサマーフェスティバル、ムジクアルプ夏季国際音楽アカデミー等に参加。
ロヴェレート、ピストイア、フィレンツェのイタリア各地でジョイントコンサート、フェニーチェ劇場(イタリア)にて行われたガルッピ音楽祭に出演。
第66回全日本学生音楽コンクール名古屋大会高校生の部第3位。
第37回ピティナ・ピアノコンペティションG級全国大会ベスト賞。
第1回イモラ国際ピアノオーディションin Japan 高校の部第1位、併せてグランプリ受賞。
第42回ピティナ・ピアノコンペティション特級全国大会銀賞等多数受賞。
- 河尻広之
1998年 愛知県出身。5歳よりピアノを始める。
第25回ブラームス国際コンクール ピアノ部門 第2位。エレーナ・リヒテル国際ピアノコンクール 第1位。
その他、東京ピアノコンクール、エトリンゲン青少年国際ピアノコンクール、クオリア音楽コンクール、横浜国際コンクール 室内学部門等、多数のコンクールで入賞 入選。
2019年 茂木大輔氏指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団とラフマニノフピアノ協奏曲第2番を共演する他、これまでにウィーン岐阜管弦楽団、愛知室内オーケストラと共演。ル・ポン国際音楽祭、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、宗次ホールランチタイムコンサート等、多数出演。
これまでに杉本弘子、豊田元子、定行和子、中沖玲子の各氏に師事。アンジェイ・ヤシンスキ、ジョルジュ・ナードル、クラウス・ヘルヴィッヒ、ジャン=クロード・ペヌティエ各氏のマスタークラス、レッスンを受講。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て現在、東京藝術大学音楽学部3年に在学。東誠三氏に師事。
室内楽を青柳晋氏に師事。
東京藝術大学宗次德二 特待奨学生4期生。
次世代を担う才能豊かな若きピアニスト達によるコンサートシリーズとして今年から始まった「ネクスト・ヴィルトゥオーゾ・ピアノリサイタル」。2月10日に行われた第2回には、上田実季さんと河尻広之さんが出演しました。
最初に登場した上田さんが用意したプログラムは、今年生誕250周年を迎えるベートーヴェンのピアノ・ソナタ2曲でした。1曲目、「ピアノ・ソナタ第14番 月光」で演奏をスタートした上田さんは、抑制の効いた重々しい雰囲気の中から冒頭の有名なテーマを紡ぎ出していきます。第二楽章では一転、変ニ長調特有の温かみや少し懐かしさも感じさせるような音色で会場を包み込んだかと思えば、第三楽章に入るとそれまで溜めていたエネルギーを爆発させるかのように荒々しさの中を駆け抜けて行きます。優れた技巧と瞬発力にヤマハCFXも余裕を持って応え、一瞬の緩みも見せないうちにダイナミックに弾き終えました。
2曲目は後期ソナタの中から「ピアノ・ソナタ第32番」をチョイス。後期作品の傑作とも言えるベートーヴェン最後のピアノ・ソナタです。冒頭、印象的な序奏を終えると不気味さを蓄えた低音のトリルを経てドラマティックな主題へ。切れ味の鋭さを保ったまま、コーダでのふっと日が差すような温かい音色への転換もヤマハCFXで見事に表現していました。
第二楽章ではシンプルながら壮大さも感じられるテーマが奏でられた後、様々な展開を見せ始めます。ジャズのスイングを思わせるような特徴的な部分も細やかな音価がしっかりと保たれ、コーダでは長大なトリルの中で、神々しい雰囲気で演奏を締めくくると会場から大喝采が起こりました。
後半には河尻さんが登場。こちらもベートーヴェンの作品から演奏をスタートさせました。最初の「創作主題による6つの変奏曲」は、ヘ長調の優しい雰囲気から変奏を経るたびに移り行く表情の違いが分かりやすく表現されていました。続く「ピアノ・ソナタ 第28番」もゆったりとした緩徐的な始まりから、第二楽章での行進曲的な鋭いタッチ、第三楽章の力強く壮大に進んで行く曲想まで、剛柔自在にヤマハCFXから様々な表情を引き出していきます。
ベートーヴェンに続いて、同じくドイツの作曲家ブラームスの名曲「6つの小品 間奏曲 Op.118-2」が始まると、メランコリックで柔らかい空気が漂い会場中が一気に引き込まれていきます。続けて演奏した「ハンガリーの歌の主題による変奏曲」では短い主題と変奏が目まぐるしくテンポや調性を変えて進行していきます。その一つ一つを見事に表情豊かに弾き分けてダイナミックな終曲を弾き終えると、万雷の拍手が鳴りやみませんでした。
演奏後、上田さんは「ヤマハCFXは音が真っ直ぐ、自然だなという印象で、演奏しながら『もっと色々な音を出したい、もっと表現したい!』と意欲が掻き立てられました」、河尻さんは「とくに高音の音色の多彩さに驚きました。自分が伝えたいと思った音を汲み取って鳴らしてくれているような感覚で、演奏中はとても支えられました」とそれぞれヤマハCFXについて感想を述べられました。
ベートーヴェン、ブラームスというドイツが誇る二大作曲家の作品でのリサイタルとなったこの日のリサイタル。それぞれに高い音楽性を見せた今後のお二人の活躍がますます楽しみです。
会場 |
ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F)
東京都中央区銀座7-9-14
▶公演の詳細はこちら
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日時 |
2020年2月10日(月)19:00開演 (18:30開場)
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演奏者/曲目 |
■上田実季
L.v.ベートーヴェン/
・ピアノソナタ第7番 Op.10-3 ニ長調 第1楽章
・アンダンテ・ファヴォリ WoO.57 ヘ長調
・ピアノソナタ第32番 Op.111 ハ短調
■河尻広之
L.v.ベートーヴェン/
・創作主題による6つの変奏曲 Op.34 ヘ長調
・ピアノ・ソナタ第28番 Op.101 イ長調
J.ブラームス/
・6つの小品 間奏曲 Op.118-2 イ長調
・ハンガリーの歌の主題による変奏曲 Op.21-2 ニ長調
※都合により曲目が変更になる場合がございます。
※演奏順は当日のプログラムでご確認ください。
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Profile
© SmileStyleStudio
- 上田実季
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愛知県碧南市出身。
愛知県立明和高等学校、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。大学卒業時に、同声会賞、アカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞受賞。皇居桃華楽堂にて催された皇后陛下主催演奏会にて御前演奏。
現在東京藝術大学大学院修士課程1年に在籍。
これまでに、安田高子、後藤康孝、今野尚美、高石香、湯口美和、鈴木弘尚、吉永哲道、清水皇樹の各氏に師事。
現在、伊藤恵氏に師事。
ヤマハマスタークラス特別コース修了。
2016年度山田貞夫音楽財団奨学生。
2017年度より、ヤマハ音楽振興会音楽支援制度奨学生。
イモラサマーフェスティバル、ムジクアルプ夏季国際音楽アカデミー等に参加。
ロヴェレート、ピストイア、フィレンツェのイタリア各地でジョイントコンサート、フェニーチェ劇場(イタリア)にて行われたガルッピ音楽祭に出演。
第66回全日本学生音楽コンクール名古屋大会高校生の部第3位。
第37回ピティナ・ピアノコンペティションG級全国大会ベスト賞。
第1回イモラ国際ピアノオーディションin Japan 高校の部第1位、併せてグランプリ受賞。
第42回ピティナ・ピアノコンペティション特級全国大会銀賞等多数受賞。
Profile
- 河尻広之
-
1998年 愛知県出身。5歳よりピアノを始める。
第25回ブラームス国際コンクール ピアノ部門 第2位。エレーナ・リヒテル国際ピアノコンクール 第1位。
その他、東京ピアノコンクール、エトリンゲン青少年国際ピアノコンクール、クオリア音楽コンクール、横浜国際コンクール 室内学部門等、多数のコンクールで入賞 入選。
2019年 茂木大輔氏指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団とラフマニノフピアノ協奏曲第2番を共演する他、これまでにウィーン岐阜管弦楽団、愛知室内オーケストラと共演。ル・ポン国際音楽祭、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、宗次ホールランチタイムコンサート等、多数出演。
これまでに杉本弘子、豊田元子、定行和子、中沖玲子の各氏に師事。アンジェイ・ヤシンスキ、ジョルジュ・ナードル、クラウス・ヘルヴィッヒ、ジャン=クロード・ペヌティエ各氏のマスタークラス、レッスンを受講。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て現在、東京藝術大学音楽学部3年に在学。東誠三氏に師事。
室内楽を青柳晋氏に師事。
東京藝術大学宗次德二 特待奨学生4期生。
上記は2020年1月17日現在の情報です