<< インタビューページへ戻る
- pianist
エヴァ・ゲヴォルギヤン - 「雄弁な感情表現と完璧なテクニック、達人の特質のすべてを併せ持っている」(ICMA国際クラシック音楽賞)、「エミール・ギレリスやベラ・ダヴィドヴィッチといったロシアの巨匠を思い出させる」(グラモフォン誌)、「稀有な才能の持ち主」(モーストリークラシック誌)と評されるエヴァ・ゲヴォルギヤンは2004年に生まれ、ピアノ王国ロシアの新世代で最も期待されているピアニストのひとり。2021年の第18回ショパンコンクールでは最年少ファイナリストの中で円熟さえ感じられる重厚な表現と鋭い感性、鉄壁のテクニックで会場の聴衆と世界中のリスナーを虜にした。
モスクワ音楽院の名門中央音楽学校でナタリア・トゥルル教授に学ぶとともにロシアン・ピアニズムを代表する巨匠たちに師事。エフゲニー・キーシンやデニス・マツーエフなどの支援を受け研鑚を積んできた。ロシアが誇る天才少女としてロシア大統領やイタリア大統領などの元首に演奏を披露している。
数多くの受賞歴の一例をあげると、サンタ・チェチーリア国際ピアノコンクール第1位、ジュリアーノ・ペカール国際ピアノコンクールグランプリ、青少年のためのショパン国際ピアノコンクール(ポーランド)第1位、ヤング・ショパン国際ピアノコンクール(スイス)第1位、ロベルト・シューマンピアノコンクール第1位、シカゴ国際コンクールグランプリ、クリーヴランド国際ピアノコンクール第1位、エスベルクホフクラシックピアノフェスティバル優勝、ロシア国立交響楽団によるコンクールグランプリなど50を超える。
「あとが大事」と言われるショパンコンクールにおいて現在のエヴァの演奏活動は際立っており、モスクワ音楽院、スペインのクィーン・ソフィア高等音楽院に在学しながらロシア、ドイツ、スペイン、フランス、アメリカなどで年間90回以上のコンサートに出演、2023年初来日公演の成功は記憶に新しく、コンチェルト、リサイタルはもちろん室内楽、歌曲ピアノパートにおいても傑出した音楽性を発揮している。
2024年公演は小林研一郎指揮読売日本交響楽団とラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、ユベール・スダーン指揮札幌交響楽団とチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番を共演するとともに全国主要都市でリサイタルを開催、自分の音楽を表現するのに最も適しているというヤマハ株式会社提供のCFXで演奏。
再来日に合わせて2023年初来日公演のライヴCD「Chopin Rachmaninov」(2枚組)がアルトゥス、キングインターナショナルからリリースされた。
公演お問合せ/オフィスRyo
E-Mail:ishiceli@kki.biglobe.ne.jp
※上記は2024年10月18日に掲載した情報です。
Q1.自分で影響を受けたと思われるものは?
人物としては、モスクワ音楽院のナタリア・トゥルル先生の影響が大きいです。また、1年ほど前、あるコンサートの後に女性が訪ねてきたことがありました。「コンサートに来る前は落ち込んでいたのだけれど、あなたの演奏を聴いて気持ちが楽になった」と言ってくださったことが深く心に残っています。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
世界中のコンサート会場にヤマハのピアノがありますが、どこにいっても常にすばらしいクオリティを保っていると思います。自宅でも、ヤマハのグランドピアノで練習しています。ちょうどショパン国際ピアノコンクールの準備をしていたとき、「ヤマハ・ヤング・アーティスト」に選んでいただきました。当時私が使っていたのはひどい状態のアップライトピアノで、それを知ったヤマハの方が用意してくださったのがそのピアノです。おかげでコンクールに無事に出場でき、その後もそれを使い続けています。本当に感謝しています。
Q3.あなたにとってピアノとは?
私の人生そのものです。常に完璧でいられるわけでなく、うまくいかないことももちろんあるのですが、やはり諦めないでチャレンジし続けることが大事だと思います。落ち込んだときには、ピアノを始めたときの初心に返って自分の夢を思い出し、これまで自分が達成してきたことやどれだけ多くの人に助けられてきたか、どれほどすばらしい音楽家の方々と出会ってきたかを思い起こすようにしています。
Q4.印象に残っているホールは?
今年小林研一郎先生指揮の読売日本交響楽団とラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』を演奏した東京芸術劇場コンサートホール、リサイタルで演奏した浜離宮朝日ホールを始め、北見、名古屋、静岡、三島、浦安、上越、神戸、奈良などそれぞれのホールに思い出がたくさんできました。
今年の冬は赤穂でリサイタル、札幌交響楽団と札幌でチャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』を演奏するのが楽しみです。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ
何より大切なのは、自分がやっていることが大好きであることだと思います。そして、誰かに出来ないと言われても、めげずにやり続けること。自分にとって何が大事かは自分が一番よく知っていると思うので、人の意見に惑わされず、信じて進み続けてほしいと思います。
Textby 福田素子
リリース情報
- ショパン&ラフマニノフ 日本公演ライヴ
- レーベル:ALTUS
価格:¥4,000 (税込)
発売日:2024年09月21日
ピアノ;ヤマハCFX
ライヴ録音:
[ショパン&アンコール*]2023年9月6日/浜離宮朝日ホール
[ラフマニノフ&アンコール**]2023年9月9日/浦安市文化会館
- エヴァ・ゲヴォルギアン~第18回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ
- レーベル:NIFC
価格:¥3,900 (税込)
発売日:2022年5月28日