コンサートレポート

コンサートレポート

1982年から続く、横浜で最も伝統ある若手アーティスト支援コンサート
11月開催「第44回 横浜市招待国際ピアノ演奏会」の選考秘話や見どころを語る

2026年6月8日(横浜市役所アトリウム)

 秋のクラシック界を彩る歴史あるピアノフェスティバル『第44回 横浜市招待国際ピアノ演奏会』(11月7日(土) 横浜みなとみらいホール大ホールにて開催)に先駆け、その魅力を一足早く体験できる注目のプレイベントが、2026年6月8日(月)に横浜市役所アトリウムにて開催されました。 
 当日は、日本とフランスを拠点に国際的に活躍するピアニストであり、本演奏会企画委員長の海老彰子さん、そして今年から企画委員を担う福間洸太朗さんお二人が登壇。司会には朝岡聡さんを迎え、お昼時のアトリウムには予定数を遥かに超える多くの観客が集まりました。ステージでは11月の本公演の聴きどころが語られたほか生演奏も披露。会場から大きな拍手とともに歓声があがりました。

~~ 若き巨匠への登竜門――40年を超える歴史と輝かしい「歴代の出演者」~~

 トークセッションでは、まず40年以上の歴史を誇る本演奏会の歩みが紹介されました。本演奏会は、世界各国の国際ピアノコンクールで優秀な成績を収め、今後の活躍が期待される世界の若き才能をいち早く日本に紹介してきた「若き巨匠への登竜門」として知られています。 ピアニストとして、教育者として、また数多くの国際コンクールの審査員として世界的に活躍した故・山岡優子氏と、その提唱に賛同する音楽家や支援者の尽力により、1982年にスタートした歴史ある公演です。出演者と観客、横浜との交流も大切にしており、近年ではピアノ演奏会の枠を越え、ピアノ・室内楽のマスタークラスや、調律・演奏法などより深くピアノと音楽を学べる特別レクチャー、出演ピアニストと子どもたちとの交流会など、充実した関連企画を実施しています。より広がりのあるピアノフェスティバルとして、年々発展を遂げています。 

 過去の出演者としては、須田眞美子さん(第1回)、伊藤恵さん(第2回)、ジャン=マルク・ルイサダさん(第3回)、仲道郁代さん(第6回)、そして近年では金子三勇士さん(第30回)、藤田真央さん(第37回)、アレクサンダー・ガジェヴさん(第38回)、ケイト・リウさん(第39回)、桑原志織さん(第39回)、小林愛実さん(第40回)が挙げられます。さらには今回、登壇及び演奏された福間洸太朗さん(第33回)や、特別公演として海老彰子さん(第40回)も出演しており、現在クラシック界のトップを走る世界的名手たちが名を連ねています。

~~ 選考委員が太鼓判を押す、11月公演「4名の聴きどころ」~~

 今年の11月7日(土)に開催される本公演には、世界から選び抜かれた4名の若き名手たちが登場します。プレイベントでは、その一人である中川優芽花さんからのビデオメッセージが紹介され、さらに、ヤマハの自動演奏ピアノ「Disklavier™(ディスクラビア)」を用いて、事前に収録された彼女の繊細なタッチをリアルに再現した自動演奏も披露されました。

■ アリエル・ラニ(イギリス)
”初来日” 2021年リーズ国際ピアノコンクール第3位
聴き手を引き込む美しいショパン、そして知的かつ冷静なバルトークを演奏。
■ 中川優芽花(日本)
ドイツ出身の才媛。2021年のクララ・ハスキル国際ピアノコンクール優勝
海外生活が長い中でも日本人らしい美徳を持ち合わせており、繊細で内に秘めた情熱あふれる演奏が魅力。
■ カラム・マクラクラン(イギリス)
”2度目の来日”2021年ロベルト・シューマン国際ピアノコンクール ファイナリスト
予選時などには珍しい楽曲(レア曲)を演奏するなど、独自の世界観を持っているピアニスト。
■ ドミトリー・ユージン(アメリカ)
”初来日” 2026年ルービンシュタイン国際ピアノコンクール ファイナリスト
開催国(日本)の作曲家である武満徹の楽曲を選曲。今後のさらなる伸びしろにも注目が集まるお一人。 

 今年の出演者たちについて、「それぞれが国際コンクールで強烈な光を放った個性豊かな才能ばかり。」と、本公演への期待を熱く語りました。

~~ 名手2人による贅沢なトーク&珠玉の生演奏~~

 イベントのクライマックスでは、福間さんによるソロ演奏、そして海老さんと福間さんによる連弾の生演奏が披露され、開放的なアトリウム全体に極上の響きが渡り、集まった観客の皆様は熱心に耳を傾けていました。 
 かつてこのステージを踏んだ若者たちが世界の巨匠へと羽ばたいたように、今年も新たな才能が横浜の地に集います。
 11月7日(土)に横浜みなとみらいホール大ホールで開催される本公演に向け、大いに期待が高まる充実のプレイベントとなりました。

【公演情報】
日時:2026年11月7日(土) 15:00開演(14:20開場)
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
出演 /曲目:
●アリエル・ラニ
ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番 ト長調
ショパン:ノクターン 第20番 嬰ハ短調(遺作)/即興曲 第2番 嬰へ長調 Op. 36
レスピーギ:《6つの小品》より〈ノクターン〉/グレゴリオ聖歌による3つの前奏曲 第2番
●中川 優芽花
ショパン:4つのマズルカ Op.30/ノクターン 第17番 ロ短調 Op.62-1
ラヴェル:ラ・ヴァルス
●カラム・マクラクラン
ラヴェル:鏡
ラフマニノフ:エチュード《音の絵》Op.39より 第9番 ニ長調
●ドミトリー・ユージン
リスト:巡礼の年 第1年《スイス》より〈泉のほとりで〉〈夕立〉 
セッションズ:私の日記から
武満 徹:遮られない休息
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第5番 Op. 53

Text by 編集部、photo:©藤本史昭

▼第44回横浜市招待国際ピアノ演奏会
https://yokohama-minatomiraihall.jp/concert/archive/recommend/2026/11/4584.html