© Shigeto Imura
- イリヤ・イーティン
ピアニスト
- 突出した才能と卓越した技法を持つピアニスト イリヤ・イーティン。
モスクワ音楽院を最優秀で卒業。L.ナウモフ氏に師事。
「彼の音楽は、誠実で温かく、詩的で、ロマンティズムに溢れている。」と名教授レフ・ナウモフ教授のエピソードにある。・リーズ国際ピアノコンクール審査員全員一致の第1位受賞、
並びに近現代音楽部門 第1位、BBC放送聴衆賞受賞。
・ラフマニノフ国際コンクール第2位。
・ウィリアム・カペル国際ピアノコンクール第2位
・クリーブランド国際コンクール第1位、並びにショパン賞受賞。
・アールトゥール・ルービンシュタイン国際コンクール第3位
・ジーナ・バッカウァーコンクール第3位、並びにモーツァルト賞、並びにプロコフィエフ賞受賞。
プリンストン大学・ゴランスキー・インスティテゥートクラスに毎年招かれ、マスタークラスを、またジュリアード音楽院、UCLAでマスタークラスに招かれている。2017年からウラル大学に招聘され、2018年ウラル国際音楽コンクールピアノ部門の審査委員長を務める。日本音楽コンクール、及び仙台国際コンクールの審査員を務める。
現在、武蔵野音楽大学客員教授。
© Shigeto Imura
- 篠崎 史紀
ヴァイオリニスト
- 北九州市出身。愛称 “まろ”。
3歳より父篠崎永育、母美樹の手ほどきを受け、1981年ウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを飾る。その演奏は、「信頼性のあるテクニック、遊び心もある音楽性」(ヴィーナーツァイトゥング紙)、「真珠を転がすような丸く鮮やかな音色、魅惑的な音楽性」(フォルクスシュティンメ紙)と各メディア紙から称賛される。その後ヨーロッパの主要なコンクールで数々の受賞を果たしヨーロッパを中心にソロ、室内楽と幅広く活動。完璧なテクニックとパッション溢れる美音は他の追随を許さない。1988年帰国後、群馬交響楽団、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、1997年NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。2000年より第1コンサートマスターとして活躍。2023年4月より特別コンサートマスター。
演奏会やオーケストラの企画も自ら行い、2004年よりスタートした銀座・王子ホールと”まろ” プロデュースによる共同企画『MAROワールド』のシリーズから弦楽合奏団「マロカンパニー」が結成され、指揮者無しの大型室内楽「マロオケ(Meister Art Romantker Orchester)」にまで発展している。これらの功績により、「 2020 年度第 33 回ミュージック・ペンクラブ音楽賞」にて『MARO ワールド』がクラシック室内楽・合唱部門賞を受賞。
1979年史上最年少で北九州市民文化賞、2001年福岡県文化賞、2014年第34回NHK交響楽団「有馬賞」受賞。
北九州文化大使、昭和音楽大学特任教授、昭和音楽大学附属ストリングスアカデミー主任教授、桐朋学園大学非常勤講師。WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。
著書には『ルフトパウゼ―ウィーンの風に吹かれて」『篠崎史紀 ヴァイオリン選曲集 Maro’s Palette』、篠﨑史紀のヴァイオリン上達練習法 パンドラの箱、『絶対! うまくなる バイオリン 100のコツ』、『MAROの“偏愛”名曲案内 ~フォースと共に』がある。
使用楽器は(株)ミュージック・プラザより貸与されている1727年製ストラディヴァリウス。
- 白井 篤
ヴァイオリニスト
- 国立音楽大学付属高校を経て、桐朋学園大学卒業。
1999年NHK交響楽団入団。2003年アフィニス文化財団海外研修員としてウィーンへ留学。アレキサンダー・アレンコフ氏に師事。ウィーンにて初リサイタル開催。帰国後、NHK交響楽団での演奏を中心に、ソロ、室内楽で積極的に活動をしている。横浜市イギリス館にてトーク付きサロン・コンサートシリーズ「旅するヴァイオリン」を毎月開催。横浜市開港記念館、横浜みなとみらいホールを拠点に活動をするNPO法人「ハマのJACK」では、演奏会を年4公演のほか、子供たちを対象としたワークショップも開催。
N響メンバーによる弦楽四重奏団「クァルテット・リゾナンツァ」では、銀座ヤマハホールにてベートーベン弦楽四重奏全曲演奏シリーズを開催。銀座王子ホールにて毎年リサイタルを開催し、意欲的なプログラミングで好評を博す。
ヴァイオリンを名取美保、守岡輝、日高毅、篠崎功子、アレクサンダー・アレンコフの各氏に師事。
現在、クァルテット・ロゾナンツァ 1stViolin,室内オーケストラ「ARCUS」メンバー、NPO法人「ハマのJACK」副理事。国立音楽大学及び国立音楽大学付属中学・高校非常勤講師。
NHK交響楽団2ndヴァイオリン・次席奏者。
- 宮坂 拡志
チェリスト
- 東京都出身。4歳半よりチェロを始める。
桐朋女子高等学校(共学)を経て、桐朋学園大学卒業。その後、N響アカデミー(1期生)を経て、2007年NHK交響楽団に入団。これまでに、プロジェクトQ、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト、小澤征爾・ロストロポーヴィチ各氏によるコンサートキャラバン、宮崎国際音楽祭、軽井沢国際音楽祭、水戸室内管弦楽団等に出演。エルンスト・オッテンザマー、ラリー・コームズ、フォルクハルト・シュトイデの各氏等とも共演。2010年アフィニス文化財団海外研修員として、国立ミュンヘン音楽大学に留学。今までに、チェロを木越洋、堤 剛、ウェン=シン・ヤンの各氏に師事。
トリオ・ブリランテ、鶴クァルテット、マティアス・ストリングス、東京チェロアンサンブル等のメンバー。
- 中村 翔太郎
ヴィオリスト
- 兵庫県三田市出身。
4歳よりヴァイオリンを始め、2005年、東京藝術大学附属音楽高校入学を機にヴィオラに転向。これまでにヴィオラを百武由紀、川崎和憲の各氏に師事。第15回コンセール・マロニエ21弦楽器部門第1位、他多数入賞。サント・ヨーロッパ音楽祭に出演や、ウィーンフィル・ベルリンフィルメンバーと共演するなど国内外で活躍している。大阪フィルハーモニー交響楽団や日本センチュリー交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、東京交響楽団、ベトナム交響楽団等に客演首席奏者として出演。毎年地元の三田で「真冬の熱いクラシック」を主宰するなど関西方面でも積極的に活動している。
学内において、同声会賞、アカンサス音楽賞、三菱地所賞受賞。
東京ジュニアオーケストラソサエティ講師。
藝大同期による弦楽アンサンブル「TGS」代表。Alto de Campagne(ヴィオラ四重奏)メンバー。東京藝術大学卒業。N響アカデミーを経て現在NHK交響楽団首席代行ヴィオラ奏者。
リーズ国際ピアノコンクール審査員全員一致の第1位受賞、ラフマニノフ国際コンクール第2位などの輝かしいコンクール受賞歴を持ち、ロシアピアニズムを継承する精巧なテクニックと研ぎ澄まされた感性、緻密な作品解釈でその演奏が高い評価を得ているイリヤ・イーティンさんが、2023年6月1日、東京文化会館小ホールにてNHK交響楽団(以下N響)のメンバー達との室内楽公演を行う。
N響の特別コンサートマスターである篠崎史紀さん(ヴァイオリン)をはじめ、白井篤さん(ヴァイオリン)、宮坂拡志さん(チェロ)、中村翔太郎さん(ヴィオラ)という屈指の名手たちによる室内楽の共演を前に、イーティンさんは次のように語る。
「今回の演奏会は、トリオ→カルテット→クインテット と、つまり3人から4人、5人と編成が変わって…でも、いつもピアノは一人(笑)。どのように音の厚みが変わっていくのか、私自身、とても楽しみでなりません」
マーラーが残した唯一の室内楽曲である「ピアノ四重奏 イ短調 アレグロ」は、ともすると交響曲の大作に隠れがちな隠れた名曲。物悲しい情感や濃密な構成感がどのように表現されるか注目したい。
また、通称「メントリ」と呼ばれ、メンデルスゾーンの作品の中でも特に人気の高い「ピアノトリオ第1番 作品49」も必聴。名手たちの手によって、この円熟期の名作が唯一無二の演奏で会場を包み込むことは間違いないだろう。
ブラームスの「ピアノ五重奏 作品34 ヘ短調」はピアノと弦楽四重奏という非常に珍しい編成で書かれた名作。5人の卓越した技術と、密度を増した重厚な響きで公演のクライマックスに聴衆を導くことだろう。
「私は篠崎史紀さん(マロ)とかつて演奏をしたことがあり、また篠崎さんは、他のメンバーとオーケストラでともに演奏をしている間柄。今回これらがコラボレーションすると、いったいどんな音になるんだろう?初めての顔合わせに、今からワクワクしています。CAN’T WAIT!ある意味、夢の競演ですよ」
と楽しみを隠せない様子のイーティンさんは、これまでにも度々使用しているヤマハコンサートグランドピアノCFXで今回の公演に臨む。豪華メンバーによる贅沢な共演は、忘れられない一夜の思い出として聴衆の記憶に残り続ける事だろう。必聴の公演を、是非お聴き逃しなく。
Textby 編集部