ヴィオリスト:中村 翔太郎  - イリヤ・イーティンとN響メンバーによる室内楽の夕べ この記事は2023年5月1日に掲載しております。

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 リーズ国際ピアノコンクール審査員全員一致の第1位受賞、ラフマニノフ国際コンクール第2位などの輝かしいコンクール受賞歴を持ち、ロシアピアニズムを継承する精巧なテクニックと研ぎ澄まされた感性、緻密な作品解釈でその演奏が高い評価を得ているイリヤ・イーティンさんが、2023年6月1日、東京文化会館小ホールにてNHK交響楽団(以下N響)のメンバー達との室内楽公演を行う。

 N響の特別コンサートマスターである篠崎史紀さん(ヴァイオリン)をはじめ、白井篤さん(ヴァイオリン)、宮坂拡志さん(チェロ)、中村翔太郎さん(ヴィオラ)という屈指の名手たちによる室内楽の共演を前に、イーティンさんは次のように語る。

 「今回の演奏会は、トリオ→カルテット→クインテット と、つまり3人から4人、5人と編成が変わって…でも、いつもピアノは一人(笑)。どのように音の厚みが変わっていくのか、私自身、とても楽しみでなりません」

 マーラーが残した唯一の室内楽曲である「ピアノ四重奏 イ短調 アレグロ」は、ともすると交響曲の大作に隠れがちな隠れた名曲。物悲しい情感や濃密な構成感がどのように表現されるか注目したい。
 また、通称「メントリ」と呼ばれ、メンデルスゾーンの作品の中でも特に人気の高い「ピアノトリオ第1番 作品49」も必聴。名手たちの手によって、この円熟期の名作が唯一無二の演奏で会場を包み込むことは間違いないだろう。
 ブラームスの「ピアノ五重奏 作品34 ヘ短調」はピアノと弦楽四重奏という非常に珍しい編成で書かれた名作。5人の卓越した技術と、密度を増した重厚な響きで公演のクライマックスに聴衆を導くことだろう。

 「私は篠崎史紀さん(マロ)とかつて演奏をしたことがあり、また篠崎さんは、他のメンバーとオーケストラでともに演奏をしている間柄。今回これらがコラボレーションすると、いったいどんな音になるんだろう?初めての顔合わせに、今からワクワクしています。CAN’T WAIT!ある意味、夢の競演ですよ」

と楽しみを隠せない様子のイーティンさんは、これまでにも度々使用しているヤマハコンサートグランドピアノCFXで今回の公演に臨む。豪華メンバーによる贅沢な共演は、忘れられない一夜の思い出として聴衆の記憶に残り続ける事だろう。必聴の公演を、是非お聴き逃しなく。

Textby 編集部

※上記は2023年5月1日に掲載した情報です。