2017年にデビュー30周年を迎えた仲道郁代さん。31年目から先の10年を見据えた新しい企画を立ち上げるため、2018年1月に記者会見を行った。
© Kiyotaka Saito
- 仲道 郁代
ピアニスト
- デビュー30周年を迎えた2016/2017シーズンは、サントリーホールと東京文化会館を始めとする全国での記念公演のほか、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団との全国ツアーを展開。2017年秋からは、「デビュー30周年記念 BSフジ presents 仲道郁代 ピアノソロコンサート “ロマンティックなピアノ”」を全国で開催。連動した記念特別TV番組がBSフジにて昨年9月から放映されている。併せて、CD『ショパン:ワルツ』、『永遠のショパン』、『シューマン:ファンタジー』やDVD『ショパン・ライヴ・アット・サントリーホール』がリリースされた。また2017/2018シーズンからは、デビュー40周年とベートーヴェン没後200周年が重なる2027年に向け、ベートーヴェンのソナタ、関連を示すポスト/プレ作曲家の作品によるシリーズ、親密(intimate)な空間で研ぎ澄まされたピアノの響きを追求するシリーズと、10年間の2つのリサイタル・シリーズをスタートする。ベートーヴェン・シリーズの第1回目、「ベーとヴェンと極めるクラシック道Vol.1」が4月30日(月・休)にサントリーホールで開催される。4歳からピアノを始める。中学時代をアメリカ・ミシガン州で過ごす。桐朋学園高校を経て、桐朋学園大学1年在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、増沢賞を受賞。桐朋学園大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞。文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学。ジュネーヴ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始する。これらの活動が評価され、国内でも88年に村松賞、93年にモービル音楽奨励賞を受賞した。
温かい音色と叙情性、卓越した音楽性が高く評価され、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、マゼール指揮ピッツバーグ響、バイエルン放響、フィルハーモニア管、ズッカーマン指揮イギリス室内管(ECO)、ブルゴス指揮ベルリン放響、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルなど、海外のオーケストラとの共演。人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして活躍している。
またカーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーホールなど世界各地の著名ホールでコンサートを行っている。05年には、英国チャールズ皇太子夫妻ご臨席のもとウィンザー城で行われたイギリス室内管弦楽団(ECO)主催の「結婚祝祭コンサート」に出演し絶賛された。
レコーディングはソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、多数のCDをリリース。著作に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。一般財団法人地域創造理事、大阪音楽大学特任教授、桐朋学園大学教授。
テレビ番組、新聞、雑誌などメディアへの出演も多く、音楽の素晴らしさを広く深く伝える姿勢は多くの共感を集めている。
仲道郁代オフィシャルサイト
冒頭の挨拶では「あっと言う間の、しかし充実した30年。演奏し続けられたことに感謝し、それが生きるエネルギーとなっています」と述べ、この30年を大まかに振り返るビデオが流された。
「ピアノやピアノ音楽を聴くことで、不安定になっている心を定位置に戻すことができると信じています。演奏していると、無になって特別な空間にいる感覚になります。それを聴き手の皆さんと共有するのが、演奏家の醍醐味。これは、デビューの頃と変わらぬ思いです。また20年前からベートーヴェンに取り組んだことで、音楽に生きるための哲学があることも知りました。こうしたことを踏まえて、今後10年の計画を立てました」
その計画とは、それぞれ年に1回ずつ行い、2027年に完結する2つのシリーズだ。
「ひとつは、ベートーヴェンのソナタをプログラムの軸にしたもの。毎回テーマを持たせつつ、ベートーヴェンが影響を受けた作品やベートーヴェンの影響を受けた作品を組み合わせました。毎春にサントリーホールなどで開催します」
作曲家でベートーヴェン研究でも知られた諸井誠氏とのレクチャー・コンサート・シリーズで「開眼」し、これからもベートーヴェン解釈を続けていくという。最終回の2027年はベートーヴェン没後200年であり、仲道さんの演奏活動40周年ともなる。それに組まれたショパンのピアノ・ソナタ第2番(第3楽章が「葬送行進曲」)には、特別な思いがあるという。
「20年ほど前に母が亡くなった折り、遺言によって葬儀で弾いて以来、ずっと演奏できませんでした。しかしそれを弾くことは、母の死を受け入れ、悲しみを乗り超えることになると思いました」
このシリーズの1回目は、2018年4月30日に開催される。「パッションと理性」と題し、モーツァルトのピアノ・ソナタK.310、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57、そしてブラームス:ピアノ・ソナタ第3番Op.5がプログラミングされた。仲道さんの透徹したピアニズムによって、3人の作曲家は響き合いながら、その違いもはっきりと見えてくれることだろう。
もうひとつは、毎秋に東京文化会館小ホールなどの、インティメート(親密)な空間で行うシリーズ。
「繊細で内面的な性格をもったさまざまな作品で、私自身のピアニズムを極め、研ぎ澄まされたピアノの響きを求めていきたい。2つのシリーズが完結した時に、どこに行きついているかはわかりません。先人たちのあり方や社会を見つめていくことも含めて、10年後に到達できる世界を楽しみにしています」
さらに2018 年3月16日(金)には「仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル」を開催する。上原彩子、小川典子、金子三勇士、清水和音、萩原麻未という、世代も個性も異なる実力派が参加して繰り広げる「ピアノの饗宴」だ。
「大好きなピアノを皆で盛り上げたい。6人のための曲がないので、5台のピアノでステージを回していきます。超絶技巧で火花を散らしながら、とにかくピアノの醍醐味をご披露したい」
演奏家としての社会貢献にも意欲的に取り組んでいる仲道郁代さん。これからの10年はさらに充実した日々となるに違いない。
<仲道郁代『ピアノ・フェスティヴァル』出演者からのメッセージ動画>
Textby 堀江昭朗
仲道郁代ピアノ・リサイタル~ベートーヴェンと極めるピアノ道vol.1(全10回)
2018年4月30日(月・祝)14:00 サントリーホール
[プラグラム]
モーツァルト:ピアノ・ソナタK.310
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番「熱情」Op.57
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番Op.5 他
お問い合わせ:ジャパン・アーツぴあ 03-5774-3040
▶公演の詳細、チケットの購入はこちらをご覧ください
コンサート情報
仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル- 日時:2018年3月16日 19:00開演
会場:東京芸術劇場 コンサートホール
出演: 仲道郁代、上原彩子、小川典子、金子三勇士、萩原麻未、中野翔太、太田糸音、實川風
※諸事情により当初の発表より出演者が変更になっております。
お申し込み:ジャパン・アーツぴあ
03-5774-3040
※出演者による公開マスタークラス
時間:15:00~17:45
会場:シンフォニースペース(東京芸術劇場5F)
▼ピアニスト・トーク 質問募集▼
〒150-8905 東京都渋谷区渋谷2-1-6
ジャパン・アーツ「仲道郁代ピアノ・フェスティヴァル」係
または、仲道郁代オフィシャルTwitter、Facebookまでお送り下さい(2018年2月末日締切)。
Twitter:@Ikuyo_nakamichi Facebook:@ikuyopiano(メッセージにて)
Profile
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- 仲道 郁代 ピアニスト
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デビュー30周年を迎えた2016/2017シーズンは、サントリーホールと東京文化会館を始めとする全国での記念公演のほか、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団との全国ツアーを展開。2017年秋からは、「デビュー30周年記念 BSフジ presents 仲道郁代 ピアノソロコンサート “ロマンティックなピアノ”」を全国で開催。連動した記念特別TV番組がBSフジにて昨年9月から放映されている。併せて、CD『ショパン:ワルツ』、『永遠のショパン』、『シューマン:ファンタジー』やDVD『ショパン・ライヴ・アット・サントリーホール』がリリースされた。また2017/2018シーズンからは、デビュー40周年とベートーヴェン没後200周年が重なる2027年に向け、ベートーヴェンのソナタ、関連を示すポスト/プレ作曲家の作品によるシリーズ、親密(intimate)な空間で研ぎ澄まされたピアノの響きを追求するシリーズと、10年間の2つのリサイタル・シリーズをスタートする。ベートーヴェン・シリーズの第1回目、「ベーとヴェンと極めるクラシック道Vol.1」が4月30日(月・休)にサントリーホールで開催される。 4歳からピアノを始める。中学時代をアメリカ・ミシガン州で過ごす。桐朋学園高校を経て、桐朋学園大学1年在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、増沢賞を受賞。桐朋学園大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞。文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学。ジュネーヴ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始する。これらの活動が評価され、国内でも88年に村松賞、93年にモービル音楽奨励賞を受賞した。
温かい音色と叙情性、卓越した音楽性が高く評価され、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、マゼール指揮ピッツバーグ響、バイエルン放響、フィルハーモニア管、ズッカーマン指揮イギリス室内管(ECO)、ブルゴス指揮ベルリン放響、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルなど、海外のオーケストラとの共演。人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして活躍している。
またカーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーホールなど世界各地の著名ホールでコンサートを行っている。05年には、英国チャールズ皇太子夫妻ご臨席のもとウィンザー城で行われたイギリス室内管弦楽団(ECO)主催の「結婚祝祭コンサート」に出演し絶賛された。
レコーディングはソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、多数のCDをリリース。著作に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。一般財団法人地域創造理事、大阪音楽大学特任教授、桐朋学園大学教授。
テレビ番組、新聞、雑誌などメディアへの出演も多く、音楽の素晴らしさを広く深く伝える姿勢は多くの共感を集めている。
仲道郁代オフィシャルサイト
上記は2018年2月14日現在の情報です。