ピアニスト:荒井泉美  - 荒井 泉美 ピアノ・リサイタル

2025年12月23日に東京文化会館で開催される
新進演奏家育成プロジェクト・リサイタルに出演する荒井泉美さんに、お話を伺いました。

Profile

Q:12/23に新進演奏家育成プロジェクトのリサイタルにありますが、荒井さんにとって東京文化会館の会場はどのような存在でしょうか。

A:東京で生まれ育った私は、幼い頃からよく上野に出かけていました。その頃から東京文化会館は、私にとって上野の入口を象徴する存在です。上野駅を降りて最初に目に入る大きな建物が東京文化会館で、それを見てから美術館や動物園へ向かうーー子どもの頃から「上野に来た」と実感させてくれる建物でした。
 ホールに入れる年齢になってからは、色々なコンサートに足を運ぶようになり、素晴らしい演奏家の皆さまがコンサートをされてきたこのステージに自分も立てることに嬉しく思うと同時に、身の引き締まる思いです。

Q :今回演奏される作曲家や曲目について、聴きどころがありましたら教えてください。

A:修士論文のテーマにしたほど大好きなドビュッシーの前奏曲集第2集を初めて全曲通して演奏いたします。
 和声や表題からのイメージが注目されることが多い作品ですが、この曲集の面白さは、リズムの効果にもあると考えております。響きの良い東京文化会館で、全曲通して音響の操作や時間の経過に貢献しているリズムの効果を表現したいと考え、今回選曲いたしました。
 また、前半はドビュッシーに大きく影響を与えたバッハとショパンの作品を取り上げ、時代の流れとともに移り変わる音楽の表現で、人間の心の奥底にある普遍的な響きを探ります。

Q: 当日はヤマハコンサートピアノCFXで演奏されますが、CFXはどんなピアノでしょうか。

A:まず音が立体的で、特に透明感のある高音がとても美しいなと感じます。自分の中にある音のイメージを望んだ通りに映し出してくれる楽器です。    
 だからこそ、自分のイメージが曖昧なまま弾くと、その曖昧さまで音になってしまう、繊細で奥深いピアノだと感じます。

Q:公演へ来場される皆さんへメッセージをぜひお願いします。

A:一音一音に誠実に向き合い、それぞれの作品の持つ世界を丁寧に表現したいです。         
 お聴きくださる皆さまに、心地よいひとときをお届けできるよう、心を込めて演奏いたします。皆さまのご来場をお待ちしております!