2018年3月16日に東京芸術劇場で「仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル」が開催されます。6人のピアニストが結集し、5台のピアノで繰り広げるコンサートやトークなど、ピアノの魅力がたっぷりと詰まった“お祭り”について、仲道郁代さんにうかがいました。
© Kiyotaka Saito
- 仲道 郁代
ピアニスト
- デビュー30周年を迎えた2016/2017シーズンは、サントリーホールと東京文化会館を始めとする全国での記念公演のほか、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団との全国ツアーを展開。2017年秋からは、「デビュー30周年記念 BSフジ presents 仲道郁代 ピアノソロコンサート “ロマンティックなピアノ”」を全国で開催。連動した記念特別TV番組がBSフジにて昨年9月から放映されている。併せて、CD『ショパン:ワルツ』、『永遠のショパン』、『シューマン:ファンタジー』やDVD『ショパン・ライヴ・アット・サントリーホール』がリリースされた。また2017/2018シーズンからは、デビュー40周年とベートーヴェン没後200周年が重なる2027年に向け、ベートーヴェンのソナタ、関連を示すポスト/プレ作曲家の作品によるシリーズ、親密(intimate)な空間で研ぎ澄まされたピアノの響きを追求するシリーズと、10年間の2つのリサイタル・シリーズをスタートする。ベートーヴェン・シリーズの第1回目、「ベーとヴェンと極めるクラシック道Vol.1」が4月30日(月・休)にサントリーホールで開催される。4歳からピアノを始める。中学時代をアメリカ・ミシガン州で過ごす。桐朋学園高校を経て、桐朋学園大学1年在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、増沢賞を受賞。桐朋学園大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞。文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学。ジュネーヴ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始する。これらの活動が評価され、国内でも88年に村松賞、93年にモービル音楽奨励賞を受賞した。
温かい音色と叙情性、卓越した音楽性が高く評価され、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、マゼール指揮ピッツバーグ響、バイエルン放響、フィルハーモニア管、ズッカーマン指揮イギリス室内管(ECO)、ブルゴス指揮ベルリン放響、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルなど、海外のオーケストラとの共演。人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして活躍している。
またカーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーホールなど世界各地の著名ホールでコンサートを行っている。05年には、英国チャールズ皇太子夫妻ご臨席のもとウィンザー城で行われたイギリス室内管弦楽団(ECO)主催の「結婚祝祭コンサート」に出演し絶賛された。
レコーディングはソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、多数のCDをリリース。著作に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。一般財団法人地域創造理事、大阪音楽大学特任教授、桐朋学園大学教授。
テレビ番組、新聞、雑誌などメディアへの出演も多く、音楽の素晴らしさを広く深く伝える姿勢は多くの共感を集めている。
仲道郁代オフィシャルサイト
「仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル」と自らの名を冠した企画を提案し、芸術監督を務める仲道郁代さん。初の試みとなるフェスティヴァルにかける思いとは、いかなるものなのだろうか。
「ピアノが好きな方たち、ピアノに興味がある方たちと、ピアノで盛り上がろうよ!と。演奏する人もプロ、アマ、みんなでピアノを楽しみたい。そんな場が出来たら、と思ったのが始まりです。日本ほど、家庭や学校などさまざまな場所にピアノがある国は他にはないそうです。また現在弾いている人、小さい頃習っていた人の数も膨大です。最近では、定年後に再びピアノを弾き始めたという方も増えていらっしゃいます。私のファンクラブでも、最高齢では94歳の方が懇親会にて演奏してくださっています。音楽の専門の方ではなく、もちろん愛好家の方です。日本におけるピアノ熱は相当なものなのではと思います。だから、みんなでピアノをいろいろに楽しもうよ!と思ったわけなのです」
フェスティヴァルでは、仲道さんのほかに、上原彩子さん、小川典子さん、金子美勇士さん、清水和音さん、萩原麻未さんといった素晴らしいピアニストたちが“響演”する。仲道さんの“ピアノLOVE”に共感し、出演することになった名手たちと繰り広げられる世界には期待が高い。
「今回はピアニストが6人いるので6台のピアノ曲を探したのですが楽譜がなかったんです。5台の曲ならアレンジされたものがあったので、5台のピアノをステージに準備して、6人のピアニストたちが難曲に取り組みます。どの曲で誰がどのピアノを弾くかという順番までも私が決めました。曲に関しても知識や先入観なしで楽しんでいただくことを念頭において選曲しました。5台のピアノで『熊蜂飛行』のような曲。相当スリリングだと思うんです。ピアノは東京芸術劇場に常備されているピアノのほかヤマハのCFXなど、2台のときも5台のときも、それぞれのピアノが奏でる音色の違いを感じていただけるでしょう。例えばCFXは輝かしくてパワーがあってレンジも広い“ヤマハサウンド”と呼べる金字塔のような楽器ですので、その音色も楽しんでいただきたいですね。
舞台では6人の“ピアニストトーク”を行うことになっていて、皆さんから質問を募集しています。6人のピアニストが一堂に会する機会はなかなかないので、いろんな質問にお答えしたいですし、それぞれが異なる発言をすると思いますので、内容にも興味を持っていただけるのではないでしょうか」
プログラムには仲道郁代さん、小川典子さん、清水和音さんによる「マスタークラス」が予定されており、単に“聴く”だけではないピアノの魅力を体感できるフェスティヴァルにしたいという情熱が伝わってくる。そして、仲道さんには第一回のフェスティヴァルを土台とし、ピアノを通した交流の場となるべく、次なる構想も広がっている。
「実は2019年にも同じ東京芸術劇場で開催しようと、何人かの方にも出演することをご承諾していただいています。今回は実現できませんでしたが、調律師の方やピアノのメーカーの方、ピアノの先生方にも参加していただいて、ピアノの構造や歴史などを説明したり、ピアノの見本市のようなブースを作りたいです。アマチュアの方が演奏するコーナーも、次回はぜひ実現させたいです。私は、自分がピアニストだからこそ、伝えることができるピアノの魅力があると思っています。これまでピアニストという道を歩み、ピアノを追究し続けてきました。ピアノに対するその思いはコンサートを手がける方も楽器を作られる方も共感してくださると思いますし、ピアニストとは違う視点をお持ちでしょう。そういう皆が集まる“お祭り”になるといいですね。ピアノは面白くて、楽しい。そしてその音色は人を包み込み、愛を伝えることのできる楽器。このフェスティヴァルでピアノの魅力、ピアノから広がる世界観を皆で共有できたら嬉しいです」
Textby 山下シオン
<仲道郁代『ピアノ・フェスティヴァル』出演者からのメッセージ動画>
コンサート情報
仲道郁代 ピアノ・フェスティヴァル- 日時:2018年3月16日 19:00開演
会場:東京芸術劇場 コンサートホール
出演: 仲道郁代、上原彩子、小川典子、金子三勇士、萩原麻未、中野翔太、太田糸音、實川風
※諸事情により当初の発表より出演者が変更になっております。
お申し込み:ジャパン・アーツぴあ
03-5774-3040
※出演者による公開マスタークラス
時間:15:00~17:45
会場:シンフォニースペース(東京芸術劇場5F)
▼ピアニスト・トーク 質問募集▼
〒150-8905 東京都渋谷区渋谷2-1-6
ジャパン・アーツ「仲道郁代ピアノ・フェスティヴァル」係
または、仲道郁代オフィシャルTwitter、Facebookまでお送り下さい(2018年2月末日締切)。
Twitter:@Ikuyo_nakamichi Facebook:@ikuyopiano(メッセージにて)
Profile
© Kiyotaka Saito
- 仲道 郁代 ピアニスト
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デビュー30周年を迎えた2016/2017シーズンは、サントリーホールと東京文化会館を始めとする全国での記念公演のほか、小林研一郎指揮ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団との全国ツアーを展開。2017年秋からは、「デビュー30周年記念 BSフジ presents 仲道郁代 ピアノソロコンサート “ロマンティックなピアノ”」を全国で開催。連動した記念特別TV番組がBSフジにて昨年9月から放映されている。併せて、CD『ショパン:ワルツ』、『永遠のショパン』、『シューマン:ファンタジー』やDVD『ショパン・ライヴ・アット・サントリーホール』がリリースされた。また2017/2018シーズンからは、デビュー40周年とベートーヴェン没後200周年が重なる2027年に向け、ベートーヴェンのソナタ、関連を示すポスト/プレ作曲家の作品によるシリーズ、親密(intimate)な空間で研ぎ澄まされたピアノの響きを追求するシリーズと、10年間の2つのリサイタル・シリーズをスタートする。ベートーヴェン・シリーズの第1回目、「ベーとヴェンと極めるクラシック道Vol.1」が4月30日(月・休)にサントリーホールで開催される。 4歳からピアノを始める。中学時代をアメリカ・ミシガン州で過ごす。桐朋学園高校を経て、桐朋学園大学1年在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、増沢賞を受賞。桐朋学園大学1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢賞を受賞。文化庁在外研修員としてミュンヘン国立音楽大学に留学。ジュネーヴ国際コンクール最高位、メンデルスゾーン・コンクール第1位メンデルスゾーン賞、エリザベート王妃国際コンクール5位と受賞を重ね、以後ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動を開始する。これらの活動が評価され、国内でも88年に村松賞、93年にモービル音楽奨励賞を受賞した。
温かい音色と叙情性、卓越した音楽性が高く評価され、これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、マゼール指揮ピッツバーグ響、バイエルン放響、フィルハーモニア管、ズッカーマン指揮イギリス室内管(ECO)、ブルゴス指揮ベルリン放響、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルなど、海外のオーケストラとの共演。人気、実力ともに日本を代表するピアニストとして活躍している。
またカーネギーホール、ベルリン・フィルハーモニーホール、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニーホールなど世界各地の著名ホールでコンサートを行っている。05年には、英国チャールズ皇太子夫妻ご臨席のもとウィンザー城で行われたイギリス室内管弦楽団(ECO)主催の「結婚祝祭コンサート」に出演し絶賛された。
レコーディングはソニー・ミュージックジャパンインターナショナルと専属契約を結び、多数のCDをリリース。著作に『ピアニストはおもしろい』(春秋社)等がある。一般財団法人地域創造理事、大阪音楽大学特任教授、桐朋学園大学教授。
テレビ番組、新聞、雑誌などメディアへの出演も多く、音楽の素晴らしさを広く深く伝える姿勢は多くの共感を集めている。
仲道郁代オフィシャルサイト
上記は2018年2月14日現在の情報です。