ギタリスト:山田唯雄  - 黒崎拓海×山田唯雄 ”音景と解像度” PIANO & GUITAR DUO RECITAL

黒崎拓海(Piano)と山田唯雄(Guitar)によるデュオ・リサイタルの待望第2弾。
「音景と解像度」をテーマとし、性質の異なる二つの楽器が互いの特性を活かし合うこの公演プログラムについて語っていただきました。

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Q1:Duo Recital「音景と解像度」ですが、コンサートのコンセプトや、今回のリサイタルに懸ける意気込みをお聞かせください。

私たちの企画は、「それぞれの楽器が持つ個性や魅力」、そして「時代とともに変化する音楽の形」をひとつのコンサートの中で浮かび上がらせることを狙いとしています。プログラムには「共通のテーマを持つ作品を異なる楽器で演奏する」という特徴があり、それによって音楽表現の"解像のあり方"を探るコンサートです。19世紀のデュオに始まり、各楽器のソロを経て、20世紀のデュオに至る-。という構成を軸に展開しており、今回は2024年の第1弾に続き、第2弾となります。2月17日には大阪のあいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールの公募企画「フェニックス・エヴォリューション・シリーズ」採択公演としても同じプログラムで開催させていただきます。
ギターとピアノ、それぞれの楽器の魅力を改めて知っていただけるコンサートです。デュオ作品、そしてそれぞれのソロ作品もとても充実しているので、聴きにきてくださるお客様にとって満足度の得られる時間にできたらと思います。

Q2:一見すると対照的なギターとピアノですが、なぜこの組み合わせのコンサートを企画したのでしょうか?また、この二つの楽器が織りなすサウンドの「化学反応」について、どのような面白さや魅力、あるいは表現についてどんな刺激を感じていらっしゃいますか?

ピアノは広い音域とダイナミックレンジを生かし、壮大で自由な音楽世界を描くことができます。一方、ギターは繊細な響きや音色の変化によって、細かなニュアンスを表現することを得意としています。得意とする表現方法は違いますが、どちらも"一人の奏者によって完結した音楽世界を表現できる"という、実は珍しい共通点を持っています。
さらに古典派の時代には、両楽器とも「オーケストラ」への憧れが見られました。
本公演ではこのようなギターとピアノの共通点を通し、オペラを原曲とする作品など同じテーマの楽曲を聴き比べていただきます。楽器の違いによってどのように「音の景色」を描き分けていくのか。その様子を面白く伝えられるんじゃないか、というアイデアからこの組み合わせの企画が生まれました。

ピアニスト目線にはなりますが、ギターとのデュオ作品の演奏は他の楽器との演奏とは性質が異なる繊細さが求められます。全く楽器の音量が違う中で、役割がかぶってしまう点があります。だからこそ、うまく調和させて一体感を生むことはとても難しいです。ですが、それらをクリアすることで表現の可能性が広がり、独特のサウンドが生まれます。その表現の感覚はホールの響きや会場の規模でも変化がとても大きいので、彼とのアンサンブルは私にとっていつもエキサイティングな時間です。

Q3:古典から近代へと続く壮大なプログラム構成、そしてデュオとソロの組み合わせも魅力です。特に「ここを聴いてほしい」という見どころや、聴衆の皆様に意識していただきたい点ありますか?

全編を通して聴くことで感じていただける魅力の多いプログラムではありますが、特に前半のソロの並びが熱く感じます。レゴンディ(ギターソロ)の「ドン・ジョバンニ」による幻想曲の原曲はタールベルクによるピアノソロ作品です。タールベルクと、続くリストというのは当時のサロンを席巻した2人で、ライバルともされていたピアニストたちです。それぞれのオペラファンタジーを続けて聴くことで、当時のサロンにタイムスリップしたような感覚になっていただければ嬉しいです。
また、始めに演奏するフンメルとジュリアーニによる共作「グラン・ポプリ」は現代から見て興味深い作品てす。19世紀初頭のヨーロッパ 諸国の国歌、そして代表的な舞曲が使われており、作曲当時の空気や香りを感じられるのではと思っております。

Q4:コンサートサロンという親密な空間だからこそ実現できる、演奏家と聴衆が一体となる体験や音の響きがありますが、どんな体験をしていただきたいですか?

ヤマハ銀座のコンサートサロンでは今までも何度か演奏させていただいていますが、今回初めてアンサンブル作品も演奏させていただきます。以前からこの素晴らしいサロンで他の楽器とも演奏してみたいと心の内で思っていましたが、今回その願いが叶ってとても嬉しい気持ちです。作品の背景からも、コンサートサロンにもぴったりなプログラムだと思います。両楽器の"音楽の描き方"の違いやデュオ作品での繊細な表現など、間近で感じていただきたいです。

Q5:最後に、「音景と解像度」の開催を心待ちにされている皆様へメッセージをお願いいたします。

この企画には、私たちの楽器の魅力を伝えたいという想いが詰まっています。このプログラムを通して、聴いてくださるお客様一人一人へギターとピアノ、そして音楽そのものへの新たな魅力を感じていただけるような時間をお届けできたらとても嬉しく思います。皆様のご来場を心よりお待ちしております。(黒崎拓海)

「共通のテーマ」で聴き比べるピアノ、ギターそれぞれの魅力を存分に味わっていただけるプログラムを用意しました。普段ピアノをよく聴く方にとっても、「一台の楽器で音楽を完結できる」という、同じ特徴をもつギターとの対比の中で、きっと新たな発見があることと思います。皆様のご来場を心よりお待ちしております。(山田唯雄)