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ボブ・ジェームス - キーボード奏者のボブ・ジェイムスは、1939年12月25日、ミズーリ州マーシャル生まれ。ミシガン大学在学中に、インターカレッジ・ジャズ祭のコンペティションで優勝を飾り、クインシー・ジョーンズの推薦で初アルバムを発表。’62年にミシガン大学で作曲学修士号を取得して卒業すると、メイナード・ファーガソン楽団でプロ入り。’63年から’68年までサラ・ヴォーンの伴奏と編曲を務めた後、クインシー・ジョーンズ、ディオンヌ・ワーウィック、ロバータ・フラックらに編曲を提供。それらの成果が認められ、’73年にクリード・テイラーのCTIレコードと専属契約する。グローヴァー・ワシントンJr.の作品に収録された「イージー・リヴィング」の編曲と演奏で、’73年にグラミー賞(器楽編曲賞)にノミネート。さらに翌’74年には自身のアルバム『はげ山の一夜』(ビクターエンタテインメント)で再び同器楽編曲賞にノミネート。ジャズ・フュージョン界の代表的なピアニスト、編曲者として定評を確立した。’70年代後半には、自主レーベル“Tappan Zee”を創設して自己名義のアルバム制作を進める一方、アール・クルーやデヴィッド・サンボーンとの共演作でグラミーを受賞。ソロ活動の一方、’91年からネザン・イーストやハーヴィー・メイソンらと“フォープレイ”でも活躍。カーク・ウェイラムに続いてデイヴ・マクマレイら後身の育成にも尽力してきた。さらに’02年には、D.J.ロブ・スウィフトとの出会いをバネに、新機軸の『モーニング、ヌーン&ナイト』(ワーナー・ミュージック・ジャパン)を発表。その翌’03年に、スウィフトとマクマレイと共に日本公演し、桁外れに若やいだサウンドでファンの喝采を浴びた。最近は、松居慶子との親交を深めた次に、シャンハイの学生グループを呼び込み『エンジェルズ・オブ・シャンハイ』を制作するなど、着々とアジアとの距離を縮めている。娘さんのヒラリー・ジェイムスもシンガーとして活躍中。個人名義の最新作は、『アーバン・フラミンゴ』(この2枚ビデオアーツ・ミュージックから)。
「Bob James」Official Website(英語版)
※上記は2009年4月13日に掲載した情報です。
Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?
間違いなくグレン・グールドだね。作曲家ではストラヴィンスキー。ジャズに限って言うなら、ビル・エヴァンスとオスカー・ピーターソン、それにカウント・ベイシーで、シンプルでグル―ヴィーなベイシー、素晴らしいテクニックと強力なスウィング感を持ったピーターソン、素晴らしい音楽性と透明感、抒情性を持ったビル・エヴァンスの3人の特徴を兼ね備えたのが、私にとって理想のミュージシャン像なんだ。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
今回のブルーノート公演で使っているピアノは最高だよ。ジャズでは音響システムを使う都合上、9フィートのフルコン(CFIIIS)が使える機会はほとんどないけれど、ピアニストにとってみれば、パワーや唸るような低音、劇的なダイナミクスの広さといった、フルコンの魅力に勝るものはないんだ。それに、ヤマハのピアノは品質が安定しているのもいいね。家ではディスクラビア™がレコーディングや作曲に欠かせない道具になっているよ。
Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?
私の人生は、ピアノと音楽無しでは考えられないんだ。ピアノを始めたのは4歳の時だけれど、この歳になって、ピアノと音楽が私の人生そのものだと言えるようになったからね。いちばん寛いだ気分になれるのもピアノに向かっている時だから、ピアノは私の体や生活の一部になっているんだ。そんなピアノを弾いてライヴができるのは、ありがたいというか、嬉しいというか、幸せというか、幸運に恵まれたというか・・・。
Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?
クラブならブルーノート東京だな(笑)。お世辞じゃないよ。ニューヨークのブルーノートは歴史の重みを感じさせるクラブで、出演できるのは幸運に思っているけれどね。それから、ホールはやっぱりカーネギー・ホールだ。自分の曲でソロ・コンサートをやった時、ステージにはホロヴィッツのピアノの位置を印した跡が残っていて、私も自分の弾くピアノをなるべく同じ位置に置いてもらうようにしたんだ(笑)。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ
まず、プロのミュージシャンを目指しているなら、私のアドヴァイスになんかに耳を貸さないぐらいの確信が必要だよ(笑)。ほんのわずかでも自信の無い部分があるのなら、諦めた方がいい。がっかりさせたくはないけれど、プロとして成功する人には、才能ややる気だけじゃなく、どこかしら世間離れした部分があるものだからね。そうじゃなければ、趣味として大いに楽しむのがいいと思うよ。また行ってみたいな。