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シャルル・リシャール=アムラン - 2015年ショパン国際コンクール第2位。クリスチャン・ツィメルマンプライス(ソナタ.ベスト・パフォーマンス賞)を同時に受賞したシャルル・リシャール=アムラン。2014年モントリオール国際音楽コンクール第2位、ソウル国際音楽コンクール第3位、同時にベートーヴェンのソナタに対する特別賞受賞。2015年トロントのウーマンズ・ミュージカルクラブより、特別なキャリアアップ賞を受賞。ポール・サルドゥレスク, サラ・ライモン、ボリス・ベルマンに師事し、マックギル大学を2011年に卒業。2013年イエール大学でマスター課程を修了し、両大学から全面的な奨学金を受けた。現在モントリオール音楽院にて、アンドレ・ラプラントのもと研鑽を積んでいる。
2015年9月彼のファーストCD、ショパン後期の作品を収録したものがリリースされている。
これまでにワルシャワ・フィル、モントリオール・フィル、ソウル・フィル、イ・ムジチ・デ・モントリオール等と共演。
楽器と一体化して紡ぎだされる温かい音、謙虚で成熟度の高い演奏は、早期より世界中のメディアから絶賛されている。
※上記は2016年4月1日に掲載した情報です
Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?
モントリオール音楽院で師事したアンドレ・ラプラント先生には、ピアニストとしての姿勢を学びました。ショパンの演奏という意味では、ルービンシュタインから大きな影響を受けたと思います。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象
マギル大学の練習室のピアノはほとんどがヤマハだったので、練習用のピアノとしていつも安定していて弾きやすいというイメージを持っていました。しかし、ワルシャワでCFXに出会って、そのイメージはよい意味で大きく変わりました。僕の気持ちに寄り添って、考えていることを自由自在に表現させてくれるすばらしいピアノでした。
Q3.あなたにとってピアノとは?
ピアノは僕にとっていろいろな意味のある楽器ですが、まず第一に自分を表現する手段です。数ある楽器の中でもピアノのレパートリーは膨大で、一生をかけて探求すべきすばらしい作品ばかりです。またピアノという楽器はそれ自体で完結します。もし僕がトロンボーンを演奏していたら……、トロンボーンは大好きなんですが、レパートリーは限られてしまいますよね。そういう意味で、ピアノをやっていてよかったなと思います。
Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?
昨年11月にポーランドのカトヴィツェで演奏したホールが印象に残っています。ポーランド国立放送交響楽団(NOSPR)の本拠地として一昨年オープンしたばかりのホールですが、すばらしい音響の中で1800人の聴衆の皆さんが僕の演奏を熱心に聴いてくださって、感動的な体験でした。ワルシャワのフィルハーモニーホールも、もちろん僕にとって特別なホールです。3月2日にソロ・リサイタルがあるのですが、コンクールの様々な思い出が詰まったステージで演奏するのが楽しみです。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ
ピアノを学んでいる若い方たちへのメッセージは、「いつも心を込めて演奏してください」ということです。それから、ある作曲家に興味を持ったら、その人のあらゆる作品を聴いてみてください。僕は10代の頃、ブラームスの作品に出会って感動し、何週間も彼のピアノ作品だけでなく室内楽、交響曲など、あらゆる作品を聴き続けました。楽譜を見ながら録音を聴いて彼の作品世界に没頭し、ピアニストとしての幅が広がったように思います。ショパンも、若い頃の作品から晩年の作品まですべてを聴くと、作曲手法や内容がどんどん複雑に進化していることがわかり驚かされます。作曲家の人生を初めから終わりまで辿ると、その作曲家により近づくことができると思います。