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:シプリアン・カツァリス 氏(Cyprien Katsaris) "5つ$quot;の質問

Profile

pianist シプリアン・カツァリス

pianist
シプリアン・カツァリス
フランス系キプロス人のピアニスト、そして作曲家でもあるシプリアン・カツァリスは、1951年にマルセイユで生まれ、幼少時代をカメルーンで過ごし、4歳の時ピアノを習い始める。パリ音楽院では、アリーヌ・ヴァン・バランヅァン、モニーク・ド・ラ・ブリュショルリからピアノを、ルネ・ルロワ、ジョン・ユボより室内楽を学ぶ。彼は、ユネスコ主催の国際青年演奏家演壇(1977年、ブラティスラヴァ)にて入賞、ジョルジュ・シフラ国際ピアノコンクール(1974年、ヴェルサイユ)においては最優秀賞を獲得。1972年ベルギーで開催されたエリザベート王妃国際コンクールでは、唯一西ヨーロッパ出身の入賞者だった。彼はこれまでに、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、シュターツカペル・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、クリーブランド管弦楽団、王立アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団、NHK交響楽団(東京)、モスクワ交響楽団等、多くの世界的に有名なオーケストラと共演してきた。またレナード・バーンスタイン、カート・マズール、チョン・ミュンフン、サイモン・ラトル卿、ムスティスラフ・ロストロボーヴィチ、シャルル・デュトワ、ニコラウス・アーノンクール、クリストフ・フォン・ドホナーニ、等の指揮者との共演も。さらには、1986年に、シュトゥットガルト室内管弦楽団と共に、閉幕コンサートに出演。指揮者カール・ミュンヒンガーが出演する際、彼は個人的にカツァリス氏を招待し、ハイドンのピアノ協奏曲ニ長調の演奏が実現した。
また1999年10月17日、カーネギー・ホールで開かれたリサイタルにおいて、ニューヨークのコンサート愛好家達のスタンディング・オベーションを受けたカツァリス。この日は折しも、フレデリック・ショパンの命日でもあり、この偉大な作曲家の没後150周年を記念に開催されたものだった。
2008年、2009年のツアーではYAMAHAのピアノを使用。ポーランドのショパンフェスティバルでもYAMAHAを指名した。ヤマハの新しいピアノ「アバングランド」のクォリティをとても気に入ってくれたそう。

彼の幅広い活動は演奏会にとどまらず、1977年には、ルクセンブルクで開かれたエッターナッヒの国際フェスティバルにおいてアーティスティック・ディレクターを任命される。1992年には、日本のNHKはシプリアン・カツァリスと共にフレデリック・ショパンを取り上げ、上級者向けの音楽教室と彼自身による演奏も織り込んだ13本のプログラムを制作。また、さまざまな国際コンクールの審査員を勤めるほか、各国でマスタークラスも開いている。2006年3月、ウェイマーにあるフランツ・リストの生家において、リスト自身がピアノを教えた1886年から時を経てマスタークラスを開いたのもカツァリスなのだ。

カツァリスの作品は、これまでにテルデック、ソニー・クラシカル、EMI、ダッチ・グラモフォン、BMG-RCA、デッカ、パヴェインの各レーベルより発売され、現在は、自ら立ち上げたレーベル「PIANO21」から作品を発表し続けている。
「Cyprien Katsaris」Official Website(英/仏/独語)
※上記は2009年11月19日に掲載した情報です

Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?

 教えを受けた先生たちからは、もちろんそれぞれ多くの影響を受けています。
 偉大なアーティストでは、ドイツのピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプとハンガリー出身のフランスのピアニスト、ジョルジュ・シフラです。このふたりの演奏からは多大な影響を受けました。ケンプはヴィルトゥオーソ(格別な技巧や能力によって完成の域に達した超一流の演奏家)的な演奏家ではなかったかもしれませんが、音楽を楽しむ独特の雰囲気を醸し出す人でした。シフラも特有の雰囲気を持ち、彼の場合は真にヴィルトゥオーソ的な、さらにユニークな演奏を得意としました。もうひとり、私はウラディーミル・ホロヴィッツのファンだというべきかもしれません。彼ら3人の演奏は自由で型にはまらない、想像力を喚起するものです。

Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?

 ヤマハのピアノは、アクションが私の手にピッタリ合うのです。よく「ヤマハのピアノが好きだ」というと、人は企業から勧められたのかと聞きますが、実は私のほうから弾きたいと申し出たのが最初の出合いです。これまで世界各地で多くのヤマハのコンサートグランドを弾いてきましたが、もちろんすべてが完璧な状態だとはいいません。パリや東京にはすばらしいチューナーがいて完全な形で楽器が用意されていますが、必ずしもそうでない土地もあります。日本では、いずれの土地でもすばらしい状態に仕上げてくれますので、自分の理想的な音色作りができます。

 私は完璧主義者ですので、少しでも不安な要素があると自分のコンサートに集中できない。その点、日本では安心できるのです。

Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?あなたにとって音楽(ピアノ)とは?

 ピアノは私にとって、生涯のよきパートナーといえるでしょう。息の合った伴侶のような存在ですね。自分の感情を表現するだけではなく、精神的、身体的な関係のすべてを共有するものです。聴衆とそれらすべてを分かち合い、より高い精神的な世界へと到達できる。それが、私がピアノを弾くという行為によって生み出される世界です。

Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?

 日本のホールはどこも音響がよくてすばらしいと思います。特に、地方に行くと驚かされます。どんな小さな町にも音響のいいホールがあるからです。
 これまでの長い演奏活動のなかでもっとも印象に残っているのは、30年ほど前に演奏したアテネのパルテノンの近くにある野外劇場です。日本のマエストロ、小林研一郎さんと共演し、珍しいリスト最晩年の「ハンガリア協奏曲」を演奏したことを覚えています。すばらしい舞台で、いまでも鮮烈な印象が残っています。ちょうどそのころ、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団とこのピアノ・コンチェルトを世界初録音したため、鮮明な記憶として残っているのです。

Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメツセージ

 よく若い音楽ファンはロックやポップスはおもしろいけど、クラシックは退屈だといいますね。でも、一度クラシック音楽のすばらしさに目覚めたら、人生の最後まで離れられなくなる魅力を持っています。もしも、あなたがクラシックのファンでしたら、その魅力を周りのかたに知らせてあげてください。
 実際のところ、私はこれほど興奮する音楽は他にはないと思います。ドラッグより大きな興奮が得られると思いますし、いや、これはちょっと問題発言かな(笑)。では、こう言い換えましょう。どんなに感染しても、まったく害のないウィルスです。これもダメ?
 要は、大きな喜びのとりこになる。と、こういうことをいいたかったわけですよ。