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フランチェスコ・トリスターノ - フランチェスコ・トリスターノ・シュリメは、2004年のオルレアン(フランス)20世紀音楽国際ピアノコンクールで優勝、またルクセンブルク・フィルハーモニーによりヨーロッパコンサート協会の「ライジングスター」ネットワーク・アーティストに選出され、主にヨーロッパとアメリカを中心に精力的に活躍している。現在、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティヴァル、ルール・ピアノ・フェスティヴァル等著名な音楽祭に参加。またヨーロッパ、アジア、南アメリカの多くの演奏会でソリストとして演奏活動を行っている。2000年、19歳でミハエル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団とアメリカ・デビューを果たす。以来、ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団、リール国立管弦楽団、王立ワロニー室内管弦楽団、ニューヨークの新ジュリアード・アンサンブル等と演奏。また、これまでにミハエル・プレトニョフ、クラウス・ペーター・フロール、エマニュエル・クリヴィヌ等の著名指揮者と共演。
2001年、自らソリスト・指揮者として演奏する室内オーケストラ、ニュー・バッハ・プレイヤーズを設立。2004年、ルクセンブルク大劇場とブリュッセルのボザール劇場でヴィヴァルディの「四季」のピアノと弦楽のための編曲版の演奏会を開催し指揮とピアノを弾く。
幼少より作曲と即興に親しみ、例えば「それでも地球は動く」と「ヴィオラとチェロのためのソネット」はクラシック・スタイルの初期の作品である。現代の様式にも触発され、ソロ・ピアノやジャズ・アンサンブルのための曲も作曲している。また一方ではテクノ音楽の活動も行っている。
2001年の初レコーディングではバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、その後ニュー・バッハ・プレイヤーズとバッハの鍵盤の協奏曲の全チクルスをワルシャワで録音。2005年、フランスのSisypheレーベルからルチアーノ・ベリオの全ピアノ作品の録音をリリース、2006年、ペンタトーン・クラシックからミハエル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団の共演でラヴェルのト長調の協奏曲&プロコフィエフの第5番の協奏曲をリリースし各誌で絶賛される。2007年Sisypheレーベルからジロラモ・フレスコバルディの12のトッカータ(第1集)をリリース。
2010年2月の来日では全国で6公演を行い大成功を収める。同年3月、ユニバーサル・クラシック&ジャズ(ドイツ)と専属契約を交わし、2011年3月にバッハ、J.ケージ、自作の新曲でドイツ・グラモフォンからCDをリリースした。
1981年、ルクセンブルク生まれ。ルクセンブルク音楽院、王立ブリュッセル音楽院、ラトヴィア音楽アカデミー、パリ市立音楽院で研鑽を積んだ後、1998年ジュリアード音楽院に入学、そこで修士の学位を得る。
※上記は2012年3月27日に掲載した情報です
Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?
過去に行われてきたことを一度すべて壊し、新たな創造を成し遂げる人から大きな影響を受けている。作曲家ではJ.S.バッハとジョン・ケージ、ピアニストではフリードリヒ・グルダ。そのほか、ミニマル・ミュージックが好きだから、それにかかわる多くの人たちからも影響を受けている。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
ぼくは幼いころからヤマハのピアノを弾いてきた。いま、バルセロナに住んでいるけど、そこにはヤマハのグランドピアノ2台とアップライトピアノ2台が置いてある。実は、2月16日にすみだトリフォニーホールで「リユニオン~ゴルトベルク変奏曲」と題したコンサートを行い、舞踊家・演出家の勅使河原三郎さん、舞踊家の佐東利穂子さんと共演したんだけど、そのときに初めてヤマハのCFXを弾いた。まさに「これが自分の人生で最高の楽器だ」と実感した次第。まず、音の質感がすばらしく、メカニックの部分が完璧、そして美しい倍音が可能になる。昨年、掛川の工場も見学したけど、すべての人たちが完全な楽器を目指して仕事をしているエネルギーに感動し、ぼくももっといい音を出したいと思った。彼らのピアノに対する真摯な思い、ひとつの音にこだわる熱意に共感したから。
Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?
大切な友だち。12歳のときに母がヤマハのグランドピアノを買ってくれたけど、そのときからピアノはぼくと一心同体。個人的な関係を築ける相手といえる。ピアニストは楽器を持ち運びできないから、常に異なる楽器で演奏をしなくてはならないけど、自宅に戻って自分の楽器に触れると、まさに自分とピアノの特別な絆を強く感じる。
Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?
ニューヨークのカーネギーホールのワイルホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ウィーンのムジークフェライン、ザルツブルクのモーツァルテウム。日本ではハクジュホール、すみだトリフォニーホール、東京文化会館の小ホール。各地の新しいホールにも興味があり、シンプルでミニマル的な建築様式で建てられたホールに惹かれる。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメツセージ
自分のまわりのすべての音に耳を開き、いつも心をオープンにしておいてほしいと思う。