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ジョージ・ハリオノ - 9歳でのソロ・リサイタルデビュー以降、イギリスを始め、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界各国にて公演を行い、ウィグモアホール、ベルリン・フィルハーモニー、ロイヤル・アルバート・ホール、シカゴ・シンフォニーホールなどの著名なホールに登場。
2013年にはロンドンのサウスバンク・センターにてベートーヴェン「ピアノ・ソナタ 第1番 Op.2-1」のレコーディングを行い、2016年にはモスクワ音楽院大ホールで行ったチャイコフスキー「ピアノ協奏曲 第1番」の演奏はロシア国営テレビおよびMedici TVの配信で生中継された。12歳でオーケストラと初協演し、モスクワ国立交響楽団、マリインスキー歌劇場管弦楽団、タタルスタン国立交響楽団、シカゴ・ニューミレニアム管弦楽団、フランクフルト歌劇場管弦楽団、チュメニ・フィルハーモニー管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団などと協演するほか、高名なピアニストであるデニス・マツーエフとの共演や、ヴァレリー・ゲルギエフ、アレクサンドル・スラドコフスキー、エフゲニー・スヴェトラーノフ、アイナルス・ルビキス、アントン・ルブチェンコ、高関健、セバスティアン・ヴァイグレといった多数の指揮者と共演。
グランド・ピアノ・コンペティション(モスクワ)、仙台国際音楽コンクール、ロイヤル・オーバーシーズ・リーグ音楽コンクール(ロンドン)、ジーナ・バッカウアー国際ピアノコンクール(アメリカ・ユタ州)、ラニー=シュル=マルヌ国際コンクール(パリ)、ディヌ・リパッティ音楽コンクール(ブカレスト)といった世界中のコンクールで数々の受賞歴を持つ。
最近ではモスクワのザリャジエ・コンサートホールにてベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』」を、フランクフルトの旧オペラ座にてリスト「ピアノ協奏曲 第1番」を演奏。またポーランドにおいて最も歴史のある重要な音楽祭、ドゥシニキ国際ショパン音楽祭に招聘され演奏を披露。
最年少の15歳でフルスカラシップ奨学生として英国王立音楽院に入学し、学士号を取得。
英国王立音楽院にてパスカル・ネミロフスキ教授に師事するほか、ドミトリー・バシキーロフ、ウラディーミル・アシュケナージ、ウラディーミル・オフチニコフ、サイモン・レッパーといった名指導者のマスタークラスを受講。また、彼にアーティストとしての才能を見出している指揮者のアレクサンドル・スラドコフスキーとも度々共演している。ロシアの名ピアニスト、デニス・マツーエフは「ジョージ・ハリオノは大変才能に恵まれている。これから驚くべきキャリアを積むだろう」と彼を評している。
2018年にはロンドンのクラシック・ブリット・アワーズで、期待の新人アーティストを対象とした「サウンド・オブ・クラシカル・ポール」にノミネートされた。2022年にはザリャジエ・コンサートホールにて行ったアレクサンドル・ルディン指揮のベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第5番『皇帝』」の演奏に対して、440Hzアワーズの「ベスト・ゲスト・アーティスト賞」を受賞。
オフィシャルサイト
※上記は2023年12月7日に掲載した情報です。
Q1.自分で影響を受けたと思われるものは?
20世紀の偉大なピアニストたちから大きな影響を受けています。ウラディーミル・ホロヴィッツ、スヴャトスラフ・リヒテル、エミール・ギレリスをはじめとする人たちです。それから忘れてはならないのは、僕が英国国立音楽院で師事したパスカル・ネミロフスキ教授です。先生からは本当に多くのことを学び、影響を受けています。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
僕はずっとヤマハのピアノで育ってきました。最初の中古ピアノは違いますが、2台目のピアノからはずっとヤマハを弾いています。多様な表現が可能ですし、色彩の幅が豊かで、作品のキャラクターが自然に現わせるところも気に入っています。ユニークな音質が備わっていると思っていますし。自分の音楽を分かち合う、特別な存在です。
Q3.あなたにとってピアノとは?
ピアノは音楽家にとって大切なもので、いわゆる言語のようなものだと思っています。何かを表現するためには言語が必要ですが、音楽家は音でそれを伝えるわけです。ピアノはひとつの「窓」のようなもので、鮮明で美しい窓もあれば、汚れている窓もある。美しい窓からはきれいな景色が見え、美しい音が聴こえるのです。それを目指したい。
Q4.印象に残っているホールは?
モスクワ音楽院大ホールは忘れられないホールです。このホールには昔から歴史に名を残す偉大な音楽家が数多く登場しています。僕はそのステージに立てただけでなんとも表現しがたい幸せな気分になりました。日本では、ヤマハホールの響きが自分のピアノに合っています。木のぬくもりが感じられ、自然な音が出せると感じました。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ
ベートーヴェンのことばが大好きですので、それを使わせていただきます。
「To play a wrong note is insignificant. To play without passion is inexcusable.まちがった音を奏でることはたいしたことではない。情熱をもたずに演奏することは許しがたい」
まさにこのことばのように、ピアノを弾く人は聴き手とともに音楽を楽しみ、まじめになりすぎず、楽しむことが最高だと思います。
Textby 伊熊よし子