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- pianist
松居 慶子 - 東京生まれ。ピアニスト・作曲家
1987年全米デビュー。ビルボード誌コンテンポラリー・ジャズ・チャートで日本人として初の首位獲得を始め,米国にて様々な賞を受賞。
自身のコンサート以外に,チャカ・カーン,フィリップ・ベイリーとの全米ツアーやボブ・ジェームス、ヒュー・マセケラ、パティ・オースティン等、世界を代表する数々のアーティストとも共演。'02年には米大統領の歓迎レセプションに出席、'04年Newsweek紙の「世界が尊敬する日本人100」へ選出。日米交流150周年記念に外務大臣賞を受賞するなど文化人としても評価が高い。乳癌撲滅キャンペーン、骨髄バンクプログラム、WFPアフリカ飢餓救済プロジェクト等、社会的にも音楽を通じ貢献。
ロサンゼルスで行われたニューヨークのテロ被害の救済と平和を願う為のチャリティ・コンサート「A Wave of Peace」に日本人として唯一招聘され、スティービー・ワンダーやケニー・Gらと共に共演。
東日本大震災復興支援アルバム「Jazz For Japan」に参加。
24枚目となる最新作「ソウル・クエスト」全米発売と共に、ワールドツアーを展開中。
※上記は2014年12月15日に掲載した情報です
Q1.影響を受けたアーティストは?
スティービー・ワンダーと、モーリス・ジャールです。
スティービー・ワンダーは素晴らしいメロディー・メーカーですよね。昔、学生の頃にコンサートに行って、次から次に生まれてくる、自由でポジティブな音楽に感動したのを憶えています。
モーリス・ジャールは、『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』や『ゴースト/ニューヨークの幻』など、もう数えられないくらいの映画音楽を作っています。個人的にも知り合いで、彼のレコーディングにお邪魔したりとか、自分も作曲に集中したいときに彼の作曲部屋を借りたこともありました。彼のコンサートに行って印象的だったのが、もうおじいちゃんなのに、自分の作った映画音楽を、自分でオーケストラを指揮して、観客に伝えていたこと。歳をとってもオーケストラで自分の音楽を伝えられるって、素敵だな、と思いました。自分も今後、オーケストラのアレンジによるレパートリーを増やしていきたいと思います。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象
絶対に頼れる存在、という感じです。
世界をツアーしていると、いろんなピアノに出会います。ある時はサスティーンのペダルが折れていたりとか、鍵盤が壊れているとか、ピアノなのにチェンバロみたいな音がするとか(笑)。いつもヤマハのピアノをお願いしているのですが、必ずしも希望が通るとは限りません。ある時なんて、ピアノ本体の中からガラスの破片が出てきたこともありました(笑)。
その点ヤマハのピアノはいつも安定しているし、スペシャリストがメンテナンスしてくれるので、私にとっては天国。ヤマハがあると安心です。
CFXは繊細な粒の細かい音から、パワーのある音も出せる。懐が深い楽器だと思います。
Q3.あなたにとってピアノとは?
子どもの時から、嬉しくても悲しくても、どんな時もピアノと一緒でした。
プロになって、まだまだ修業が必要だと思っていても、いつも一緒にいてくれました。
ピアノは人生のパートナー、ですね。
Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?
ツアーで訪れた地域で印象深いところのひとつに、東欧があります。何度も訪れ、いまでは観客のみなさんも私が帰ってくるのを待っていてくれるようになった感じです。
その中でウクライナのキエフにある「パレス・ウクライナ」。3500人収容できる、キエフで一番大きいコンサート会場です。ここでオーケストラとの共演をさせていただきました。
あとはアゼルバイジャンのバクーにある「ヘイダル・アリエフ・パレス」。ここは2700人収容できます。東欧では私の曲をヒップホップにしてカバーしているアーティストもいるようです。
もうひとつ挙げるとすれば、アメリカ・ワシントンD.C.の「コンスティテューション・ホール」。ここで空軍のオーケストラと何回か共演し、オーケストラのレパートリーが増えました。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へメッセージ
ピアノを練習する時間がある時は、たくさん練習したほうがいいと思います。
ピアノって、自分のことが鏡のように映る存在だと思うので、音の一粒一粒に魂を込めて弾くのがいいですね。
あと、聴き手としても音楽を楽しめるのは素晴らしいですよね。娘が小さい頃、ピアノの練習が嫌になってしまったことがあったんです。そんな時に一緒に外出して、街で音楽が聴こえてきて、
「こうやって聴いて音楽っていいな!って思えることも素敵な事だよ」と言ったことがあるのを思い出しました。