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:パスカル・ドゥヴァイヨン 氏(Pascal Devoyon) "5つ$quot;の質問

Profile

pianist パスカル・ドゥヴァイヨン

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パスカル・ドゥヴァイヨン
ヴィオッティー、ブゾーニ、リーズなど数々の国際コンクール入賞に加え、1978年のチャイコフスキー国際コンクールにおける、フランス人ピアニストとして過去最高位となる第2位の獲得により、パスカル・ドゥヴァイヨンの名は全世界に知れ渡ることになった。アメリカ、日本、ヨーロッパでの演奏会では揃って最高の賛辞を得ることになる。彼のレパートリーは、ベートーヴェンソナタ全曲演奏からバルトーク、メシアン、さらにはモリス オハナの作品まで、非常に幅広く多彩である。
ピアノ協奏曲のレパートリーは50曲を越え、シャルルデュトワをはじめとする著名な指揮者たちのもと、世界最高峰のオーケストラ:ロンドンフィルハーモニック、NHK交響楽団、ロッテルダムフィルハーモニック、モントリオール交響楽団、ヘルシンキフィルハーモニック、パリ管弦楽団などと共演。2006年12月にはNHK交響楽団とのモーツァルトピアノ協奏曲がCD化された。
室内楽は彼の芸術活動のもう一端を大きく担っている分野で、ドンスーク・カン、フィリップ・グラファン、スティーヴン・イサリス、タベア・ツィンマーマンをはじめとする著名な演奏家との共演も数知れない。
近年では夫人である村田理夏子とピアノデュオを組み、本格的に活動を開始。既にヨーロッパ、メキシコ、日本など様々な音楽祭から招待を受けている。またその精力的な活動の一つとして、2008年にはメシアン生誕100年を記念したCDをリリースし、続くCD“編曲の名手たち”はレコード芸術特選を受賞した。2011年にはリスト生誕200年を記念し、3枚目となるCD<リストそして悪魔>を録音。
そのほかリリースされた録音は40を超える。最近では上記のほか、フィリップ・グラファン、コリン・カー、チャールズ・ナイディックとの共演によるメシアンの世の終わりのための四重奏曲とヒンデミットの四重奏曲、ティルマン・ヴィックとの共演によるマルティヌーのチェロソナタ集、ヤン・ソン・ウォンとの共演によるベートーヴェンのチェロ作品全集、そしてNHK交響楽団とのモーツァルトなどがある。
現在ベルリン芸術大学教授、および英国王立音楽院客員教授。2003年より8年間、ドミニク・メルレ氏の後を継いでジュネーヴ音楽院教授も務めた。2011年、音楽の友社より初の著書<ピアノと仲良くなれるテクニック講座>が出版され好評を博している。
1999年より、ドンスーク・カンと共にヨーロッパ最大の講習会のひとつであるMusicAlp クールシュヴェール夏期国際音楽アカデミー(MusicAlp)の芸術監督も務めている。 2001年、フランス政府よりフランス芸術文化勲章"シュヴァリエ”を受賞。
※上記は2011年10月27日に掲載した情報です

Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?

ハイドシェックをはじめ、多くの恩師から本当に多くの影響を受けています。コンサートを聴いて影響を受けたのは、12、3歳ころに聴いたスヴャトスラフ・リヒテルです。それから私は読書が趣味ですが、さまざまな書物からはことばで表現できないほど多くのことを学んでいます。

Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?

 長年ヤマハのピアノを弾いていますが、この間の発展は世界が変わるほどの驚きを覚えます。ピアノ製作に携わっている人すべてが絶えず模索を続けていますが、その姿勢は尊敬に値します。2008年のメシアン生誕100年を記念してCDを録音したときにもヤマハのピアノを使用しましたが、そのときにくらべても、さらに発展しています。11月のピアノデュオリサイタルはCFX2台で演奏しますので、いまから心が高揚するような喜びを感じています。

Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?

 子どものころから、私とピアノの結びつきはとても深かったのです。何か問題にぶつかったり悩みがあると、必ずピアノに向かいました。弾いていると次第にそれを忘れ、やすらかな気持ちになれるからです。抱えている問題をあまり深刻に考えず、たいしたことないやと思えてくるのです。いつもピアノがそうした出口を見つけてくれました。

Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?

 ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのウィグモアホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、モスクワのチャイコフスキー音楽院のホール。

Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメツセージ

 どんな形にせよ、音楽に関わっている人はそれがとても恵まれていることだと思ってほしいですね。もしも楽器が手元にあったら、それを使うのではなく、命を吹き込んでください。ピアノは命を与えられると、その瞬間すばらしい音楽を奏でます。ピアノは単なる楽器ではなく、人間なのです。やさしく接すればやさしい音を出し、乱暴にすればそれ相応の音しか出ません。心があり、生きているのです。それを再認識してください。