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- pianist
セルゲイ・カスプロフ - モスクワ音楽院にてアレクセイ・リュビモフ教授が新設した鍵盤楽器科に入学。同教授に師事しピアノのほか古楽器とオルガンも学ぶ。その後、パリのスコラ・カントルム音楽院にて研鑽を積み、現在はモスクワ音楽院にてリュビモフ氏の助手を務める傍ら、自身のクラスで後進の指導にあたっている。2005年ニコライ・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール(パリ)第1位受賞をはじめ、同年ホロヴィッツ記念国際ピアノコンクール(キエフ)で特別賞、2006年スクリャービン国際ピアノコンクール(パリ)にて第1位、同年マリア・ユーディナ国際ピアノコンクール(サンクトペテルブルク)最高位、2008年リヒテル国際ピアノコンクールではアファナシエフに絶賛されモスクワ市政府賞を受賞するなど、数々の著名なコンクールにて好成績を残す。
欧州を中心に演奏活動を行っており、著名な音楽祭への招待も数多く、2009年にはラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭(フランス)、クララ音楽祭(ベルギー)、ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭(ポーランド)に出演し絶賛を浴びる。これまでに、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団やモスクワ国立交響楽団と共演を果たし、2010年にパリのシテ・ドゥ・ラ・ミュージックにおいてエマニュエル・クリヴィヌ指揮の下、リストのピアノ協奏曲第2番を演奏し高く評価された。
2014年リリースし、ディアパソン賞を受賞した「Exploring Time With My Piano」(ALPHA)では、現代ピアノでバロック音楽を再現するという観点からはなれ、現代ピアノの技法を尊重しつつ、見事にバロック音楽の可能性の一つを明示している。2015年には「ソナタ&トランスクリプションズ」(IMC)、2016年には初来日時のライブCD「ライブ・イン・東京2015」(IMC)をリリースしている。
※上記は2017年10月06 日に掲載した情報です。
Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?
まず、14歳から4年間就いたヴェラ・ホローシナ先生、そしてアレクセイ・リュビモフ先生。それからウラディミール・ホロヴィッツ、セルゲイ・ラフマニノフ、ヨーゼフ・ホフマン、フェルッチョ・ブゾーニ、アルフレッド・コルトー、ヴァレリー・アファナシエフです。それから・トン・コープマン、ピエール・アンタイの名も挙げたいです。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
ヤマハCFXを演奏するのは、今回が2度目ですが、とてもいい印象をもっています。2年前に初めて弾いたときから、広い可能性を秘めた楽器だと思いました。今回、特にそれを感じたのはハイドンを演奏したときです。ピアノがさまざまな迷いや疑問を払拭してくれ、あるがままの自分を表現することができました。即興性も生み出すことができ、これまでのハイドンとはまったく異なる納得のいく演奏ができたのです。
Q3.あなたにとってピアノとは?
私の考えるすべてを表現してくれるものです。
Q4.印象に残っているホールは?
東京文化会館小ホール、ミューザ川崎シンフォニーホール、トッパンホール、モスクワ音楽院小ホール。モスクワ音楽院は大ホールよりも小ホールの方が自分の音楽に合うと思っています。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ。
私は教師もしているのですが、どうも生徒たちにメッセージを伝えるのが苦手で、いい先生ではありませんね(笑)。
でも、音楽を学んでいる人には、2つだけお伝えしたい。まず、テクニックの習得は基礎がとても大切ですから、できる限りいい先生に就いて基礎をしっかり学んでください。ふたつ目は、いろんな音楽を聴いてほしいということ。これは楽器を学んでいる人のみならず、音楽を楽しんでいる人も同様です。広い視野をもって、幅広い音楽に耳を傾けてください。