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:塩谷 哲 氏(Shionoya Satoru) "5つ$quot;の質問

Profile

pianist 塩谷 哲

pianist
塩谷 哲
東京芸術大学音楽学部作曲科中退。オルケスタ・デ・ラ・ルスのピアニストとして活動(93年国連平和賞受賞、95年米グラミー賞にノミネート)を経てソロ活動を開始、現在まで11枚のオリジナルアルバムを発表する。自己のグループ『SALT BAND』『塩谷哲トリオ』、『塩谷哲グループ』『Four of a Kind』をはじめ、佐藤竹善=SING LIKE TALKINGとのデュオ・ユニット『SALT&SUGAR』、世界的ジャズピアニスト小曽根真との共演など、幅広い独自の活動を展開する。 また、主にヴォーカリストとのデュオを聴かせる自身のイベント「Saltish Night」を96年より毎年末に開催する一方、Bunkamuraオーチャードホールにてベートーヴェン「第九」等の名作を再構築するシリーズ「COOL CLASSICS」('99-'02)、同ホールにてNYをテーマとしたコンサート「Sketch of New York」('07)、愛・地球博にてビッグバンドを率いたステージの演出('05)、小曽根氏とのモーツァルト/ピアノ協奏曲などのクラシック演奏('06-)、NHK「名曲アルバム」へのオーケストラ・アレンジの提供('08)、ジャズピアノ6連弾('05-)、と活動内容は多岐に渡る。 更に、海外活動も多くオルケスタ・デ・ラ・ルス時代にツアーした北米・中南米・カリブ海・ヨーロッパ公演に加え、自己のグループでもドイツ、フランス、イタリア、レバノン、ギリシャ、ヨルダン、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国で演奏している。 09年津軽三味線の上妻宏光とのユニット『AGA-SHIO』を結成。11月アルバム「AGA-SHIO」をリリース。2010年1~3月まで全国10本のコンサートツアーの後、5月下旬より一ヶ月のヨーロッパ&アフリカツアー(ドイツ・チェコ・イタリア・フランス・エジプト・スペイン・コンゴ民主共和国・南アフリカ)を行い大反響となる。 その他の活動として、ソロピアノ・ライブをはじめ、金子飛鳥(Vn)、大儀見元(Per)、TOKU(vo,flg)、といったミュージシャンとのコラボレーションの他、J-popフィールドでのプロデュースが挙げられる。これまでに作品を提供したアーティストには、吉田美奈子、露崎春女、岩崎宏美、aminらが、編曲では、絢香、平井堅、矢井田瞳、今井美樹、Misia、柴田淳らがいる。ライヴ・コンサートでは、前述のアーティストに加え、SING LIKE TALKING、パキート・デリベラ、渡辺貞夫、坂田明、古澤巌、中川英二郎、松たか子、コブクロほか様々なジャンルの音楽家と共演している。
「塩谷 哲」オフィシャルウェブサイト
※上記は2010年7月20日に掲載した情報です

Q1.影響を受けたアーティスト

身近なところで言えばやはり小曽根真さん!! 彼の音楽そのものもそうなんですが、常にチャレンジしていく姿勢は自分にとって大きな指標となっています。ヘタなこと、イイカゲンなことはできない!そして、いつも見守っていただいているような・・・。そんな存在ですから。

それからインタビューでもお話ししましたが、オスカー・ピーターソン。そしてキース・ジャレットかな・・・。とは言え、オルケスタ・デ・ラ・ルス時代に中南米を周ったのですが、その土地その土地で出逢った現地のミュージシャンの方々とのセッションが糧となっているんじゃないかと思います。有名とか無名とか関係ない。その人自身が音に表れていて、その後サンタナと共演したときにも同じ感覚を味わいましたから。

Q2.ヤマハピアノのイメージと印象

日本人ならではの真面目さ、細やかさ、繊細な感覚がしっかり活かされている楽器。日本は四季があるので、それが美しい文化を育んでいると思うけれど、気候の変化も激しいし、湿気とか乾燥との戦いもあります。この変化に耐えられる世界唯一のピアノだと思いますよ。ヤマハは。。。安定していると言うのかな。

それから自分なんかが言うのはおこがましいんだけれど、この十数年の進歩・変化はすごいと思っています。最初に音を出した瞬間に「うわぁ~!」と感動する楽器によく出会いますから。今度出されたCFXもすっごく楽しみです。

Q3.あなたにとってピアノとは

それを追求する旅をしているように思います。「音楽」は絶対に裏切られることのない神のような存在。「ピアノ」は誤魔化しのきかない心の鏡、です。

Q4.印象的だったライブ・ハウスやコンサートホール

NYのマジソン・スクェア・ガーデン!!!
もう気持ちも浮ついていてどんな演奏したかも覚えていません。(笑)
観客が熱狂していて、何万人もの人々が自分たちのステージに注目するという瞬間は人生そうそう体験できることではないと思いますから。
小さなところだったらNYのブロンクスとかクイーンズの場末のラテン・クラブも忘れられない。入口には金属探知機とかセットされていて治安が相当ヤバイところなんだけれど(笑)、ここでのライブも印象的でした。NYに着いて初日のライブがここだったんですよ。最初はお客が「日本人が一体何しに来た?」ってカンジだったんだけど、一曲演奏が終わると「ぎゃ~~~~~!!!」と興奮してきて、2曲目からはみんな踊り始めちゃった。(笑)
僕はね、カーネギー・ホールでもブルーノートでも、今までその会場で演奏してきたアーティスト、ミュージシャンの魂がそこに宿っていると思うんですよ。会場そのものが音楽になっていくと言うのかな。別にスピリチュアルな世界を問うつもりはないけれど・・・。
先日この銀座ヤマハホールのオープニング・シリーズにも出演させてもらいましたが、ここはまだまっさら!真っ白!です。とても響きのよいすばらしいホールだと思うのでこれから色々なアーティストが全身全霊で演奏して、その積み重ねがホールの魂となり、宿っていく。そしてこれから先に若いアーティストをホールが育てていくんじゃないかな・・・。カーネギー・ホールがそうであったように。僕自身はとても期待しているんですよ。

Q5.ピアノを楽しむ方へのメッセージ

100人のピアニストがいたら100通りの音が出るとよく言われます。正にそのとおりで、自分の「音」を創ることができるのがピアノを弾く大きな喜びです。とても奥深い楽器だし、オーケストラに匹敵するくらいですから。だからこそ、ぜひあなた自身のピアノの音を創っていって下さい。きっとますます面白くなりますよ!