<< インタビューページへ戻る

:梅田智也さん "5つ$quot;の質問

Profile

pianist 梅田智也

pianist
梅田智也
岐阜県出身。5歳よりピアノをはじめ、これまでに奥村真、杉浦日出夫、長谷正一、西川秀人、東誠三の各氏に師事。愛知県立明和高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業後、同大学大学院修士課程首席修了。修了時にクロイツァー賞、大学院アカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア大賞受賞。修了と同時に、ロータリー財団奨学生としてウィーン国立音楽大学に留学し、M.ヒューズ氏に師事。第62回全日本学生音楽コンクール全国大会第2位、第38回ピティナ・ピアノコンペティション特級銅賞、第12回東京音楽コンクール第1位並びに聴衆賞、リヴォルノ・ピアノコンペティション(イタリア)第2位、第11回ラニー・シュル・マルヌ国際ピアノ・コンクール(フランス)第3位、第9回トレヴィーゾ国際ピアノ・コンクール第1位、第10回浜松国際ピアノ・コンクールにて日本人作品最優秀演奏賞を受賞など数々のコンクールで優勝、入賞を果たす。
東京、名古屋を中心に多くのソロリサイタルを開催する他、2018年2月にはイタリアでのリサイタルを行った。小林研一郎、円光寺雅彦、広上淳一、大井剛史、岩村力、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団など著名な指揮者、主要なオーケストラと共演。ソロ活動の一方で、名古屋フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターらと室内楽も行い、好評を博す。A.ヤシンスキ、W.ナボレ、A.コブリン、J.ルヴィエ、B.L.ゲルバー、M.J.ピリス等著名な音楽家のレッスンを受講し研鑽を積む。
現在、東京藝術大学ピアノ科、愛知県立明和高等学校音楽科非常勤講師。全日本ピアノ指導者協会正会員。
※上記は2019年8月27日に掲載した情報です。

Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?

 やはりマリア・ジョアン・ピリスさんですね。サラマンカホールのワークショッップで1週間、間近で生活を共にし、演奏に触れた経験は大きいです。お昼におにぎりを一緒に食べたり……(笑)。ピリスさんは世話を焼かれるのが嫌いで、何でも自分でやるとおっしゃって、リュックを背負って、スニーカーを履いて……、自然で飾らないお人柄に感銘を受けました。「すべてがスペシャル」というピリスさんの言葉を胸に刻んで、ピアニストとして歩んでいきたいと思います。

Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?

 岐阜の自宅では、子どものころからヤマハC5で練習してきました。CFXは特別なピアノですが、ヤマハのどのピアノも同じ方向性を持っていると感じます。少し硬質な音色で、ブリリアントな響きを持っている。タッチも整っていて、弾きやすい。絶対に信頼して身を委ねられるピアノです。

Q3.あなたにとってピアノとは?

 身体の一部かな。いつも一体となっていたい。ステージで演奏するとき、自分一人ではなく、ピアノと一緒だと思うとちょっと精神的に楽になれる。最高のパートナーであり、自分でもあるという感覚です。一体化すれば、音も表現もダイレクトに聴く人の心に響くかなと思います。

Q4.印象に残っているホールは?

 岐阜のサラマンカホールとアクトシティ浜松中ホールですね。さまざまな思い出が詰まったホールです。ピアノという楽器が美しく響く、最高のホールだと思います。

Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメッセージ

 200年前、300年前の作曲家が残した偉大な作品を、今、僕たちが演奏するって、凄いことだと思うんです。コンクールの結果などについ目が行きがちですが、そうではなく、奥深いところで作品が生き続けていることの意味を考えてほしい。個性は、作品に寄り添うことで自然に滲み出るものだと思います。出そうと思って出るものではない。芸術とビジネスは対極にあるものですが、そのジレンマと戦いながら、作曲家や作品への敬意を忘れず、誠実に音楽を奏で、楽しんでほしいと思います。