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- pianist
吉田 友昭 - 2010年第79回日本音楽コンクール第1位、併せて井口賞、野村賞、河合賞、三宅賞、岩谷賞(聴衆賞)を受賞。11年は毎日新聞社主催による全国ツアーをはじめ、NHK交響楽団首席奏者との室内楽公演を行い日本での演奏活動を開始。4歳よりヤマハ音楽教室にてピアノを始める。東京藝術大学入学後、20歳時に渡仏。パリ国立高等音楽院を一等賞の成績で卒業した後、イタリア・ローマ国立サンタ・チェチーリア音楽院を審査員満場一致による首席で卒業。現在はロームミュージックファンデーション奨学生として同音楽院室内楽科に在籍。ローマを拠点に、さらなる研鑽を重ねながら演奏活動を行っている。ハエン、カサグランデ、ベオグラードの各国際コンクール入賞。10年ギリシャ・アテネで行われたマリア・カラス国際グランプリにて最高位受賞。ポントワーズ音楽院管弦楽団、コルドヴァ交響楽団、ベオグラード放送管弦楽団、バーリ交響楽団、ヤッシー・ルーマニア管弦楽団、サンクトペテルブルグ・エルミタージュ管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、セントラル愛知交響楽団と共演。07年NHK教育テレビ「スーパーピアノレッスン~フランス音楽の光彩」に出演。これまでに三角祥子、宮澤功行、田中宏明、渡辺健二、青柳晋、ミシェル・ベロフ、エリック・ル・サージュの各氏に、現在はセルジオ・ペルティカローリ氏に師事。
※上記は2012年1月10日に掲載した情報です
Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?
ゲンリヒ・ネイガウス。当然生で聴いたことはありませんが、どのロシア人ピアニストに聞いても、ネイガウスのこととなると顔付きが変わりますね。そんなに凄い人なのかなと思っていたけれど、CDやDVDを聴くと、強烈に伝わってくるものがあるんです。
Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?
CFXは、格段に凄いピアノになってきたと思います。そして僕はヤマハの調律師の方やスタッフを本当に信頼しています。僕にとって大きな支えです。どれだけ感謝しても足りません。無名でも、学生でも、とても親身になってくれ、一緒に応援してくれる。そういうことは、楽器からも伝わってくるんです。ピアノそしてピアニストを大事にしようという思想がはっきりとわかる。人間味が溢れているし、そんな人達が接しているピアノだから、格別なんです。
Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?
アイデンティティです。
なかったら僕は生きていけないし、それを想像するだけで怖いですね。
Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?
リサイタルで弾きましたけれど、札幌Kitaraの小ホール。
素晴らしかったです。
Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメツセージ
僕よりも若い人たちに伝えたいことは、子どもの時のコンクールの結果なんて、気にしなくていいよってことですよね。自分のやりたいことが一番で、コンクールの結果に捉われてほしくない。
そして、同世代のピアニストを目指す人たちに伝えたいのは、みんなもっと厳しい環境でやって行こうよということ。そんなに音楽の世界でやっていくということは軽いことではないし、世界では命をかけている人もいる。このコンクールに落ちたらピアノをやめなければならない人もいるし、兵隊に行かなければならない人もいっぱいいる。僕はそんな人たちをヨーロッパで数多く見てきました。切なさと、我身へのブラッシュとなりました。