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:ユリアンナ・アヴデーエワ さん(Yulianna Avdeeva) "5つ$quot;の質問

Profile

pianist ユリアンナ・アヴデーエワ

pianist
ユリアンナ・アヴデーエワ
1985年、モスクワ生まれ。幼い頃よりその芸術の才を育み、弱冠5歳より、突出した才能のある若手音楽家のためのグネーシン特別音楽学校にて、エレナ・イヴァノワのもとでピアノを学ぶ。2003年、スイスに留学しチューリッヒ芸術大学にてコンスタンティン・シチェルバコフに師事し、2006年から09年まで、シチェルバコフの助手を務めた。並行して、愛着ある故郷モスクワでも勉強を続け、グネーシン音楽院のウラディーミル・トロップのもとで学んだ。2008年、チューリッヒおよびモスクワの学校をトップレヴェルの成績で卒業。同年、W.G.ナボレが主催する名高いコモ湖国際ピアノ・アカデミーに入学し、著名なピアニストたちの貴重な薫陶を受けている。ユリアンナ・アヴデーエワのレパートリーは、J.S.バッハからベートーヴェン、シューベルト、ショパン、20世紀の作曲家に至るまで幅広く、ソリストとしての活動はもとより、室内楽にも情熱を注いでいる。古楽器を演奏することにも関心を寄せ、学生であった2007年にフォルテピアノでベートーヴェンの難曲《ピアノ・ソナタop.106「ハンマークラヴィーア」》を録音している。こうした活動をさらに広げ深めていくことがアヴデーエワの目標のひとつでもある。

ユリアンナ・アヴデーエワは既に世界中の舞台に登場している。これまで、ロンドンのバービカン・センター、チャイコフスキー記念モスクワ音楽院の大ホール、パリのサル・コルトー、ウィーンのベーゼンドルファー・ホール、ワルシャワのフィルハーモニア、ブレーメンのグロッケ、チューリッヒのトーンハーレで演奏するほか、マントン音楽祭、ワルシャワの「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭、アルトゥール・ルービンシュタイン音楽祭、サンクトペテルブルクのミュージカル・オリンパス音楽祭にも出演。イタリア、日本、ポーランドでリサイタルも開催している。
※上記は2010年12月28日に掲載した情報です

Q1.自分で影響を受けたと思われるアーティストは?

 ひとりの名前は挙げられません。これまで多くの先生に師事し、さまざまな音楽家の演奏を聴き、いろんな人から影響を受けているからです。子どものころからのあこがれのピアニストもいますし、私のなかではその人たちがみんな同等なのです。
 録音も多く聴きますが、その時々によって聴きたい人が異なります。季節によっても変わります。真夏にはこの人、冬になるとこの人の演奏が聴きたいというふうに…。

Q2.ヤマハピアノに対するイメージと印象は?

 無限の可能性を秘めた楽器だと思います。今回、私はショパン・コンクールの第1次予選から本選まで、すべて同じピアノで演奏しました。ショパンの作品のイメージ作りにおいて、とりわけ大切なのはpやppなどの弱音だと思いますが、CFXはその弱音が的確に表現できます。私は「音の質」というものも重要視しています。私の心の内に秘めたショパンのイメージ付けを考える上で、音の質はとても大切な要素となります。それがこの楽器ではしっかり表現できると思います。
 ショパン・コンクールでは、楽器選びの時間はひとりたった15分。あまりにも短かすぎますが、私は自分の目指すショパンの演奏というものを、もっとも的確に表現できる楽器としてヤマハ CFXを選びました。

Q3.あなたにとって音楽(ピアノ)とは?

 楽器の王様ですね。いえ、いい直しましょうか。あらゆる物のなかの王様です(笑)。

Q4.印象に残っているホールやライブハウスは?

 ベルリン・フィルハーモニーの室内楽ホール、ロンドンのバービカンホール、そして先日初めてNHK交響楽団と共演したNHKホール。ここは4000人収容の広いホールだそうですが、聴衆のみなさんがとても静かに集中して聴いてくださったので、まったく容量の大きさを感じることなく演奏できました。聴いてくださるかたたちをとても身近に感じることができたのです。
 静けさのなかで集中して演奏すると、聴衆と私の間にピーンと張った糸のような、いい意味での緊張感が生まれます。NHKホールではまさにそうした瞬間を何度も味わいました。

Q5.ピアノを学ぶ(楽しむ)方へのメツセージ

 音楽は人を幸せにするものだと思います。ですから音楽に携わっているかたたちは、どんな形であっても、喜びを持って音楽と相対してほしいと思います。音楽とは、そのためにあるのだと私は確信しているからです。