ヤマハCFX2台による10手連弾からソロまで
奏者5人が一堂に会して、ピアノ尽くしの演奏会
2014年7月14日(ヤマハホール)
同じ時期のパリで過ごし、現在は日本を拠点に活動する、池村京子さん、佐野隆哉氏、島田彩乃さん、橘高昌男氏、宮崎明香さんが、「パリ5人組」としてヤマハホールで演奏会を行いました。パリ祭のある7月14日に合わせ、昨年に続く2度目の開催です。
オープニングは10手によるラヴェル《ボレロ》。暗いステージに一人ずつピアニストが登場し、2台のヤマハCFX で音楽をふくらませていくという演出。
そして、ソロ演奏をリレーのようにつないでいきます。佐野氏は鮮烈な音でストラヴィンスキーの《火の鳥》を、続く宮崎さんはそれを受けて、メシアンの《4 つのリズムエチュード》から「火の島」Ⅰ、Ⅱ他を、楽器を豊かに鳴らして奏でます。島田さんは、パリ祭の花火を表現するドビュッシー《花火》で、CFXからやわらかな音を引き出しました。
後半冒頭は再び5人が登場し、フォーレ《ドリー》をさまざまな組み合わせの4手連弾で。続いて池村さんはCFX のまろやかな低音を際立たせつつ気品あるショパン《アンダンテスピアナートと華麗なるポロネーズ》を、橘高氏は多様なタッチを駆使してファリャ《ファンタジア・ベティカ》を演奏しました。
今後もこのメンバーで回を重ねたいという言葉に続き、最後は10手によるシャブリエ《スペイン》。仲のよい奏者が揃うからこその、楽しい演奏会となりました。
Text by 高坂はる香