コンサートレポート

コンサートレポート

花房晴美さんをはじめ、日本を代表するアーティスト3人が〝夢の饗宴〟

2014年9月20日(茅ヶ崎市民文化会館小ホール)

神奈川県湘南エリアのJR茅ヶ崎駅、平塚駅、小田原駅に置かれているステーションビルLUSCA︱ラスカ︱。入場料を地域へ全額寄付するチャリティコンサートを1989 年から開催しています。その124回目となるコンサートが9月20日、茅ヶ崎市民文化会館小ホールで行われました。

 出演したのは、花房晴美さん(Pf)、徳永二男氏(Vn)、藤原真理さん(Vc)という、いずれ劣らぬ名手たち。花房さんが自身の室内楽シリーズ『パリ・音楽のアトリエ』で以前共演し、再びの機会を熱望していたゴージャスなトリオです。

 プログラムは、3人によるフランク《ピアノ三重奏曲作品1の1》、ラヴェル《ピアノ三重奏曲》そして、花房さんのソロによるドビュッシー《月の光》《亜麻色の髪の乙女》《花火》。この日のために持ち込まれたヤマハCFX は、フランクのトリオでは低音のテーマを美しく際立たせ、ラヴェルのトリオではバイオリンに寄り添うような輝きを放ち、チェロの力強さを引き立てて、見事なハーモニーを奏でます。もちろん、花房さん手中のドビュッシーでは、フランクともラヴェルとも異なる微妙な音色を響かせました。

 アンコールは、西澤健一氏の編曲によるフランク《天使の糧》の三重奏。満場の聴衆は素晴らしい音の饗宴に聴き入るばかりでした。

Text by ピアノの本 編集部