コンサートレポート

コンサートレポート

次世代の本格派ピアニスト シャルル・リシャール=アムラン氏が日本ソロデビュー公演で熱演!

2016年5月23日(東京オペラシティコンサートホール)

昨年行われた第17回ショパン国際ピアノコンクールで第2位に輝いたシャルル・リシャール=アムラン氏の自身初となる来日ソロ公演ツアーがスタートし、東京公演が東京オペラシティ コンサートホールにて行われました。

■プログラム
ショパン:
 ノクターン ロ長調 Op.62-1
 バラード第3番 変イ長調 Op.47
 幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
 序奏とロンド 変ホ長調 Op.16
 4つのマズルカ Op.33
 ソナタ第3番 ロ短調 Op.58

ショパンコンクールの時を彷彿とさせるオールショパンプログラムで、ピアノはコンクールの際にも彼が選んだヤマハCFX。冒頭のノクターンOp.62-1で会場の隅々にまで染み渡る、まるで絹のような柔らかい音色で聴衆の心をぐっと掴んだ後は、バラード3番Op.47へ。展開が変わるごとに華麗な指さばきとペダリング技術で無限大の音色を引き出しました。幻想ポロネーズOp.61では一転して身体の芯にまでズシンと響いてくるような重厚さを、序奏とロンドOp.16では無窮動で非常に正確なコントロールが求められる作品にもかかわらず、コロコロと機敏に駆け巡る爽快さや若々しさを最大限に表現していました。

後半はマズルカOp.33で民族的で素朴な表情を醸し出した後、いよいよピアノ・ソナタ第3番へ。アムラン氏がショパン国際ピアノコンクールで「ソナタ賞」を受賞したことでこの日の演奏にも大きな期待を向けられましたが、その期待をも大きく上回るスケールの大きさ、そして剛柔自在の表現力でこの日のリサイタルをクライマックスにまで引き上げ、演奏後には鳴り止まない大きな喝采に何度もステージに呼び出されました。

終演後には「とても素晴らしいコンディションのピアノでした。会場がこれだけ大きいにもかかわらずピアノの鳴りも豊かで、弾いていてとても心地よかったです」と笑顔でコメント。ショパン国際ピアノコンクールでの入賞以降日本での人気も非常に高く「次世代の本格派ピアニスト」としての呼び声も高いアムラン氏ですが、今後も信頼するヤマハCFXでの演奏で大きく羽ばたいていく事を期待せずにはいられません。

Text by 編集部

※1月にショパン国際ピアノコンクールのガラ・コンサートツアーで来日した際のインタビュー記事も併せてご覧ください。