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サロンコンサート in Ginza

Vol.12:重森光太郎、東海林茉奈 

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 国際的な活躍が期待される若手ピアニストによるジョイントコンサートシリーズ「サロンコンサート in Ginza」。2022年2月28日に開催されたVol.12には、重森光太郎さんと東海林茉奈さんが出演しました。

 前半のステージに登場した重森光太郎さんの最初の曲は、《平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第18番》。澄んだ音色で各声部を丁寧に歌い、静謐な音楽で会場を満たしていきます。続いてラヴェル《夜のガスパール》より、「オンディーヌ」、「スカルボ」。繊細なタッチでヤマハCFXから煌めくような音色を引き出し、幻想的な世界を繰り広げました。

 ショパン《ノクターン第17番》を、晩年のショパンの心情を映し出すかのような深い響きで聴かせた後、最後の曲はワーグナー(リスト編曲)《歌劇「タンホイザーとヴァルブルクの歌合戦」序曲》。凄まじいテクニックで、オーケストラを思わせる壮大な音響空間を生み出し、歌劇の情景が目に浮かぶようなダイナミックな演奏を楽しませてくれました。

 後半は東海林茉奈さんのステージ。モーツァルト《ピアノ・ソナタ第2番》の明るくリズミカルな曲想がみずみずしく描き出されていきます。ショパン《舟歌》では、たゆたうような8分の12拍子にのせて抒情あふれる音楽を緩急自在に構築し、聴衆を深い感動で包みました。

 ドビュッシー《映像 第2集》より「端末を渡る鐘の音」では、木の葉を微かに揺らしながら遠くから鐘の音が聴こえてくるような神秘的な世界に客席を誘い、最後はシューベルト《ピアノ・ソナタ第13番》。若き日のシューベルトの温かくリリシズムあふれる作品を、味わい深く聴かせてくれました。

 演奏後、重森さんは「嬰ト短調のバッハの暗黒を見つめたような旋律から、ラヴェルの《夜のガスパール》では、水の精と小悪魔の対照的なキャラクターを表現したいと思いました。ショパン《ノクターン第17番》は、ショパンの人生に寄り添うような気持ちで演奏し、リスト編曲のワーグナーの作品は、ピアノという楽器の可能性を最大限に生かして、オペラ的な要素やスケールの大きな情景を自分なりに味わいながら演奏しました。ヤマハCFXは、さまざまな時代の作品に絶妙に呼応し、出したいと思う音色を生み出してくれました。この春から桐朋学園大学のソリスト・ディプロマコースで学ぶ予定ですが、来年はパリに留学します。それに向けて、音楽だけでなく語学や文化などを幅広く学びながら、人間性を磨きたいと思っています」と語り、東海林さんは「繊細な響きを表現できるサロンで演奏させていただけるということで、響きのグラデーションを大切にしたプログラムを考えました。音数の少ないモーツァルト初期の作品を表現するのは難しかったですが、細やかなニュアンスを伝えてくれるヤマハCFXという楽器に助けられました。ショパン《舟歌》は高校生の頃から弾いている大切なレパートリー。ドビュッシーの澄んだ響きでクール・ダウンしてから、温かな情感にあふれるシューベルト《ピアノ・ソナタ第13番》を聴いていただきたいと思いました。今年の秋からポーランドに留学する予定です。視野を広げ、自身の音楽を探求していきたいと思います」と語ってくださいました。

 それぞれの個性が際立ったジョイントコンサート。才能あふれるおふたりの今後の活躍に期待が高まります。

会場

ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F)
東京都中央区銀座7-9-14

▶公演の案内はこちら

日時

2022年2月28日 19:00開演 (18:30開場)

演奏者/曲目

■重森 光太郎
<ソロ>
バッハ/平均律クラヴィーア曲集第1巻第18番BWV.863 嬰ト短調
ラヴェル/夜のガスパールよりオンディーヌ、スカロボ
ショパン/ノクターン第17番Op.62-1 ロ長調
ワーグナー=リスト/歌劇「タンホイザーとヴェルトブルクの歌合戦」序曲S.442/R.275

■東海林 茉奈
<ソロ>
モーツァルト/ピアノソナタ第2番K.280 ヘ長調
ショパン/ 舟歌Op.60 嬰へ長調
ドビュッシー/ 映像第2集より「葉末を渡る鐘の音」
シューベルト/ピアノソナタ第13番D664 Op.120 イ長調

※都合により曲目が変更になる場合がございます。
※演奏順は当日のプログラムでご確認ください。

公演チケットのお申し込み・お問い合わせ

チケットご予約受付を終了しました。 2022年2月24日(木)

アーティストサービス東京 03-3572-3426(平日10時~17時)

上記は2022年2月21日現在の情報です