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サロンコンサート in Ginza

Vol.15 :神宮司 悠翔、国本 奈々

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 将来を嘱望される若きピアニストたちによるジョイントコンサートシリーズ「サロンコンサート in Ginza」。2023年8月3日に開催されたVol.15には、神宮司悠翔さん、国本奈々さんが出演し、ヤマハコンサートグランドピアノのフラグシップモデルCFXの多彩な音色で、それぞれの音楽世界をみずみずしく描き出しました。

 前半のステージに登場した神宮司悠翔さんの最初の曲は、ショパン《4つのマズルカ Op.24》。静寂のなかにショパンの心情がゆらめくような第1曲、一転して機敏で華やかな第2曲、明るくのびやかなワルツ風の第3曲、そしてショパンのマズルカの最高傑作のひとつとされている優美でドラマティックな第4曲まで、丁寧なタッチでヤマハCFXから深く陰影に富んだ音色を引き出し、ショパンの祖国への想いを彫琢しました。続いてブラームス《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》。典雅な主題が清々しく提示された後、25の変奏が緩急自在に多彩な表現で繰り広げられ、荘重で輝かしい4声のフーガに至るまで、抒情豊かな演奏を楽しませてくれました。

 後半の国本奈々さんの最初の曲は、チャイコフスキー(プレトニョフ編)《演奏会組曲「くるみ割り人形」》より「行進曲」「金平糖の精の踊り」「トレパーク」「中国の踊り」「アンダンテ・マエストーゾ」。華やかなバレエの情景が会場いっぱいに広がりました。続いてクララ・シューマン《ロベルト・シューマンの主題による変奏曲》。ロベルトの最後の誕生日にクララが贈った作品の甘く切ない曲想が胸に迫ります。国本さんの曲目を紹介する軽妙なトークを挟みながら会場の雰囲気も和み、最後の曲は、リスト《「ノルマ」の回想》。ベッリーニのオペラ《ノルマ》のアリアや合唱の旋律をリストが自由なパラフレーズにまとめた傑作を、精巧なテクニックでダイナミックに歌い上げました。

 大きな拍手に迎えられ、アンコールは2人の連弾でフォーレ《ドリー》より「子守歌」。温かく優しい余韻を残して、コンサートの幕を閉じました。

終演後に話をうかがいました

 神宮寺さんは「ショパンのマズルカを4曲通して弾くのは初めてだったのですが、大好きな作品なので、お客様の前で弾かせていただくことができて幸せでした。ブラームスの《ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ》は、何回か本番で弾いたことがありますが、弾くたびに発見があり、少しでも何か新しいものを見つけたいと探求し続けています。ヤマハCFXは、弾きやすく、音色に色彩感があり、軽やかな音から重厚感のある音まで幅広く出すことができ、インスピレーションを刺激されながら演奏しました」と語ってくださいました。

 国本さんは、「トークは苦手なんですが、演奏はドキドキしながらも楽しくできました。ヤマハCFXは、音を変えたいと思ったときに、いろいろな音色のパレットが目の前に浮かび、私の気持ちに応えてくれます。小さい頃からヤマハのピアノが家にあって親しんできたので、大きなピアノで色彩豊かな音を出すことができて、とにかく楽しかったです。技術的にも体力的にも限界に挑戦したプログラムでしたが、今後も音楽に誠心誠意向き合って、自身を磨いていきたいと思います」と語ってくださいました。

会場

ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F)
東京都中央区銀座7-9-14

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日時

2023年8月3日(木) 19:00開演 (18:30開場)

演奏者/曲目

■神宮司 悠翔
ショパン:4つのマズルカ Op.24
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 Op.24

■国本 奈々
チャイコフスキー:演奏会組曲 くるみ割り人形 Op.71より(プレトニョフ編)行進曲、金平糖の精の踊り、トレパーク、中国の踊り、アンダンテ・マエストーゾ
リスト:「ノルマ」の回想(ベッリーニ) S.394 R.133
シューマン, クララ:ローベルト・シューマンの主題による変奏曲 嬰ヘ短調 Op.20

公演チケットのお申し込み・お問い合わせ

チケットのお申し込みは、お電話で承ります。
アーティストサービス東京 03-3572-3426(平日10時~17時)

上記は2023年8月3日現在の情報です