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サロンコンサート in Ginza

Vol.4:岩井 亜咲、五十嵐 薫子

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未来を担う若きピアニストたちが続々と登場するジョイントコンサートシリーズ「サロンコンサート in Ginza」。4月22日に開催されたVol.4には、岩井亜咲さんと五十嵐薫子さんが出演しました。

2021年7月にワルシャワで開催される第18回ショパン国際ピアノコンクール予備予選に参加するお2人のこの日のプログラムはいずれもオール・ショパン。

前半のステージに登場した岩井亜咲さんは《ノクターンOp.9-3》を繊細なタッチでのびやかに奏で、コンサートの幕を開けました。続いて《バラード第4番》。複雑で屈折した情感を秘めた後期の傑作を、ヤマハCFXのニュアンスに富んだ音色でダイナミックに歌い上げ、《マズルカOp.59-1, Op.59-3》では、思いを込めてショパンの心情に迫りました。終曲は《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22》。明るくみずみずしい音色を響かせ、華やかな演奏で前半を締めくくりました。

後半は五十嵐薫子さんのステージ。《エチュード Op.25-6》の右手の鮮やかな3度の反復のフレーズに、どこか陰鬱な雰囲気を漂わせる左手のメロディが絡み合ってエキゾティックな世界が展開されていきます。
続いて《ポロネーズ 第6番「英雄」 Op.53》では、決然とした意思を感じさせる楽想が、清潔なタッチでエネルギッシュに紡ぎ出されました。《マズルカ Op.30》では、温かく哀しみに満ちた情感が民族舞曲のリズムに乗って描き出され、最後は《スケルツォ第2番 Op.31》《スケルツォ第3番 Op.39》。
五十嵐さんの圧倒的な技巧にヤマハCFXはデリケートに呼応し、幅広いダイナミクスと色彩豊かな音色で情熱的な演奏を支えました。

終演後、岩井さんは「ショパンに向き合い、文献などを読んで探求していますが、本番のステージで弾いて、いろいろな意味で発見があり、課題が見えてきました。とくに《バラード第4番》は、技術的にも内容的にも難しい作品ですが、もっと沸き立つような表現を目指すべきかなと思いました。2020年2月から3月にかけてショパン音楽大学春期セミナーを受講し、練習室の窓から眺めた美しい景色、ショパン博物館、聖十字架教会などを訪ねた思い出から多くのインスピレーションを受けました。ワルシャワのセミナーで師事したアンナ・ヤストシェンプスカ=クイン先生は、マズルカなどショパン作品に流れる民族的な要素を丁寧にご指導くださり、とても勉強になりました。ヤマハCFXは、弾けば弾くほど多彩な音色を引き出すことができ、高音の澄んだ上品な音色、低音の無理なく広がる温かく重厚な音色に魅せられました」と語りました。

五十嵐さんは「照明や壁の木材が素敵なサロンで、集中して演奏することができて楽しかったです。ショパンは小さい頃から大好きな作曲家で、ずっと弾き続けていますが、やはり難しいです。集中力も体力も技術も一番必要な作曲家だと思います。やっと辿り着いたと思ってもまた遠のいてしまう……。ヤマハCFXは繊細な楽器で、最初は弾き手を選ぶように感じましたが、弾いているうちに無理なく鳴ってくれて、私を好きになってくれたのかなとさまざまな表現を試みました。ショパンコンクールは、幼い頃からの憧れ。ユンディ・リ、ラファウ・ブレハッチが優勝した回のDVDを母と一緒に視聴し、コンチェルトの演奏などに胸をときめかせました。今年はショパンコンクールに向けて準備しながら、ソロとアンサンブルのバランスを取って演奏活動を展開していきたいと思います」と語りました。

会場

ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F)
東京都中央区銀座7-9-14

▶公演の案内はこちら

日時

2021年4月22日 18:30開演 (18:00開場)

演奏者/曲目

■岩井 亜咲
<ソロ>
F.ショパン/
ノクターン Op.9-3 ロ長調
バラード第4番 Op.52 ヘ短調
マズルカ Op.59-1 イ短調 Op.59-3 嬰ヘ短調
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 変ホ長調

■五十嵐 薫子
F.ショパン/
エチュード Op.25-6 嬰ト短調
ポロネーズ第6番「英雄」 Op.53 変イ長調
マズルカ Op.33
スケルツォ第2番 変ロ短調 第3番 嬰ハ短調

※都合により曲目が変更になる場合がございます。
※演奏順は当日のプログラムでご確認ください。

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チケットのお申し込みは、お電話で承ります。
アーティストサービス東京 03-3572-3426(平日10時~17時)

上記は2021年4月1日現在の情報です