【導入事例】名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 様 / 愛知

Japan/Aichi Jun. 2025

PAの現場での新たな標準機となる「DM7」「DME7」で音響の未来を担う若者を育てる

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)は、音楽・ダンス・声優・エンターテインメント業界で活躍する人材を育成する専門学校です。このたび同校にヤマハのデジタルミキシングコンソール「DM7」「DM7 Compact」、シグナルプロセッサー「DME7」が導入されました。

導入の経緯や機材選定の理由について、名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 事務局長の木村 剛 氏、教務部 商業音楽科 学科長の佐藤 聖也 氏、講師の村田 宣治 氏(株式会社サウンド イン オアシス 代表取締役)、同じく講師のまつむろ あきのり 氏(airsoundz サウンドエンジニア)にお話をうかがいました。


名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校について教えてください。

木村氏:
名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校は「好きを仕事に」をコンセプトとして2002年に名古屋市中区栄に開校しました。産学連携教育を柱とし、業界や企業が求める即戦力の人材育成をモットーにしています。音楽、ダンス、声優、エンターテインメント業界に特化した6つのコースを設けており、K-POPを学べるコースがある点も特長です。

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 事務局長 木村 剛 氏

「DM7」「DM7 Compact」「DME7」導入の理由を教えてください。

佐藤氏:
学生の時から最新の機材で学べる環境を用意することがNSMのモットーです。「DM7」、「DM7 Compact」は間違いなくこれからのPA現場のスタンダードになりますから、即戦力人材の育成を目指す当校としては、最初からこのミキサーで音響を学ばせたいと考えました。

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 教務部 商業音楽科 学科長 佐藤 聖也 氏
デジタルミキシングコンソール「DM7」(左)
シグナルプロセッサー「DME7」(中・ラック上段)
デジタルミキシングコンソール「DM7 Compact」(右)

シグナルプロセッサー「DME7」はどんな目的で導入されたのですか。

村田氏:
NSMでは毎年、学生主体でミュージカルを公演しており、そこで使用するために導入しました。そのミュージカルはプロの脚本、演出家をお招きし、学生主体とはいえ非常にレベルの高いものとなっています。また出演者が多く生バンドも加わるため、バンド用の卓、ボーカル用の卓、ワイヤレスピンマイク用の卓、SE用の卓と、4台のミキサーを同時に使用します。「DME7」はそれらの信号を制御するために導入しました。

それともう一つ理由があります。音響の生徒の一部はホールや劇場の音響に携わるものもいます。今、多くのホールではシグナルプロセッサーが設置されていますが、通常のPAの勉強ではプロセッサーがどう使われているのか学ぶ機会がありません。そのため在学中に最先端のシグナルプロセッサーに触れておくことも重要だと考えました。

株式会社サウンド イン オアシス 代表取締役 村田 宣治 氏
シグナルプロセッサー「DME7」

学生が主体となってミュージカルを上演するのは、素晴らしい取り組みですね。

木村氏:
ありがとうございます。骨髄移植推進キャンペーンの一環として行うミュージカルで、日本各地の姉妹校でも毎年公演します。社会貢献というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、エンターテインメント性もふんだんに盛り込まれており、とても楽しいミュージカルです。ぜひご覧いただきたいと思います。

学生が主体となって舞台制作に取り組む練習の様子
ミュージカル公演の様子

学生に教える立場として、これらの機材でどんなことを学んでほしいと考えていますか?

村田氏:
生徒たちが音響業界に就職してもいきなり「DM7」「DM7 Compact」を扱う機会は少ないと思います。でも学校で触れておくのと、現場で初めて見るのとでは大きな差が出ます。ぜひ最新のデジタルミキサーとはどんな音なのか、どんな機能を持っているのか、自ら興味を持って体験してほしいですね。

まつむろ氏:
昨今のPAエンジニアは拡声するだけの仕事ではなく、コロナ禍以降は配信用のミックスも求められることが増えました。配信のミキシングはレコーディングに近い側面があり、PAとは別の技術を学ぶ必要があります。「DM7」「DM7 Compact」は録音や収録、放送用途でも使える能力を持っていますので、配信などの音響を教える教材としても最適だと思います。

airsoundz サウンドエンジニア まつむろ あきのり 氏

村田さんとまつむろさんはプロエンジニアとして活躍されています。エンジニアとして「DM7」「DM7 Compact」はいかがでしょうか。

村田氏:
私が「DM7」「DM7 Compact」で感じたのは、音の分離の良さ。分解能がとても高いです。たとえばアイドルグループのPAを担当した時、5~6人が一斉に歌うと、誰がどの声なのか聴き分けが難しいことがあります。でも「DM7」なら各人の声がきちんと分離して聴こえます。

まつむろ氏:
同感です。分解能が上がったことで、困ることすらあります。たとえば、あえて「ぼかす」ためにリバーブを設定することがあるんですが、これを使っても「DM7」だとぼけない(笑)。パリッと明瞭に聴こえるので、設定を変えたあとに自分の引き出しも変更する必要があるくらい音質がクリアです。

「DM7」「DM7 Compact」の操作性や機能など、使い勝手についてはいかがですか。

村田氏:
これまでもヤマハのデジタルミキサーを使ってきましたが、エディット操作が今までよりストレートで直感的に触れるのがいいですね。「DM7 Compact」は、なんといってもコンパクトさが素晴らしい! ミュージカルでは狭いスペースに4台の卓を並べますがコンパクトなので非常に助かりました。

まつむろ氏:
私が評価するのは内蔵プラグインのクオリティの高さです。プラグインにはレコーディングスタジオで実機を触っていた馴染みのある機材がたくさんありますが、それらが「DM7」に入っていて、使いたいと思ったらすぐに使えて、音の質感が実機と近いのが素晴らしいです。

デジタルミキシングコンソール「DM7」に搭載されたプラグイン「EQ-1A」

オートミキサーなどの便利な機能については、教材としてどうですか。

まつむろ氏:
私は学生がそういった新しい便利機能を使うことに対して否定的ではありません。音響の仕事には様々な分野があります。例えば会議やイベント系の音響であればオートミキサーの機能を駆使する必要があります。もちろんPAの基本として耳と手で音をつくることを大切にしてほしいですが、「この機材ではこういうこともできる」という知識や経験は、積極的に伝えたいと思っています。

今後、学校の中で「DM7」「DM7 Compact」「DME7」を使って取り組みたいことはありますか。

村田氏:
イマーシブオーディオですね。今後は間違いなく必要とされる音響の技術になります。イマーシブオーディオを教える時も、おそらく「DM7」シリーズは非常に有効な教材になるだろうと考えています。

まつむろ氏:
現在のPAの現場では本当にイマーシブオーディオの需要が増しています。今後その技術を持つ人材を育てるためには、イマーシブオーディオ対応の機材が整っていることが前提ですからね。

佐藤氏:
最近はイマーシブオーディオ、いわゆる没入型の音響体験を提供するテーマパークや屋内施設が増えており、そうした分野に対応できる音響技術者の需要は確実に広がっています。学校としてもそうした音響業界の進化にしっかりついていきたいと考えています。

本日はありがとうございました

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校
https://www.nsm.ac.jp

Yamaha Digital Mixing Console DM7

DM7 Series

様々なシーンに対応できる高い拡張性と柔軟性を備えた革新的なデジタルミキシングコンソール。

Yamaha Signal Processor DME7

DME7

高品位な音響空間を創り出すサウンドシステムデザイナーのための最大256ch入出力(Fs=96kHz時)対応シグナルプロセッサー