【導入事例】OSM 大阪スクールオブミュージック専門学校 様 / 大阪

Japan/Osaka Jul. 2025

大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)は、音楽、ダンス、声優、エンターテイメント業界で活躍する人材を育成する専門学校です。このたび、同校にヤマハのデジタルミキシングコンソール「DM7」が導入されました。

導入の経緯や機材の選定理由について、大阪スクールオブミュージック専門学校 コンサートスタッフワールド 学科長の江川 嘉兵 氏(写真右)、同校で音響の講師を務める西側 知 氏(写真左)にお話をうかがいました。


大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)ついて教えてください。

江川氏:
大阪スクールオブミュージック専門学校の建学の理念は「実学教育・人間教育・国際教育」であり、業界とともに業界に喜ばれる「人づくり」の学校です。たとえばその特徴のひとつがWメジャーカリキュラム。入学時のコースとは違う学科のコースを履修することができ、ヴォーカルコースの学生が作曲コースの授業を取るというように、分野を横断して科目が履修できます。

また設備面としてはプロ仕様のライブハウス「Live Space 1」や多目的スタジオなどが整備されており、プログレードの環境で学ぶことができます。進路としても1300社以上と連携しており、インターンや合同説明会を通じて就職・デビューを支援します。弊校の姉妹校としては名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)などがあります。

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校「DM7」 導入事例

大阪スクールオブミュージック専門学校 コンサートスタッフワールド 学科長 江川 嘉兵 氏
大阪スクールオブミュージック専門学校 学内の様子

「DM7」の導入の決め手は、業界標準×最新サウンド対応

今回「DM7」を導入した理由を教えてください。

西側氏:
シンプルに言って「ヤマハの最新のデジタルミキサー」だからです。まずヤマハを選んだのは、やはり日本のPAの現場ではヤマハがデファクトスタンダードですし、使い勝手もいいです。「PM3000」から始まって「PM4000」「M7CL」「CL」「RIVAGE PM」「DM7」と進化しながらずっとヤマハのミキサーが主流の卓として使われ続けてきました。今も現場のモニター卓はほとんど「CL5」です。将来学生が音響業界に進んだときにも、学校で使った馴染みがある機材の方が扱いやすいと思います。

音響の講師を務める西側 知 氏
デジタルミキシングコンソール「DM7」

それともうひとつ「最新」についてですが、今の音楽を扱うならやはりミキサーは新しいものが絶対いいです。例えば今の音楽ってキックやベースの比重が大きいです。これは日本でも欧米でも同じで、若いエンジニアは同じような意識でレコーディングしています。問題は、それをライブPAでどう再現するか。その時に古い卓だと、なかなかあの質感は出しにくい。ミキサーの基本性能だけでなく、アウトボードやコンプレッサーのクオリティも大きく影響します。

その点「DM7」は内蔵プラグインのコンプを使うだけで最新の音の仕上がりに持っていける。レコーディング並みの質感をライブで出すには、こうしたプラグインが不可欠ですが、それらが「DM7」には標準で内蔵されています。そういう点も大きいですね。

西側氏が高く評価するプラグイン「COMPRESSOR 260」

「DM7」を導入してすでに1年とのことですが、実際に使ってみて、良かった点を教えてください。

西側氏:
音の立ち上がりが断然速いです。それとDanteで簡単に、かつ柔軟に接続できるのもいいですね。

江川氏:
学校側としては本体のコンパクトさが、教材として助かるところです。「DM7」は授業ごとにあっちの教室、こっちの教室と持ち運びますので非常に助かります。というのも、最近はどこの音響の学校もそうですが、学生の女性の割合が非常に高く、年度によってはほぼ女性のみということもあります。「DM7」なら女性2人でも運べますし、本体のみなら1人でも移動できそうです。

「DM7」について学生からはどんな反響がありますか。

西側氏:
学生たちは幸せなことに最初から「DM7」に触っているので、これがすごい実力を持った最新モデルだという実感は持っていないかもしれません。特に難しく考えることもなく、授業以外でも自分のデータを作って登録するなど、それなりに使いこなしています。実際、今後業界のスタンダードとなる「DM7」に慣れ親しんでおくのは学生にとても良いことです。

学生は自分の「DM7」用データライブラリーを持っているのですか。

西側氏:
学生には積極的に自分のライブラリーを作るように言っています。例えばカリキュラムの一環としてライブのPAをする授業がありますが、そのデータを自分できちんと管理しておくようにと言っています。そうすれば似たような構成のステージの時にはそれを読み込むことで素早くセットアップが行えますから。そしてそれらの設定を、WindowsだけでなくてMacでも扱えるというのも、学生にとっては使いやすいところでしょうね。他社だとWindowsのみということも多いので。

プロとしての「DM7」のメリットは操作性と高音質

西側先生は第一線の音響エンジニアでもありますが、その視点から「DM7」はいかがですか。

西側氏:
僕個人としてはコンプレッサーを2基同時に重ねられるのがいいですね。基本となるコンプレッサーをかけた上でシーンに応じて別のコンプレッサーを足すと、音が前に出てきます。

それからタッチパネルが使いやすいですね。非常に反応が良いし、画面内のボタンのサイズも指先と同じくらいなので押し間違いもないです。他社のだとよく押し間違えちゃうんですよね。

「DM7」の音の印象はどうですか。

西側氏:
先日も1000人規模のライブで「DM7」を使いましたが、ハイがとても綺麗で今っぽい音でした。96kHz駆動になったことも効いているのだと思います。そういうのは実際にやってみないと分からないじゃないですか。そういった深掘りがしやすい卓だなと思います。

大阪・関西万博 EXPOホール 「シャインハット」での学生主体ミュージカルでも「DM7」が活躍

「DM7」を実際に導入して良かったと感じる点が他にもあれば教えてください。

江川氏:
私は音響の専門家ではないので音質や機能のことは詳しくは分かりませんが、「DM7」は見た目がコンパクトかつスタイリッシュで、学生たちにも大人気です。授業以外でも、小規模の野外フェスのPAなどでも持ち出しているので稼働率は高いですね。また運営側として助かるのはヤマハの機器は故障が少ないこと。これまで使ってきた「M7CL」も故障はほとんどありませんでした。「DM7」の信頼性も高いと思います。

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)などの姉妹校と同じく、学生主体でのミュージカルに取り組んでいるそうですね。

江川氏:
はい、当校でも毎年、学生が企画・制作・出演する骨髄移植をテーマにした学生主体のミュージカル『明日への扉』を上演しており、今年は大阪・関西万博の開催に合わせて、会場内のEXPOホール「シャインハット」でその公演を行いました。

そのミュージカルでも、「DM7」が活躍したのでしょうか。

西側氏:
大活躍でした。シャインハットは借りられる時間が限られていて、しかもワイヤレスマイクが30本もあるような大がかりな公演だったので音響の仕込みはまさに時間との戦いでした。しかし「DM7」も含めて全てヤマハの機材を使いDanteでシステムを組んだので、非常に短時間でサウンドチェックができました。

今後、「DM7」を使って取り組みたいことはありますか。

江川氏:
学校行事としては年度末に進級制作展でダンス学科やミュージシャン学科と一緒に作り上げた作品を発表予定です。そこでも「DM7」を使って学生がPAをします。その制作風景を見ると、学生がシーンごとにフェーダーをパッチして、ボタンを素早く押してシーンを切り替えていて、使いこなしているなあと感動しました。今年の公演もとても楽しみです。

本日はありがとうございました

OSM 大阪スクールオブミュージック専門学校
https://www.osm.ac.jp

Yamaha Digital Mixing Console DM7

DM7 Series

様々なシーンに対応できる高い拡張性と柔軟性を備えた革新的なデジタルミキシングコンソール。