DM7ファームウェアV2.0で接続性、ワークフロー、システム統合性が向上
ヤマハ株式会社(以下「ヤマハ」)はデジタルミキシングコンソール「DM7シリーズ」の最新ファームウェアV2.0および関連ソフトウェアを発表しました。本リリースにより、実用性、拡張性、一貫性に優れたミキシングのエコシステムがさらに強化されます。
今回のV2.0では、新製品であるデジタルミキシングコンソール「DM5」および「DM5 Compact」、同じく新製品のRシリーズユーティリティI/O「RUio1608SB-D」、「RUio0804-D」、「RUio16FLX-D」、さらに既存のシグナルプロセッサー「DME5」、「DME3」、イマーシブオーディオプロセッサーNEXO 「DME10」に対応します。セットアップやワークフローも大幅に改善され、DM7シリーズのオペレーションがこれまで以上にスピーディーかつ柔軟に、またより直感的になりました。
DM7とDM5:両シリーズ間のシームレスな連携
新製品であるDM5シリーズは、DM7シリーズと同じ操作感とワークフローを備え、ユーザーはオペレーションスタイルを変えることなく2つのプラットフォームをシームレスに行き来することができます。V2.0では、両プラットフォームで互換性のあるコンソールファイルを共有できるようにし、連携をさらに強化しています。これにより、コンソールデータや操作感を維持したまま、さまざまな規模のシステムを容易に構築できます。
ソフトウェア環境も両コンソール間で統一しています。「DM7 StageMix」は「DM StageMix」へとアップデートし、同一アプリケーションで「DM7」および「DM5」シリーズに対応します。また、新たに導入された「DM Editor」により、シリーズ共通の編集環境が実現し、移行もよりスムーズになりました。
DM7-EXによるハイエンドなライブサウンドシステム、コンパクトなDM5システム、あるいはRシリーズユーティリティI/OやDME、Dante対応機器を組み合わせた大規模な統合システムなど、どのような構成であっても、より強力に連携したエコシステムとシームレスなファイル互換性により、スムーズなシステム移行と効率的なオペレーションを実現します。
より速く、より直感的なワークフロー
V2.0には、操作の効率化と設定の簡素化のためのワークフローの改善点を数多く追加しています
User Defined Knobに新たに追加した「Dynamic Mode」により、Selected Channel Viewの表示時には、現在選択されている箇所に応じてノブの機能が自動的に切り替わります。EQを選択するとEQパラメーターが瞬時に割り当てられ、Dynamicsを選択するとダイナミクスパラメーターが自動的に割り当てられるため、使用頻度の高い設定にすばやくアクセスできます。
Selected Channel View Modeオプションも新たに追加しました。Channelを選択すると、画面上のパラメーター操作エリアやScreen Encoderからよく使うSelected Channelパラメーターに直接アクセスできるため、使用頻度の高い設定へのアクセスが迅速になります。また、V2.0より前のファームウェアのチャンネルエンコーダーの挙動を再現するModuleも選択できます。ChannelとModuleの両オプションは設定画面内にあり、ユーザーは自分の操作スタイルに適したワークフローを選ぶことができます。
設定画面にはHome Key Behaviorオプションが新たに加わり、Homeキーを押したときの動作としてSelected Channel Viewの表示、Overviewスクリーンの表示、または両者間での切り替えのいずれかを選択できます。
FX Rackも大幅に改良され、グラフィック・インターフェースの刷新により、直感的で視認性の高い操作環境を実現しています。これにより、パラメーターへのアクセスや操作がスムーズになり、ミキシング作業を効率化するとともに、エンジニアの創造性を引き出します。
システム設定やショーの準備に役立つChannel Move機能も新たに追加され、コンソールデータの構築時にチャンネルをより効率的に再構成できるようになりました。
さらに、CH JOBメニューにはWith Sendsオプションが新たに加わりました。出力チャンネルをコピーする際、デスティネーションバスに関連するセンドパラメーターもコピーするか否かを選択できるため、コンソール設定時のルーティングやミックスの関係を維持できます。
Sends on Faderモードの操作も改善されています。エンコーダーモードでのパン/バランス選択時にSends on Faderモードに切り替えると、現在選択されているセンドバスのパン/バランス操作がScreen Encoderに自動的に割り当てられます。そのため、ワークフローを中断することなく、モニターやミックスをよりすばやく直感的に調整できます。
パッチ機能も改良され、新たにTake From Channelオプションが追加されました。これにより、既存のヘッドアンプ設定を変えずに入力パッチの割り当てを変更できるようになりました。そのため、特に複雑なDante環境において、システム変更をより迅速かつ安全に行うことができます。
最後に、Dante対応機器や接続をより明確に識別できるよう、パッチメニュー内のパッチボタンにDanteポートIDとポートラベルが表示されるようになり、ネットワーク接続されたオーディオの送信元と送信先の確認・選択が容易になりました。
追加機能とシステム統合の強化
V2.0では、より多くのサードパーティー製Dante対応機器がサポートされます。これによりヤマハ製品と他社製オーディオ機器を一つのシステムに統合しやすくなり、視認性やモニタリングの利便性向上に加え、ミキサーからオーディオネットワーク全体をコントロールできるようになります。Dante対応機器リストにはStagetec NEXUS(XDIP / NEXUS Compact)、DirectOut DANTE.IO / DANTE.IO DNA、Audio-Technica ATW-DR3240DAN、Shure SLXD4+ / SLXD4D+ワイヤレスマイク受信機が加わりました。
V2.0にはComp Assistも搭載されています。拡充し続けるミキシング支援ツール群に新たに加わったComp Assistは、信号レベルに基づいて適正なコンプレッサー設定を提案し、ミックスの初期設定を効果的に行うと同時に、ダイナミクスのコントロールとバランス調整をサポートします*。さらに、Fader Assistも改良され、ミックス全体のレベルを最適化するとともに、Assist実行時のレベル変化を最小限に抑えます。
ヤマハ株式会社プロフェッショナルソリューション事業部 事業部長 田中需のコメント
「DM7シリーズ用ファームウェアV2.0を発表できることをうれしく思います。本ファームウェアは、新製品DM5シリーズへの対応と数々のワークフロー改善により、DM7シリーズをさらに強化しています。DM7シリーズは、すでに世界中の幅広いサウンドエンジニアから高い信頼を得ています。本ファームウェアにより、他の機器ともさらに柔軟に接続できるようになり、よりスムーズで快適なワークフローを実現します。こうした改良により、サウンドエンジニアがオーディエンスの期待に応える優れたサウンドを提供できるようになり、DM7シリーズがあらゆる制作現場でさらに頼れるパートナーになると確信しています。」
* Dyn2で利用可能。