木工
サウンドホール象嵌
表板サウンドホールの周りにある丸い溝に入るよう、職人が1本1本慎重に象嵌を施します。
響棒削り~圧着
響棒は、ボディの強度を保ちつつ、胴の響きを左右する重要なパーツです。桟接着工程では、表板浦面に響棒を付け、圧締強度の強い「つづ棒」と呼ばれる突っ張り棒のような道具を使用して接着を行っています。この方法により、響棒と表板/裏板との接着力が強く保たれ、板全体の振動にロスが少なくなります。
響棒の削りは、熟練の技術者のスキルが最も要求される作業です。時間をかけて丹念に作業を繰り返して、最良の響棒形状に仕上げます。響棒配置は、弦の張力による表板の変形を防ぐと同時に、ブリッジで受け止めた弦振動をボディ全体に伝え響かせるかをコントロールしており、各モデルの設計思想を表す重要な役割を担っています。
側板曲げ接着
側板をお湯に浸した後、熱板によるプレス曲げを行い、プレスから外し専用の型に入れて冷却し水分を飛ばします。
湯につけすぎると水分が残りあとで変形してしまいますが、足りなければ割れてしまう為加減の難しい工程です。
側象嵌・埋め込み
側象嵌には、木象嵌と樹脂の大きく2種類があります。
木象嵌は接着に時間がかかるため、少しずつ接着剤を塗っては紐で縛って、しっかり固定していきます。
木象嵌は経年変化で縮みにくく細かい形状にも対応できます。
メキシコ貝を使用した象嵌は象嵌接着の時に貝と同じサイズのテフロンと一緒に接着した後、そのテフロンを外して残った溝に再度貝を1個ずつ接着していきます。
一方、樹脂象嵌の接着では樹脂を溶かしながら接着するタイプの接着剤を使用しており、接着後テープで圧締します。
表側板・胴接着
表板と側板を先に接着し、その後裏板を接着します。
表板を接着してから裏板との接着面を削ることで、胴全体が振動しやすくなり豊かな胴鳴りが得られます。
棹入れ
ボディにネックをいれていく「棹入れ」加工。最も振動伝達に優れる伝統的なアリ接合(ダブテイルジョイントと呼ばれる)の加工。
アリが同じ角度になるよう同一ルーターでアリ溝とアリほぞを加工します。その後棹入れ角度調整を適切な弦高となるよう微調整をカンナで行います。
かんなや彫刻刀を使用して微調整を繰り返し、正しい位置に固定させます。胴体と棹が上手く合体しないと、音色、演奏性が悪くなる為、大変精密且つ慎重な作業が要求される「熟練の技」を感じさせる工程です。
胴体と棹が合体されると、最後はネックの握りを調整していきます。ギターを弾きやすいように、最適な感触を追求していきます。