~2020年デビューの4名の挑戦~デモンストレーター座談会vol.3

デモンストレーター座談会 – 株式会社ヤマハミュージックジャパン

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2020年座談会を行ったデモンストレーター4人の集合写真

~2020年デビューの4名の挑戦~
デモンストレーター座談会

2020年にデビューした皆さんに
この仕事の魅力、この仕事への熱意をうかがいました。

田口奈穂美さんの写真

デモンストレーター歴 2年

エレクトーン

田口 奈穂美

3歳よりエレクトーンを始める。音楽大学卒業後はエレクトーン、キーボードの演奏家として活躍、現在エレクトーンデモンストレーターとして活動している。

山﨑雅也さんの写真

デモンストレーター歴 3年

エレクトーン

山﨑 雅也

4歳からエレクトーンを始め、音楽大学在学中よりデモンストレーターとして活動。その他アーティストのサポートや音楽制作など幅広く活躍。

加藤夢望さんの写真

デモンストレーター歴 3年

エレクトーン

加藤 夢望

4歳よりエレクトーンを始める。現在大学に在学中、音楽学科で幅広く音楽を学びながら、デモンストレーターとして活動している。

白岡紗苗さんの写真

デモンストレーター歴 3年

エレクトーン

白岡 紗苗

4歳よりエレクトーンを始め、他にもゴスペルやダンス等幅広く習得し様々な舞台に立つ。音楽短期大学卒業後よりデモンストレーターとして活動をスタート。

もっと多くの人にエレクトーンの魅力を伝えたい

もっと多くの人にエレクトーンの魅力を伝えたい

― なぜ、デモンストレーターをめざしたのですか

田口
私は、地元のヤマハの音楽教室でエレクトーンを学び、音楽大学でもエレクトーンを専攻していたので、当たり前のようにいつもエレクトーンが周りにありました。
でも、大学卒業後にフリーの演奏家として演奏活動をする中、「昔弾いていたけれどこんなに進化したんだ!」「エレクトーンって、知らなかったけれどいい楽器だね!」などと言われる機会がとても多く、自分が思っている以上にエレクトーンのことを知らない人が沢山いることに気づきました。
また、演奏活動ではピアノやキーボードも弾いていたのですが、同じ鍵盤楽器でもやっぱりエレクトーンを弾きたい!という思いがずっとあったことも、デモンストレーターを目指した理由のひとつです。
白岡
私は、子供の頃からピアノ、エレクトーンを習っていたのですが、エレクトーンを通して幅広いジャンルの音楽に触れる機会が増えたことにより、いろいろな楽器に興味を持ちチャレンジしてきました。
大学で電子オルガンコースを専攻し、エレクトーンが一番好きだと感じたのですが、エレクトーンって何なの?と聞かれることが結構ありました。
だから、エレクトーンの事を伝えられる人になれたらいいなと。
山﨑
音楽大学を卒業し、この春から大学院で作曲とエレクトーンを専攻します。
在学中は、エレクトーンを学び、作曲などの勉強もしてきたのですが、フリーのエレクトーンの演奏活動、ピアニスト、キーボーディストとしての活動もしてきました。
大学3年生の時にデモンストレーターのオーディションがあることを知ったのですが、幼い頃から取り組んだエレクトーンの良さを純粋により多くの方にお届けしたいなという思いがフリーで活動していた頃もずっとあり、その思いを叶えるためには、やはりデモンストレーターになるのが一番良いと思っていました。
加藤
私は小さい頃から、将来「エレクトーンの先生かエレクトーン奏者」になりたいと思っていました。
でも、大学を決める際に、「エレクトーンの世界しか知らないから、一度エレクトーンから離れてみよう」と思ったんです。
そして、音楽療法や音楽の歴史といったエレクトーンから離れた音楽を学ぶ中、エレクトーンが好きで将来関わりたいんだということに改めて気づき、デモンストレーターとしてエレクトーンの魅力を伝えていきたいと思い目指しました。
  • 笑顔で話す田口奈穂美さんの写真
  • 笑顔で話す白岡紗苗さんの写真
  • 笑顔で話す山﨑雅也さんの写真
  • 笑顔で話す加藤夢望さんの写真
皆笑顔で会話が弾む座談会の写真

― エレクトーンの素晴らしいところを教えてください。

田口
どんなジャンルや編成の音楽でも1人で弾けたり、2人以上でアンサンブルも出来たり。
また、質の高い音色が豊富に搭載されているので、幅広く色々な曲を、自由に表現することが出来るところです。
山﨑
田口さんが仰るように表現力もそうですが、ハードルが高いイメージがあるアレンジや作曲編曲も、エレクトーンの場合は遊び感覚でこの音を 選んでみたらどうなるか、このリズムにしてみたらどうなるか、といったクリエイティビティなことがより感覚的にできます。
手軽に自分のインスピレーションを引き出しやすい楽器だと感じています。
例えば、オーケストラのスコアを書き、演奏してみたらイメージが違っていたとなった時に、修正するのは相当大変だと思います。
でも、エレクトーンは書きながら弾きながらということがリアルタイムにできるので、弦楽器の部分を管楽器やシンセサウンドにするというような差し替え作業もとても簡単にでき、作編曲に向いています。
もちろん、流行りの曲を簡単に弾いてみたいという方にも、おすすめの楽器だと思っています。

デモ演奏や会話を通じてお客様との架け橋に

デモ演奏や会話を通じてお客様との架け橋に

  • 笑顔で話す加藤夢望さんの写真
  • 笑顔で話す山﨑雅也さんの写真

― デモンストレーターのお仕事をしてみてどうでしたか?

田口
デモンストレーターになる前は、演奏8割その他2割ぐらいと思っていましたが、現場に出てみると、お客様と会話をしたり楽器の説明をしたりと、お客様とコミュニケーションをとることがすごく多いお仕事でした。
白岡
これまで、エレクトーンの魅力を伝えるための演奏を幅広い世代の方に聞いてもらう機会があまりなかったのですが、デモ演奏をすることだけでなく、演奏のために流行りの曲を調べたり、曲順を決めていく作業なども楽しいと感じています。
加藤
私は、デモ演奏やお客様とのコミニュケーションなど、どちらかといえば思っていた通りのお仕事でした。
でも、普段から使っていた以上の機能があるということに改めて気づき、研修の中で機能の再確認や伝え方の勉強をしてきました。
山﨑
僕は、ポジティブな意味で少し思っていたのとは違っていました。
機能の説明はより伝わりやすい伝え方を考える、演奏以外でもコミュニケーション力を鍛える、他、演奏以外にも多角的にエレクトーンに携わることができ鍛えられるという意味で、思っていた以上に幅が広いと感じています。
フリーの演奏家として活動していた時ももちろん楽しかったのですが、デモ演奏等にお越しいただいたお客様と直接コミュニケーションをとったり、お客様に合ったエレクトーンライフのご提案をしたり、とても充実しています。

― 大変だと感じることは?

加藤
デビュー当時、お客様が集まってくれるかを必要以上に気にしすぎて、演奏に集中できないことがありました。
どうして人が集まらないかを考えたときに、自分が弾きたい曲を弾くのではなく、お客様が聞きたい曲を演奏する必要ある、レパートリーを増やして幅広い曲から選曲しないといけないなと感じました。
白岡
私は、事前に考えていたトーク通りに話せず、言葉に詰まり苦労したことがあります。
目線を目の前のお客様に移し、言葉のキャッチボールをするような感じで切り抜けました。
田口
コンサートやライブの場合はお客様が自分の演奏を聴きに来てくれるのですが、歩いてる方に足を止めていただくということがライブ活動と大きく異なり難しいと感じています。
同じプログラムでも、時間帯や場所、天候などでお客様の反応も変わってきます。
例えば、昼間の部はすごく盛り上がっていたけれど、夕方の部ではお子さんが疲れて帰りたがる…そこを演奏とトークで引きつける!などのように、臨機応変に対応する必要があります。
そこが難しいけれどもやりがいを感じる部分です。
山﨑
弾きながら臨機応変な対応をすることは、デモンストレーターならではだと思います。
お客様が流動的に動くということは、普通のコンサートではあまりないことですが、音楽教室のレッスンが終わり子どもたちが集まってきた際に、次に大人向けに用意をしていた曲を、子供達が喜びそうな曲に変更したことがありました。
そのように臨機応変に対応することは苦労する点ではありますが、うまくいった時には充実感があり、終わった後に楽しかったなどど声をかけられると嬉しいです。
  

魅力の伝道師としてスキルを身に付けたい

魅力の伝道師としてスキルを身に付けたい

  • 笑顔で話す白岡紗苗さんの写真
  • 真剣な表情で語る田口奈穂美さんの写真

― 先輩デモンストレーターのすごいと思ったところは?

白岡
対応力、言葉のテンポ、スムーズな曲と曲の繋ぎ方など、自分自身の課題である部分を難なくこなされているところです。
田口
初めて先輩とご一緒した際に、テンポ感や聞きやすさ、言葉の選び方など、トーク力に圧倒されました。
自分自身もラジオを聴いたり、アナウンサーの話し方を真似たりしてトークの研究をしていますが、誰かの真似のようになってしまいがちです。
でも先輩方は、自分の持ち味を活かしたトークや言葉で分かりやすく進められ、私もこうなりたいなと感じました。
山﨑
僕も田口さんと同じように感じていました。
先輩方は、エレクトーンや音楽に関する豊富な知識を持っていて、お客様に合わせてその表現の仕方を工夫し情報を伝えています。
また、奏法や機能が伝わりやすいアレンジをした様々なジャンルのレパートリーを準備されていて、お客様の年齢層や現場の環境に応じて、臨機応変に演奏曲やトークを変化させています。
加藤
私は、初めての展示会でのお仕事で先輩とご一緒しました。
幅広い層のお客様が大勢来場されており、いろいろリクエストをいただきましたが、ほぼ完璧に対応され、レパートリーの多さに驚きました。

― レベルアップに向けてどのようなことに取り組まれていますか?

山﨑
僕は、レパートリーをきちんと仕上げること以外に、「短時間に〇〇を仕上げる」というアレンジ関連の課題を作りトライし、作業スピードを上げることを目指し取り組んでいます。
田口
私は、毎日日本の人気曲をチェックしています。流行に敏感な小学生や中学生に「どんな曲を聴いているの?」と聞いたそばから曲を流し、その場で弾いたりすることもよくしています。
あとは、自分が今まで弾いてこなかったジャンルの曲、例えばクラシックをレパートリーに入れたりもしています。
加藤
クラシックを中心にやってきたのでポップスになじみが無く、デモンストレーターの研修で初めてリズムを作るということをしました。
そのためレパートリーとは別に、王道のポップス曲を仕込んでみたり、曲集や先輩のアレンジを研究したりしています。
白岡
アレンジの仕方を勉強していくうえで、YouTubeを参考に、アレンジの幅を広げる努力をしています。

エレクトーンの魅力を日本全国へ

エレクトーンの魅力を日本全国へ

  • エレクトーンに座り観客に笑顔振りまく田口奈穂美さんの写真
  • 笑顔でエレクトーンを演奏する白岡紗苗さんの写真

― ライブ配信も経験されていますが、ライブ配信で意識することはどんなことでしょう?

田口
配信の場合、視聴者の反応、温度感やテンションがわからないので、こちらからどんどん発信するぞ!!という気持ちで、普段よりも口角をあげて笑顔をお届けしたり、表情を柔らかくすることを意識します。
そして、普段のデモ演などの時よりも、よりエレクトーンの楽しさが伝わって欲しい!と思って演奏したりお話しています。
白岡
ご覧いただいている方々の反応は見えませんが、皆さんがそれぞれの空間で楽しんで頂けるよう、まずは自分自身が楽しむことを心がけています。
加藤
実際にお客様の前でのデモ演奏も経験した今、改めてお客様の反応が大事だと実感し、ライブ配信でもお客様がどのように感じているか、どのように受け取るかということを、常に考えながら演奏するようにしています。
また配信では、お客様がいない分目線が下を向きがちなので、しっかり顔を上げるよう意識しています。
山﨑
カメラ目線を意識します。
リアルではお客様の目をまじまじと見ることはほとんどないのですが、画面越しで目が合うなどの一体感が出せるのは、映像配信ならではではないでしょうか。
アングルが多岐に渡り、指先や足元がよく見えたりするので、より奏法には注意します。
見えやすくすることや、表情やしぐさで「弾くぞ!」という表現を大きめにすることも、心がけています。また、他のライブ配信に届いた視聴者からのコメントは、視聴者が聴きたいことや見たいことの参考になります。
お客様がその場にいらっしゃらないのでより空気感が伝わるように、普段よりももっと楽しい様子をお届けする!という気持でいます!!
  • エレクトーンを演奏する加藤夢望さんの写真
  • 歌いながらエレクトーンを演奏する山﨑雅也さんの写真

― ライブ配信での課題はありますか?

山﨑
ライブ配信だからできる事をポジティブに考えることが大事だと思います。
見せ方であったり、リアルのコンサートではまず無い、お客様との対話など、リアルではできない面白さがまだまだ見つかると思います。
田口
ライブ配信では、視聴者がコメントで気持ちを伝えることができるので、そこを活かせていけたら良いと思います。
リアルのデモンストレーション演奏で、「この曲のこの音はどうなっているんですか?」といった質問をいただくこともあるのですが、時間の関係であまりお答えできないことが多いです。
ライブ配信では、いただいたコメントをもとに、視聴者の皆さんとの対話をもっと深めていけるのではないでし ょうか。

― 4人で演奏動画を作られているんですよね?

山﨑
おかげさまで再生回数も伸びています。
今、SNS上で動画の配信をすることへの需要が高まっていますので、そんな中で今回の動画制作ができたのは良かったと思います。
田口
私たちは、活動エリアが違うため、通常一緒に活動することはないのですが、今回オンライン上でミーティングをしなら一緒に活動できたことはとても良かったです。
実は、4人で会ったのは今日が初めてなんです。
山﨑
これからも、デモンストレーターが一堂に会するような大きな取り組みなどができれば、おもしろいと思います。
  • 演奏が終わり、笑顔でMCをしている田口さんと山崎さんの写真
  • 向き合ってセッションしている加藤さんと白岡さんの写真
            

今後の目標をお願いします

今後の目標をお願いします

観客に手を振り挨拶をする田口さん、山崎さん、加藤さん、白岡さんの写真
加藤
まずは、「加藤夢望」がヤマハのエレクトーンデモンストレーターだということを分かってもらえるように、色々な方に自分を知ってもらうことが一つです。
そしてアレンジを頑張ります。
今は原曲そのものをエレクトーンで再現するというアレンジはできても、オリジナリティがあるアレンジはできていません。
自分の持ち味でもあるクラシックを、どう聴きやすく聴いてもらえるかを考えながら今流行ってる曲をクラシックアレンジにしてみるなどして、自分のキャラクターを作っていき、いろんな方に知ってもらえるように頑張りたいと思っています。
白岡
トーク力や対応力、演奏力を伸ばすこともそうですし、いろんな方のアレンジを取り入れて、自分らしいアレンジができるようになりたいと思っています。
原曲のイメージを残しつつ、エレクトーンならではの機能を活かしたアレンジをすることが目標です。
田口
できるようになりたい事はたくさんあるのですが、これを弾いてほしいと言われたときに演奏できる対応力や、自分の言葉でお客様にいろんなことを伝えられるトーク力、あとは自分の個性で伝えられる強みを作りたいです。
今は先輩を見習っているところが多いのですが、ゆくゆくは自分の個性が支持されるデモンストレーターになりたいと思っています。
山﨑
僕も、同じく個性を確立したいです。
例えば、「山﨑くんと言えば、こんなアレンジだよね」と言ってもらえるように。
アレンジであれ、ジャンルであれ、トークであれ、キャラクターであれ、いろいろな「山﨑といえば」というものを確立したいです。
そして「山﨑くんのアレンジのギターの音色すごく好き」のように、特徴をあげていただけるようなデモンストレーターになれるように、一刻も早く成長していきたいと思っています。
また、オリジナルアレンジを突き詰めもっと増やしていくことで、この曲がエレクトーンを使うとこんなに面白くアレンジできるんだということを伝えていきたいと思っています。