HPH-MT8インタビュー / DJ サウンドクリエイター / okadada氏

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Japan/Tokyo, Sep 2017

スピーカーに近い音の広がりがあって使いやすい。
遮音性があるから音楽制作をしたいDJにもお勧め。

HPH-MT8はスピーカーに近い感じで鳴る気がします。

DJでもあり、サウンドクリエイターでもあるokadadaさんですが、ヘッドホンはどんなものをお使いですか。

DJ用と制作用は別のヘッドホンで、制作用は定番のモニターヘッドホンです。これはHPH-MT8を手に入れるまで8年間くらい使っていました。DJ用はたいてい2年ぐらいで壊れてしまうので、メーカーやモデルにこだわらずにその都度いろいろ替えてきました。

音楽制作用とDJ用ではヘッドホンに求められるものは違いますか。

DJ用はしょっちゅう持ち運びますから、まず耐久性ですね。あと、クラブで使うので遮音性が大事です。音の傾向としてはシャリシャリした高音重視のものの方がビートを取りやすいので良いと思います。制作用は音がフラットな方が良いので、基本的にDJ用のヘッドホンは音楽制作では使えないと思います。

音楽制作について伺いますが、スピーカーとヘッドホンの使用する比率はどれくらいですか。

いつも昼間から夜7時くらいまではスピーカーで作業をしています。でも、それ以降はほぼヘッドホンで作業していますから、半々くらいですかね。

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時間帯以外に、スピーカーとヘッドホンでの使い分けはありますか。

ビートメーク作業の最初のプロセス、つまりビートを作ったり弾いたりするときはスピーカーの方が良いんですけど、細かい作業になってきたらヘッドホンの方が良いですね。もっと本格的なスタジオだったら、スピーカーでも細かい作業ができるんでしょうけど、こういうプライベートスタジオだとやっぱり細かい作業をする時はヘッドホンが必要です。

精密に聴くときはヘッドンが良いということですか。

そうですね。とはいえ基本はスピーカーの音を大事にしています。今まで使ってきた定番モニターヘッドホンよりHPH-MT8の方が、スピーカーに近い感じで鳴る気がしますね。HPH-MT8の鳴り方が空間的なんじゃないかな。

音楽の全体が見えるし、装着感も快適。HPH-MT8で作業するのは気持ち良いです。

HPH-MT8を使ってみて感想はいかがですか。

しばらくは今まで使ってきた定番モニターヘッドホンと聴き比べながら使ってみましたが、HPH-MT8はすごく良かったですね。帯域のフラットさで言えば、定番モニターヘッドホンと近いところがあって、違和感なく使えました。ただ定番モニターヘッドホンは「あら捜し用」みたいな感じがする音で、「ここが良くない」って点を、積極的に探す感じがあったんですよ。それがしんどくなることもあって。それにくらべるとHPH-MT8で作業するのは気分が良いですね。

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「HPH-MT8の方が気分が良い」というのはどういうことですか。

音がスピーカーっぽいんです。だから空間感、音の広がりはこっちの方があると思います。

「空間感」とはどんなことでしょうか。

定番モニターヘッドホンは音が耳に「近い」感じがして、細かい所を切り貼りしたりEQするのに向いているんですが、HPH-MT8には空間感があり、音が近すぎないので、細かいところも、ちょっと引いたところも見えやすい。トラックメイキングの時には空間が見えると、すごくやりやすいんです。

スピーカーのように全体が見えるということでしょうか。

はい。それと低域に関してはHPH-MT8の方が断然見えるので、その点は本当にいいです。今までの定番モニターヘッドホンは、とにかく低域が全然見えないので、ビートの感じが分かりませんでした。ですからスピーカーで聴くか、そうでなければ別のヘッドホンでもう1回聴くってことを必ずしていたんですが、HPH-MT8は低域が聴きやすいのでヘッドホンだけでまったく問題ありません。シンセやピアノの下の帯域を切るときもやりやすいです。

音以外の面はいかがですか。

着け心地の良さはすぐに感じましたね。家で長時間使う制作用のヘッドホンって、着け心地がマジで大事なんです。今までの定番モニターヘッドホンは耳の上に乗るから軟骨がすぐ痛くなったんです。耳が痛くなると集中できませんから、痛いからもうやめようということもありました。HPH-MT8はパッドの感触がいいし、大きさもいい。快適です。

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HPH-MT8の重さはどうですか。

もっと重いかと思っていましたが「見た目に反して軽い」という感じ。見た目の大きさからしたら、軽いと思います。やっぱり軽いと疲れにくいし、家で長時間使うヘッドホンは疲れないことが一番かもしれません。基本、楽なほど作業にはいいので。

遮音性がいいからDJ用でも使える。音楽制作をやりたいDJにもお勧め。

音楽制作では今後HPH-MT8がメインになりそうですか。

そうですね。まだ使い始めて間もないですが、そんな気がします。それとHPH-MT8って、DJ用としてもけっこう使えるんですよね。

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HPH-MT8はDJでもお使いいただいているのですか。

実は最近HPH-MT8を現場に持って行ってみたんですが、密閉度がとても高いので、想像以上にDJでもちゃんと使えました。

音質的にはDJ用としてどうですか。

ハイ上がりの方がビートは聴き取りやすいですが、これだけ遮音性があればフラットな音質でも充分使えましたね。二十歳前後の頃って僕もそうだったけど、お金がないからDJ用のヘッドホンと制作用のヘッドホンの両方って、なかなか買えないじゃないですか。もし兼用するならHPH-MT8が良いと思う。これなら制作とDJの両方で使えます。

DJ用ヘッドホンとしては遮音が一番ですか。

DJってその時フロアで流れている曲とは別の曲を聴く必要があるから、うるさい中でヘッドホンの音がちゃんと聞こえなくちゃいけない。それには遮音性が高いか、うるさくてもビートが取れる「ドンシャリ」で鳴るかのどちらかだと思うんですが、やっぱり遮音されている方が良いんですよ。それなら遮音性が高くて、制作に使える音質のHPH-MT8なら両方を兼ねることができると思います。まだ使い始めたばかりなので耐久性についてはこれからですが、作りも堅牢な感じなので多分いけると思います。

では制作にもDJにもHPH-MT8がお勧めできるということですか。

そうですね。若い子で、今はDJしかやっていないけど、いつか音楽制作をやりたいならHPH-MT8を買った方が良いんじゃないかな。お薦めしたいと思います。

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Profile
1986年、滋賀生まれ。大阪で主に活動するDJ/トラックメーカー。関西を拠点に多数の国内の有名イベントにDJとして出演。
ネットレーベル「Maline Records」から曲をリリース。楽曲制作、リミックスワークにおいても国内外で高い評価を得ている。主な仕事にコンピ「Chill SQ」への楽曲提供、レーベル「NODE」への楽曲提供、FPMのmegamix、私立恵比寿中学、夢眠ねむ、韻踏合組合のremixなど。

データ

製品情報 HPH-MT8, HPH-MT7, HPH-MT5