HPH-MT8インタビュー / ミュージシャン 菅原卓郎氏(9mm Parabellum Bullet)/武田将幸氏(HERE)/中村一太氏(ex.the cabs/plenty)

Japan/Tokyo Jun.2022

「NS-10M」にも通じる原音に忠実でフラットなサウンド
「HPH-MT8」は長時間装着していても、とにかく疲れない!

多様な音楽性を融合した独自のサウンドと爆発的ライブパフォーマンスでも知られるロックバンド「9mm Parabellum Bullet」のギター/ボーカル・菅原卓郎氏、自身のバンド「HERE」での活動と共に、「9mm Parabellum Bullet」のライブサポートメンバーも務めるギタリスト・武田将幸氏、そして現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動する元「Plenty」のドラマー・中村一太氏のお三方に、スタジオモニターヘッドホン「HPH-MT8」について、その魅力を語り合っていただきました。

皆さんが、スタジオモニターヘッドホン「HPH-MT8」を使い始めるきっかけとはなんだったのでしょうか?

菅原氏:それまで制作やレコーディングに使用していたヘッドホンになんとなく物足りなさを感じており、自分に合うヘッドホンを探していました。「HPH-MT8」は普段ギターアンプ担当のヤマハの方から紹介していただきました。
最初に、自宅で聴いた際に「まさに自分の求めていたサウンドが鳴るぞ!」と驚かされましたね。

菅原卓郎氏

武田氏:僕もこれまでヘッドホンを色々と試してきたのですが、以前出演した富山のライブハウスの店長さんに「HPH-MT8」を勧められて試聴したのがきっかけですね。自分で試聴してみた際にも「HPH-MT8」は非常に好印象だったのですが、さらにネットや仲間内での口コミなどもしっかりリサーチした後に、満を持して購入に至りました。

武田将幸氏

中村氏:実は、僕はまだ「HPH-MT8」を未体験なのですが、周りからの評判を聞きとても気になっていたので、このインタビューに参加させてもらいました。今回は、二人から「HPH-MT8」の魅力をたっぷり教えてもらいながら、MT8を実際に試してみようと思っています(笑)。モニタースピーカーも、ヤマハのHS7を使っているので、そのサウンドに期待しています!

中村一太氏

実際にスタジオモニターヘッドホン「HPH-MT8」を使用しての感想を教えてください。

菅原氏:昔からのスタジオの定番モニタースピーカーといえば、ヤマハの「NS-10M」ですよね。「HPH-MT8」はまるで慣れ親しんだその「NS-10M」がヘッドホンになったような印象を受けました。もちろんそのまま「NS-10M」というわけではありませんが、原音に忠実でフラットなサウンドにそれを強く感じました。自分が聴きたいところをしっかり再生してくれて、迷いなくサウンドのミックスなどを行えるのがいいですね。
それから、最初に「HPH-MT8」を使ってDAWに内蔵されたドラムなどの音源を聴いたとき、「あれ?こんなに音が良かったっけ?!」と、とても驚きました。これまで本気で聴いていなかったのだなと、「HPH-MT8」によって思い知らされました(笑)。

武田氏:「HPH-MT8」の第一印象は、「サラっとしていていいなぁ!」といった印象。良い意味でまったく脚色されていないサウンドがとても気に入りました。僕は、ヘッドホンをして作曲や制作作業をしている時間が本当に長いので、「HPH-MT8」は長時間装着していてもとにかく疲れないのも大きなメリットです。先程、卓郎君がいっていた「HPH-MT8」のサウンドは「NS-10M」に通じるものがあるというのも、とても納得がいって聴いていてナルホドと思っていました。

ルーズさをシャープに表現できる「HPH-MT8」のサウンドはロックとの相性も抜群

「HPH-MT8」と ご自身の楽曲やバンドサウンドとの相性についてはいかがでしょうか?

菅原氏:「9mm Parabellum Bullet」をはじめ、自分がやっている音楽はシャープさが命なので、そこがヘッドホンで聞き取れないと判断が難しい。武田君がいっていた「サラっとしている」というのも、サウンドのシャープさのことだと思います。キレのある音だけでなく、温かみのあるサウンドを作る時にも必要です。
たとえばルーズなサウンドを狙って作るのと、追い込めなくてルーズになってしまうのには大きな差があります。「HPH-MT8」はその差を明確に表現できるヘッドホンだと思います。自身のサウンドとの相性は抜群ですね。しっかりシャープに聴こえるから、シーンを問わずにあらゆる場面で活用が可能です。

武田氏:「HPH-MT8」なら、スタジオでのモニタースピーカーと比較しても遜色なく、自分のギター演奏の細かなニュアンスまで厳しくジャッジができますね。自分が、去年からレコーディングに使用しているスタジオでは、「HPH-MT8」が常設されておりバンドのレコーディングからミックス、マスタリングまで、万能にこなせるヘッドホンとして活躍してくれています。スタジオのスタンダードなヘッドホンとして、もっと「HPH-MT8」が普及してくれれば、個人的にはさらに嬉しいです!

皆さんがヘッドホンやモニタースピーカーをチェックする際に、よく使用するリファレンス的な音源がありましたら、教えてください。

菅原氏:スピーカーなどの選定の際によく聴くのは、「Beck」のアルバム“Morning Phase”、それから、「9mm Parabellum Bullet」のサウンドにも通じるところのある「Metallica」、「System Of A Down」「Foo Fighters」等の音源もよく使用しますね。邦楽では、「ASIAN KUNG-FU GENERATION」もお気に入りで、Gotchさんの作り出すチャレンジングなサウンドが絶妙でとても参考になります。

武田氏:僕は、「9mm Parabellum Bullet」の4枚目のアルバム“Movement”は、本当にリリース当初から、ずっと聴き続けています。忖度なしで曲もプレイも、サウンドもミックスも大好きで、自分の原点がここにあるといっても過言でないくらいです!サウンドチェックの際には、色々な楽曲も聴きますが、やはり最終的には大好きなこのアルバムに尽きますし、毎回聴くたびに新しい発見があり勉強させてもらっています。皆さんも、まずは自分の大好きな楽曲でサウンドチェックしてみてください。

中村氏:そうですね、自分が聴き慣れた楽曲でサウンドチェックしてみるのが1番ですよね!個人的には、「Adele」のアルバム“25”、「David Bowie」の楽曲全般、「くるり」のアルバム“アンテナ”もよく聴きます。今回の「HPH-MT8」についても、自分のお気に入り音源でじっくりチェックしてみようと思っています(笑)。

昨今のコロナ禍もあり、ご自身の音楽制作のスタイルなどにも影響がありましたか?

菅原氏:今、ちょうど「9mm Parabellum Bullet」のレコーディングが終わって、これからマスタリングというタイミングなのですが、メンバーとの作業は、はっきり分けておこないました。プリプロの段階では、メンバー間でデータを送り合って制作を進めたのですが、「HPH-MT8」でモニタリングしているとよりいっそうプリプロにも自然と気合いが入いりますし、あわよくばそのまま本番用のトラックにも使えそうなくらい良いテイクが録れていましたね(笑)。エンジニアやメンバーの滝君とも、「HPH-MT8」がレコーディング時の良いリファレンスとして活用していました。
より良い楽曲を届けたいという想いはどんな状況でも変わりませんが、リスナーがどんなデバイスや再生環境で音楽を楽しむのかは変化していきますよね。ただどんな環境で聴いても楽曲の魅力が変わることがないような、曲作り、サウンド作りを突き詰めるためのツールとしてヘッドホンはとても重要です。作曲からマスタリングまで、どの段階でも頼りにしています。

武田氏:コロナ禍の影響というわけではないのですが、最近はレコーディングやミックスなども自分自身で担当する機会が増えてきており、ヘッドホンについては、本当に何百時間使用しているのか分からないほどお世話になっています。おかげで、ヘッドホンのイヤーパッドもほんの数年でボロボロなってしまっています(笑)。

中村氏:ドイツでも、コロナ禍による影響で、一時期ライブパフォーマンスの現場などは激減していましが、現在では大分平静を取り戻してきたように感じます。とはいえ、やはりスタジオワークが増えましたし、個人的にはインターネットを通じて世界中の方々からドラム演奏の依頼を受け、ベルリンの個人スタジオで録音を行い、その音源を送り返す「Online Recording Drums」といった試みも数多く行うようになりました。ドラムの練習やレコーディングにはヘッドホンが欠かせませんので、今回「HPH-MT8」に期待するところも必然的に大きいです。
演奏・レコーディング時のヘッドホンの着け心地、ミックスなどの際に必要となるフラットで信頼できるサウンド。それらを兼ね備えた「HPH-MT8」なら、これから相棒としてベルリンでも大活躍してくれるのではないかと大変楽しみにしています!

最後にモニターヘッドホンの導入を検討しているユーザーの方々へのメッセージやアドバイスをお願いします。

菅原氏:「HPH-MT8」のサウンドのシャープさは、自分の音源や楽曲のみならず、参考にしたい楽曲やさまざまな楽器などを一段深いレベルで理解するのに必ず役立ってくれると思います。自分や他人のサウンドをより深く理解することで、自分のプレイや楽曲も高いレベルに追いつこうと思えるだろうし、サウンド全体のクオリティーを上げることができるはず。そういう意味でも、幅広いユーザーの皆さんに「HPH-MT8」のようなスタジオモニターヘッドホンの導入を、ぜひオススメしたいです。

武田氏:「HPH-MT8」は、これからスタジオモニターヘッドホンを導入したいという方々への入門用ヘッドホンとしても間違いないです! どんな制作シーンでも最適なサウンドでモニタリングが可能、しかもプロフェッショナル向けでありながらコスト的にもそこまで高価過ぎないのも魅力。もちろん中上級者にとっても非常に扱いやすいサウンドを持ったヘッドホンなので、結果的に非常に長く愛用できる製品だと実感しています。皆さんにも、「HPH-MT8」でぜひ楽曲制作をより楽しんでいただきたいです。


Profile

菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)

1983年生まれ、山形県出身。9mm Parabellum BulletのVocal and Guitar。
9mm Parabellum Bulletは2004年3月、横浜にて結成。2枚のミニ・アルバムをインディーズ・レーベルよりリリースしたのち、2007年に『Discommunication e.p.』にてメジャー・デビューした。2022年8月24日には、3年ぶり通算9枚目となるオリジナルアルバム「TIGHTROPE」の発売も決定。アルバムリリースに伴い、9mmの日である9月9日(金)Zepp Osaka Bayside公演を皮切りに、全6箇所にて9mm Parabellum Bullet presents「Walk a Tightrope Tour 2022」を開催。

オフィシャルHP:https://9mm.jp/

武田将幸(HERE)

HEREは、Vo.尾形回帰 Gt.武田将幸 Gt.三橋隼人によって構成されるロックバンド。
サポートミュージシャンとしてKey.ハジメタル、ダンスユニットIN-pishが不定期に参加。
最大8人編成のロックバンドとなる。過剰なまでのハイテンションなライブが話題。

http://here-web.com/

中村一太

Drummer based in Berlin from Japan / Novatron

https://linktr.ee/IttaNakamuraDrums


データ

製品情報 HPH-MT8