CS-80 生産完了品

プリセットトーン

CS-80は、あらかじめシンセサイジングされた22の楽器音を内蔵。アンサンブル向きのゆるやかな音から、ソロ演奏に向いた鋭い音までの4つのストリングス系音色をはじめ、ブラス、フルート、クラビネット、ギターなどのさまざまなサウンドが、トーンセレクターを押すだけで得られます。ライブに強いシステムです。

メモリーバンクを採用

いわば自分でシンセサイジングしたプリセットトーン。VCO、VCF、VCAそしてタッチレスポンスブロックのセッティングをそのまま記録しておき、必要に応じて取り出せるシステムです。4系統のメモリーバンクが内蔵してあります。

音源は2系列

CS-80はVCO、VCF、VCA、タッチレスポンスの各ブロックが全て2系統(I、II)。MIXレバーによって自由に組み合わせられます。MIXレバーでI側がI系列の音色。センターでI系列とII系列のミックス。IIでII系列側の音色。VCO、VCF、VCAを全て異なるセッティングにして組み合わせれば極めて複雑な音づくりができます。

VCOブロック

シンセサイザーの音源となる信号波形と、キイに応じた音程=周波数を決めるブロック。CS-80は正弦波、のこぎり波、矩形波とホワイトノイズを音源としてもっています。のこぎり波は弦楽器系の音源に用いられ、偶数次の倍音をももつきらびやかな音。矩形波は、奇数倍の倍音をもち、木管楽器系の音源として用いられるふくよかな音。正弦波は倍音を全くもたない最も基本的な音。ホワイトノイズは全ての周波数の信号をもった、音程感のない音です。

VCFブロック

VCOから送られてきたオーディオ信号の倍音をフィルターによってカット、あるいは強調することで音色を決めるブロック。同時に音色の時間的変化をつくるブロックでもあります。CS-80のフィルターはHPF(ハイパスフィルター)、LPF(ローパスフィルター)の2種類。IL、AL、A.D.Rのレバーでつくられたエンヴェロープに従い時間的に、音色を変化させられます。A.D.Rはそれぞれアタックタイム(音の立ち上がり~キイを押してからカットオフ周波数が最高になるまでの時間)、ディケイタイム(減衰~最高レベルから定常状態になるまでの時間)、リリースタイム(消滅するまでのフィルターの時間変化)をコントロールします。サスティンレベル(定常状態のカットオフ周波数)をコントロールするのがIL(イニシャルレベル~変化しはじる前のカットオフ周波数)とAL(アタックレベル~最高時のカットオフ周波数)のレバーです。

VCAブロック

VCFを通過して、音色とその変化を決められた信号に、音量の時間的変化(エンヴェロープ)をつけるブロック。A.D.S.R.の4段階に合けて、それぞれを別個にコントロールします。Aはアタックタイム、Dはディケイタイム、Sはサスティンレベル、Rとはリリースタイムです。

タッチレスポンス

キイを押す速さ(INITIAL)、押さえた後の強さ(AFTER)で音色と音量が変わるタッチレスポンス。キイを押す速さでブリリアンス効果が得られるINITIAL-BRILLIANCE、ピアノタッチで音量が変わるINITIAL LEVEL、強さでブリリアンス効果が得られるAFTER BRILLIANCE、音量が変化する、AFTER LEVEL。さらにサブオシレーターを駆動させれば、弾いてしばらくしてから始まる、ディレイビブラート効果なども簡単に得られます。

豊富なエフェクト群

・サブオシレーター

VCO、VCF、VCAのオーディオ信号を低周波で変調。ビブラート、ワウワウ、トレモロ効果が得られます。変調信号は正弦波、正・逆のこぎり波、矩形波、ノイズ、外部入力の6種類。変調のスピードも自由にセッティングできます。

・リングモジュレーター

オーディオ信号にリングモジュレーターの変調信号を作用させると、その和と差の周波数をもつ信号が生まれ、音程感の全くない鐘のようなサウンドもつくれます。さらに変調の深さを時間的に変化させられることも、大きな特長。

・サスティン

ひとつの音の減衰中に、次の音が同時に鳴る通常のサスティンI、次の打鍵によって前の音のサスティンが消滅するサスティンIIを装備しています。演奏イメージにより使い分けられます。

・ポルタメント&グリッサンド

どちらも最初に押した鍵盤の音程から、次に押した音程へと音程が移行する効果。滑らかに音程がグライドするのがポルタメント。クロマチック音階で移行するのがグリッサンドです。

・ブリリアンス

VCFを通過し、カットされた後の倍音構成をもとに、倍音の量を変化させるレバーです。センターでノーマル、手前に引くほど倍音のレベルが増大し、きらびやかな音色が得られます。

・レゾナンス

カットオフ周波数付近の倍音だけを強調。音色に独特のクセが生まれます。手前に引けば引くほど、強いレゾナンス効果が得られます。

・トレモロ&コーラス

フェイズシフトをふくむオーケストラ効果により、ストリングス系のサウンドなどにリアリティと奥行きを与えます。コーラスがゆったりとした変化、トレモロがスピーディな変化です。

・フットコントロール

CS-80はライブ演奏を重視。サスティン、ポルタメント、グリッサンドのON・OFFとボリュームおよび、ワウワウがフットコントロール可能。

・アウトプット

アウトプットはL、L+R、Rの3つ。LがチャンネルI、RがチャンネルIIに相当、音源2系列を左右に振り分けて使うことができます。

・EXTインプット

モジュレーション(変調)用の制御信号として、外部からの信号を利用するための入力端子です。