SY99 生産完了品

自由度を高めたRCMシンセサイズ

レコーディングにおいてもライブにおいても、オールラウンドな音をオールマイティに提供する。RCM音源、この独壇場のシンセサイズ・ポリシーを、SY99では超弩級に拡張・強化しました。プロのいかなる音楽制作をも力強くバックアップする音、その音を確実に得るための新たなプログラミング性能をパーフェクトに装嗔しています。

①MIDIデータ転送対応のウェーブRAM実装

RCM音源の新しい可能性を示す性能群の筆頭、それがMIDIサンプル・ダンプ・スタンダードに準拠したウェーブRAMの標準装備です。これによってサンプラーやコンピュータなどの外部機器からサンプル・データを本体に読み込み、<AWM2エレメント>の音源波形に利用可能。しかもロードしたサンプル・データのピッチ、ループ・モード、レベル調整もOK。単に音源波形を外部から追加するだけでなく、音色作成の素材として最良の状態で活かせるわけです。マルチ・サンプルによるピアノやブラスなどのメロディ楽器音やドラム・ボイスも、鍵盤上に自由にマッピング可。貴重なオリジナル・データ資産を最大限に駆使できます。同ウェーブRAMにはSY77/TG77・SY55/TG55用の豊富な別売ウェーブ・カードやサンプラーTX16Wのサンプル・データも読み込め、複数のウェーブ・カードのサンプル・データを同時に使用することも。さらに別売エクスパンジョン・メモリー・ボードSYEMB05を使ってウェーブRAMの増設も可能で、長大・膨大なサンプル・データをプールできます。なおウェーブRAM/メモリー・ボードともにバッテリー・バックアップ付のため、再起動時のデータ・ロードも不要。こうしたフレンドリーな設計思想も、プロ専用のツールに執着したポイントです。

※SY77/TG77・SY55/TG55用の別売ウェーブ・カードから内蔵RAMにロードしたウェーブ・データは、著作権上、ディスクへのセーブ、MIDIサンプル・ダンプによる外部機器への送出はできません。

②エフェクターが質量ともにスタジオ級に

トップ・クラスのスタジオで愛用されているステレオ・マルチ・エフェクターと同等のエフェクターを2基搭載。内部演算処理/内部RAM語長ともに28bitプロセッシングを実行し、現場使用にも万全な超品位の音質と表現力です。各エフェクターには何と63種ものプログラムを満載。リバーブ、ディレイ、E/R系など基本プログラムの充実をはじめ、ピッチ・チェンジ、オーラル・エキサイター、ロータリー・スピーカー、ダイナミック・フィルター(ワウ)、リング・モジュレーターなど注目のプログラムも一挙に網羅。エフェクターごとにプログラムを選び、自由にシリアル/パラレル接続できます。"EQ→リバーブ"など2プログラムをシリーズ接続したカスケード・タイプ、"エコー&リバーブ"など2プログラムをパラレル接続したデュアル・タイプも用意し、これによって最大同時4系統のエフェクト処理も可能に。各プログラムには最大10種のパラメーターがあり、緻密なエディットもカバー。さらにダイナミックなリアルタイム・コントロールも実現。ベロシティやアフター・タッチ、モジュレーション・ホイール、データ・エントリー・スライダー、フット・コントロールなど各種コントロール情報によって、またはキーボード・スケーリング・エフェクト専用LFO(6波形)を使い、プログラムごとに任意のパラメーターを可変。鍵盤を強く叩いてリバーブ・タイムを長くする、ホイールでロータリー・スピーカーのスピードを調整する、LFOでオート・ワウ効果を得る、ディレイ・タイムを高音域で短く低音域で長くするなど、複雑な表現が(同設定はボイス・データとして記憶)。発想次第で、多彩に音色をコントロールできます。なおエフェクトをボイスに使う際はエレメント独立に、マルチに使う際は各ボイスまたは各ボイスのエレメント独立にセンド・レベルを調整可能。[EF BYPASS]キーも装備。[SHIFT]キーを押しながら[EF BYPASS]キーを押すと、アウトプット1にダイレクト音のみを、アウトプット2にエフェクトのかかった音を出力。スタジオでのサウンド・チェックなどに活躍するでしょう。

※「オーラル・エキサイター」はAPHEX社の登録商標です。

③AWM2ウェーブROMのメモリーを倍増

AWM2音源部のウェーブROMが8Mバイトの大容量に。最新の波形を含め、DAT水準のウェーブフォームを総計267種類収録し、音づくりの幅が一段と拡張。なかでもシミュレーション系やドラム/パーカッション系(プロセス/アナログ系も網羅)の強化は目を見張る内容です。

④実用重視、計192種のプリセット・ボイス

エフェクトのリアルタイム・コントロールを含め、精密なマニピュレートを施した128種のプリセット・ボイスを内蔵(ROM)。これとは別にインターナル・ボイス(RAM)に64種のボイスも用意し(同データは付属ディスクにも保存)、汎用性の高い最新サウンドが勢揃い。計192種もの音色を直ちに現場でお試しいただけます。

シーケンサーを強化し、現場でも余裕の創作環境

音源部の進化とともに、シーケンサー部もさらに向上。隅々にまでプロ性能を満たし、ワークステーションとしての真骨頂を披瀝します。本体には約27,000音(ベロシティ・データ付)/最大10ソングを記憶。大規模な楽曲制作を心ゆくまで堪能できます。ソングとソングの連結、ソング・コピーなどの編集も自在で、イントロやテーマなど各パートを個別に打ち込み最終的に1曲にまとめ上げるといったケースでも合理的に作業に取り組めます。チェイン・プレイ(曲数制限無)も可能に。次の曲へ移る際、そのまま演奏を続けるか、一旦自動的にポーズするかを指定できるため、とりわけライブ演奏に便利でしょう。またソングごとに演奏用のマルチ/ボイスを記憶し、チェイン・プレイ時でも次々と自動的に呼び出す<プログラム・セレクト機能>も実用的です。さらに外部コンピュータで作成したSTANDARD MIDI FILES形式によるシーケンス・データを直接本体にロードして、編集/再生可能。シーケンサー自体の高い創造力のみならず、他機器とのコミュニケートの配慮も魅力です。作成したソング/パターン/ボイス/マルチの各データは一括または独立にディスクへ保存可。一括セーブの場合、ソング・データだけをロードすることも可能です。

マスター・キーボード機能も新装備

76鍵キーボードを採用。スプリット演奏においても超品質サウンドを広帯域で意のままに描けるのをはじめ、シーケンサーのデータ入力処理も余裕でサポートします。またキー・タッチの新方式<ゾーンド・アフター・タッチ>を搭載。キー・オン中の最高音または最低音のみに、また任意のスプリット・ポイントよりも高域または低域のみにアフター・タッチ効果をかけられるため、より高度なタッチ表現が可能に。この設定はボイス・データとして記憶できます。さらに最大同時4パート(4台)の外部音源をシステマティックに演奏できるマスター・キーボード機能を内蔵。MIDIチャンネル、プログラム・チェンジ(バンク・セレクト対応)、ベロシティ・カーブ、アフター・タッチ・カーブ、ベロシティ・リミット、ノート・リミット、エクスクルーシブ・データなど、各音源への送信情報も一括して8種を記憶。マスター・キーボードとしても充実し、センターベースの威力を発揮します。

柔軟な機動性を秘めたデータ管理

一連の作業をスムーズに実現するために、データ管理機能も高水準。まずMIDIデータ・レコーダー(MDR)機能装備。外部MIDI機器の音色/ウェーブ/シーケンス・データなどをシステム・エクスクルーシブ・データとして受信してディスクに保存。広範なデータ管理を容易かつ低コストにこなします。MDRデータは本体にも最大99ファイルを記憶。またカード・スロット(DATA側)にセットしたメモリー・カードMCD64/MCD32のデータを、データ内容を問わずにディスクへ保存可能。ディスク・ドライブを持たない機器のデータ管理対策も万全です。

スペシャル・ディスク付属

チック・コリアがSY99のために書き下ろし演奏したソング・データ、プリセット・ボイスと同品質の珠玉の64ボイスを収録したスペシャル・デモディスクを付属。

SY77定評の性能は全面的に継承

SY77/TG77絶賛の音づくりを継承。AWM2とAFMとの加算/乗算合成、カット・オフのリアルタイム・コントロールも可能なデジタル・フィルターなど、幅広いプログラム能力です。もちろん強力なコンポーズ&アレンジングも継承。最大同時16パートのアンサンブル曲づくり、各トラック(パート)の多彩な音色設定、リアルタイム/ステップ/パンチ・イン・レコーディング完備、イベント・エディットなど高度な編集、曲づくりと音づくりの同時進行など、自由で緻密な作品制作をどうぞ。圧倒的な情報量を誇る大型液晶画面、データ入力用キー&ダイヤルのフル装備など、ヤマハならではの扱いやすい操作性も健在。プロの音楽制作に必要な性能を純粋に、妥協なく凝集した、これがワークステーションの理想形です。