LJ36ARE 生産完了品

A.R.E. [Acoustic Resonance Enhancement]

A.R.E. [Acoustic Resonance Enhancement]とは、ヤマハが独自に研究・開発した木材改質技術のことです。ギターのボディ材にこの技術を施すことで、長年弾き込まれたような豊かな鳴りを実現します。

A.R.E.技術は高度に制御された水と熱のみを利用し、木材のミクロな物性をより音響的に理想的な状態[=長年使い込まれた楽器の木材の分子構造と同様の状態]へコントロールするものです。

その過程において薬剤等を一切使わない環境に優しい技術です。音響的に理想的な状態には、以下のような変化により到達します。

・低域の伸びが増大することにより、豊かな鳴りと太い音色が実現。

・高域においては、立ち上がりが大きくなるとともに減衰率が高くなることで、よりシャープなエッジ感が実現。同時に耳障りな成分が抑えられる。

掲載のグラフは、現行品LシリーズとA.R.E.搭載のNew Lシリーズを一定の条件下において発音させた、音響スペクトルの実測グラフィックデータです。A.R.E.搭載のギターにおいて、低域のサステインが増大し、高域のアタック感が良くなっていることが見てとれます。またアタックの後、耳障りな高域成分がより短時間で減衰していることも明らかです。A.R.E.で狙った音響特性変化が数値的にも裏付けられていると考えられます。

実際の演奏においても、多くのミュージシャンから高い評価を得ています。その評価は総じて、長年弾き込まれたギターの良さに共通するものです。つまり、「落ち着いた」-「熟成された」-「暖かい」-「(箱)鳴りの良い」-「(音の)粒立ちが良い」といった評価を多く戴いています。

◆特許登録済み

日本 特許番号3562517

アメリカ US 6,667,429 B2

その他

◆特許申請中 ヨーロッパ(20ケ国)

表板にイングルマンスプルース単板を、側・裏板にインドローズ単板を使用

表板には北米産のイングルマンスプルース(松の一種)単板を採用しています。柔らかい木材であるイングルマンスプルースは低音から高音までの広い音域で豊かで伸びのある音が出せること、そして弾き手の演奏に俊敏に応える良好なレスポンスに特長があります。

スクエア・フレーム構造

表板と裏板のブレイスをつなぐサイドブレイスを追加することで、弦振動をより確実に裏板に伝えます。これによって、優れたレスポンスと力強い響きを生み出し、低音の鳴りを体感することができます。

積層強化ネック

マリンバの音板にも使われる硬材パドックとマホガニーによる5層構造ネックを採用。

これにより、ネック、ヘッド、ボディが一体となった力強く豊かな鳴りが得られ、また、強度と安定性に優れソリやねじれにも強いので、安定したネックコンディションを保ちます。さらに、トラスロッド調整位置をサウンドホール側にした設計は、上駒部での弦振動をしっかりと受け止めると同時に、ネックヘッド部の強度アップを実現しています。

指板幅はナット部で44mmに設定。さまざまなプレイスタイルに対応できます。

ノンスキャロップ・Xブレイシング

90°のXブレイシングを中心とした8つのブレイシングレイアウトが木の自然な鳴りを最大限に引き出し、太くハリのあるサウンドを生み出します。

Cブロック

ボディとネックのジョイント部にCブロックを配置。ネックのジョイントを強化すると共にギター表板の振動を、ネックを含んだボディ全体に伝え、サウンドにより深みを与えています。

ラッカー塗装

このモデルにはラッカー(ニトロセルロースラッカー)塗装が施されています。ラッカー塗装は薄い塗膜を重ねる手法で、材の振動を妨げないことから、立ち上がりに優れ豊かな鳴りを生み出します。熟練の技を要し手間のかかる技法ですが、音へのこだわりからラッカー塗装を採用しています。

※ラッカー塗装のギターはデリケートで、その環境には注意が必要です。取り扱いについて詳しくは、ギターに付属の取扱説明書および注意書をよくお読みください。