GCシリーズ

Yamaha CLASSICAL GUITAR

伝承と進化に培われた響き

ヤマハのクラシックギター製作は、スペインの伝統的製作技術の継承からスタートしています。

GRAND CONCERTシリーズは、伝統的なスペインの製作技術を踏襲しつつも、ヤマハ技術陣が1966年から今日まで休むことなく研究と開発を続けてきた成果のすべてが注ぎ込まれています。

深みのある響き、優れたバランス、明るく透明感のある音。その繊細で豊かな表現力は、音をコントロールする設計者と、鍛え上げられた匠たちにより生み出されたものです。

CGシリーズ(STANDARD CLASSIC)は、GRAND CONCERTシリーズで培った製作技術を活かし、「豊かな鳴り」「優れた演奏性」「明るい外観」をテーマに開発したシリーズです。

初級中級者向けモデルでありながら、正確な音程や耐久性に優れた丁寧な造りなど、楽器としての基本性能を クラスを超えたレベルで保ち、ヤマハの自社工場で製作しています。

さらに、ナイロン弦の美しいサウンドの魅力を伝えるべく、サイレントギター.やトランスアコースティック. ギターなど、先進性のあるギターもヤマハでは開発しています。

ギター製作家、演奏者などの先人達の技術とスピリットを伝承すると共に、真摯に音を追求し続けることが私たちの目指すところです。

Grand Concert 音の歴史

現代においてクラシックギターと呼ばれているものの基本形は、19世紀にスペインのギター製作 家アントニオ・デ・トーレス(ANTONIO DE TORRES:1817.1892)によって作られました。 そのスタイルや技術は、彼に影響を受けたスペインの製作家達に受け継がれ、その後、スペイン から世界へと広まっていきました。

1966年4月、ヤマハはギター研究課を新設し、手工ギターの研究開発をスタート。 同年10月から翌’67年にかけて、トーレスの流れを汲むスペインの名工エドアルド・フェレールを 当社(浜松)に迎え、スペイン伝統の製法の技術指導を受けました。 このときに学んだ職人達の手により、’67年11月にグランドコンサートシリーズギターの初期 モデルGC5, GC7, GC10が誕生しました。正統派スペイン流儀に基づいたこの3モデルは、 その後のヤマハのギターに大きな影響を与えました。この後も、このスペイン正統派の伝統的な 製法をベースに試作と研究を繰り返すことで、我々は材料や構造と音との関わり、製作工程と音 との関わりなどを、徐々につかんでいったのです。

さらに’73年にはマヌエル・エルナンデスが来日し、浜松で技術指導を行ないました。これが 新たな音作りの原点となり、我々はタイプの異なる音色を求め、研究・開発を続けました。 そして1974年、カスタムギターGC30A/30B/30Cの3タイプの個性ある音色のギターを 発表しました。 これら3タイプの音は、さらに研究・改良され、1983年に発売されたGC50/60/70、GC61、 GC62へと受け継がれています。また同じ1983年には、著名な演奏家アンドレス・セゴビアに 絶賛されたモデルGC71も発売されています。

そして2012年、グランドコンサートカスタムの最新のモデルとしてGC82S/82Cが登場。 さらにその技術を踏襲したGC42/32/22/12も発表されました。 ヤマハグランドコンサートシリーズのルーツは、ギターの母国スペインです。我々は現在も、 本場スペインの明るい音色を追求し、音にこだわり、妥協を許さず、演奏者の方々に喜んで いただけるギターの製作を続けています。

セラック塗装とは

ラックカイガラ虫の分泌する樹脂状物質を原料とした天然塗料です。薄い塗膜を重ね塗りするため、音の立ち上がりがよく、材をよく響かせます。また、木材の呼吸を妨げないので、弾き込むほどに音に甘さと伸びが生まれ、その色合いも年月とともに深くなり独特の雰囲気を醸し出します。セラック塗装仕上げは、塗膜が薄く、熱に弱いためデリケートです。メンテナンスについては、ギターに付属の取扱説明書をよくお読みの上注意して行なってください。

鳴りの良さを美しい音色を追求

美しい音色に加え、豊かな音量と立ち上がりを得るために、さまざまな改良を重ねました。

表板は、最適な厚みを研究し、大きな音量と立ち上がりの良い明るいサウンドが得られるようになりました。低音から高音までバランスよく鳴るよう、響棒配置も新たに設計しています。また、下駒やネック背面の塗装は、塗膜を従来の約半分の薄さにすることで、ギター全体に豊かな振動エネルギーを伝達し、演奏性も向上しました。さらに、下駒枕や溝の加工精度を高めたことにより、振動伝達のロスを軽減し、音の立ち上がりが向上しました。いずれも、当社ならではの研究の蓄積と、熟練の職人からの技能伝承および改良によるものです。

伝統を継承しつつシンプルで上品なデザイン

響穴や下駒は、当社伝統の象嵌の図柄を継承しつつ、明るいイメージのデザインとしました。また、『GC12/22/32/42』のヘッド形状は、シンプルで上品な新デザインとしました。

演奏者の要求に応える幅広いラインアップ

『GC12S/12C』『GC22S/22C』は、いずれも側板・裏板に単板を用いたオールソリッドモデルです。『GC22S/22C』は、ローズウッドならではの豊かで深みのある音が特長で、クラシックギターを本格的に取り組みたい方の最初の1本としてふさわしいモデルです。『GC12S/12C』では側板・裏板にマホガニーを用いて軽快な音を実現しており、幅広いジャンルを弾き、新しいサウンドキャラクターを求める方におすすめです。

『GC32S/32C』は、グレードの高い材を用い、手工ギターの丁寧な仕上げを施した、クラシックギター経験者の要求に応える音の艶と深みを持ったモデルです。

『GC42S/42C』は、側板・裏板にマダガスカルローズを採用し、表板スプルースの『GC42S』と杉の『GC42C』とでそれぞれの特性に合わせ響棒配置を見直しています。太く伸びやかで潤いのある音により、表現力の高い演奏を可能にします。

『GC82S/82C』は、“グランドコンサートカスタム”の名にふさわしい当社の技術の全てを注ぎ込んだモデルです。

『GC82S』は、スペインの製作家サントス・エルナンデスやドイツの製作家ハウザーⅠ世による音色を参考に、新しいサウンドを追求したモデルで、豊かな低音と明るい高音が特長で、抜群の遠達性を実現しています。

『GC82C』は、スペインの製作家マヌエル・ラミレスの音を参考に、オリジナルサウンドを実現し、甘く明るく柔らかい音色が特長で、豊かな音量と優れたレスポンスを実現しています。

セミハードケース

GC42S、GC42C、GC32S、GC32C、GC22S、GC22C、GC12S、GC12C付属品。

最大外径:長さ1,080×幅460×厚み196mm、重量約3kg