GCシリーズ
グランドコンサート GCシリーズへの想い
石井敏資
ヤマハ最高級手工ギターに出会って早25年。バランスの良い安定した楽器と言う最初の印象を裏切られる事なく、現在で約600回世界各地で演奏させて頂きました。GC82C、GC70Cに共通する長所は、まず安定性、信頼性と言えるでしょう。どんなコンディションでも演奏家の期待に応えてくれます。これは、購入の際の数時間また数日間演奏しただけでは中々判らない性質ですね。ヨーロッパの比較的湿度の低い国で素晴らしい音を出せる優秀な楽器でも、アジア諸国の湿度の高い国の気候に馴染めず演奏出来ない楽器も多々あります。気温の変化に敏感な楽器は、40℃以上の北アフリカから24時間以内にパリを経て、マイナス10℃のブルガリアでの演奏に耐えられないでしょう。しかし演奏家にとって、この過酷な条件下に置いても、応えてくれる楽器こそ優秀なギターと言えるのではないでしょうか?
それをヤマハ最高級手工ギターは備えています。
もう一つ、
世界でとても有名な楽器の中で、あまりにも制作家の個性が強く、どんな演奏家が弾いてもギターの持つ音色が全面に出てしまうケースが見受けられます。
これは私個人の主観的な意見ですが、本来優秀なギターの大切な条件の一つに、ギタリスト自身の音色と音楽性を変える事なく、どれだけ正確に伝えられるか...があるのでは無いかと考えています。その点、ヤマハ最高級手工ギター程演奏家を優先してくれる楽器は珍しいと言って良いと思います。
素直で透明感のある発音とバランスの良さ。すべてのポジョションで全弦全音がバランス良く鳴り、欠落した音が存在しません。これがヤマハ最高級手工ギターに共通の長所です。
私の使用しているGC70Cは現在33年以上経過していますが、私が弾くようになってから既に28年が経過しています。20年前にゴルペアドールを設置する為、少し傷付いた表面板を均等にし、ニスを塗りなおした経緯で、少し音質が変わった記憶がありますが、30年経過した今も瞬発力のある深い音色を出し続いてくれています。
年と共に、キラキラした艶のある高音がしっとりとした深みのある音色に変わり、またカテドラルのオルガンを思わせる荘厳なパワーのある低音は、テオルボを思わせる深く広がりのある音に変わって来ました。現在も初期のパワーを失う事無く、しかも深みを増し進化して行ける楽器。これもまた信頼出来る高級ヤマハギターならではだと思います。
石井敏資 プロフィール
1963年、大阪に生まれる。幼少から父の手ほどきでギターをはじめる。
1975年からギターを西垣正信氏に師事し、1985年に高松短期大学音楽科ギター専攻を卒業。
同年フランス留学を決心しニース国立音楽院でアコ伊藤、アンリ・ドリニ夫妻に師事。
ニース国立音楽院在学の2年間、多くのコンセルティスト、アリリオ・ディアス、アルベルト・ポンセ、ローラン・ディアンスなどのマスタークラスに積極的に参加。また、ヨーロッパ・ギター学院主催のヴィラ・ロボス国際コンクールのフランス代表に選ばれる。1987年パリ国立音楽院に入学しアレクサンドル・ラゴヤに師事。1992年にパリ国立音楽院を一位で卒業。続いて1994年にパリ市立エリック・サティー音楽院でコンセルティストライセンスを取得。パリ国立音楽院に在学中に、ミッシェル・サダノフスキー主催のパリ・ギター三重奏団の第2ギターと抜擢され演奏活動を開始。これを切欠に、2000年にトリオを退団するまでの約11年間で、トリオ、デュオ(ラ・リュースギター二重奏団)、ソロ、または、その他の楽器やオーケストラとのアンサンブルなど世界各地30ヶ国以上で600回以上のコンサートをこなす。
2003年にフランスギター教員国家免状を取得。2011年 フランス国家公務員のギター助教授採用コンクールに合格。続いて2013年に同上のギター教授採用コンクールに合格。
現在フランスのオワーズ県ノワイヨン市音楽学校ディレクターとして新しい分野に一歩を踏むだす。
これまでパリ・ギター三重奏団として3枚アルバムを録音。2000年と2003年にソロアルバムを出す。
2018年8月開催コンサートの様子
フルート&ギターコンサート
高松瓦町フラッグ8月12日
ギタリスト石井敏資&フルーティスト石井マリー美幸クラッシックコンサート
2018年8月19日(日)