YSL-825

新設計の2体式ロータリーバルブ

新設計ロータリーバルブケーシングは、植込み(真鍮)と軸受け(フォスファーブロンズ材)の組み合わせにより、耐久性に優れ快適な吹奏感と深みのある音色を実現。

異なる素材の最適コンビネーションによるバルブ設計となっています。

キャップ(洋白材・クリアラッカー)

これまでのXeno(真鍮材)とは異なる洋白材を採用。素材のコンビネーションで最適な反応をもたらすパーツを選別しました。

3点留めの新形状支柱

新しい形状はB♭管とF管の音の伝達性を向上しより開放感のある吹奏感を生み出します。

3点留めで安定感・剛性がありながら、 B♭管本来の自然な響きを損なうことなくF管をフリーにしない絶妙な設計になっています。

主管抜差(リバース式/ゴールドブラス材)

管の仕様はORと同じながら、素材にはコンビネーションの最適なゴールドブラスをマッチングし、シンフォニックな音色を追求しました。

F管抜差(嵌合部長さ調整/ゴールドブラス材)

中管と外管の嵌合部を少なめにすることによりスムーズな吹奏感が得られます。

またF管使用時もB♭管使用時と息の流れが同方向となる設計になっており、管の切り替えでも親和性の高い自然な吹奏感を感じられます。

新設計レバーアクション/着脱可能な樹脂製カバー

新規設計のダブルボールベアリングとダブルトーションバネを採用しています。奏者の力を効率よく的確に伝え、柔軟で繊細な操作性を可能にします。

また、ネジ留め式の樹脂製カバーは外れにくいメリットと共に、接着でないため効率よく取り外しできます。響きにも影響するパーツだけに、他にはない細やかな配慮を施しています。

スライド外管(ゴールドブラス材)

最適なスライド素材のコンビネーションとしてゴールドブラス材を採用することで幅のあるブレンドしやすい音色を生み、オーケストラの中における親和性を高めます。

スライド内管(銀製吹込管を固定装備)

銀製素材のコンビネーションにより快適な吹奏感と共に、オーケストラの中でも埋もれない存在感のある響きを両立しています。

カギ継ぎ1枚取りベル

カギ継ぎ工法により、ベルの軸方向の振動が強調され、「ねばり」「コシ」のある響きが得られ、最適な抵抗感と共に力強い芯の感じられる音色を生み出します。また、低音から高音域の演奏性に優れています。

ケース

付属ケースは可搬性に富む側面ハンドル2ヵ所+ストラップ付のSLC-825です。外装はシックなブラックカラーで、シンフォニックのイメージに沿ったシックな高級感を醸します。

~開発協力アーティスト桒田晃(くわた・あきら)氏のコメント~

ヤマハの特徴である明るい音、低音から高音までの吹きやすさを邪魔しない抵抗感、オーケストラで求められる音楽の表現、音色の変化のつけやすさ、これらがコンセプトになっています。

一見抵抗がありそうな他には無いF 管の巻き形状ですが、見た目よりもスムーズに息が流れます。最適な響き方を考え支柱を吟味し少し軽い重量にしていること、またスライドの外管支柱も細くすることでスライドも軽めになっています。

何年もオーケストラの本番でテストし、会場での聴こえ方や自分の聴こえ方、色々パーツの交換を繰り返しこだわりの結果出来上がりました。

 

桒田 晃氏プロフィール

1970年、北海道生まれ。武蔵野音楽大学在学中に新日本フィルハーモニー交響楽団に入団。武蔵野音楽大学卒業。第8回日本管打楽器コンクール2位。第1回大阪トロンボーンコンペティションソロ部門2位。2001年、リサイタルを三鷹市芸術文化センターで開催。これまでにトロンボーンを山下晴生、真弓基教、神谷敏の各氏に師事。TROMBONE QUARTET ZIPANGメンバー。現在、読売日本交響楽団首席トロンボーン奏者。武蔵野音楽大学、桐朋学園大学各非常勤講師。