HPH-MT8
高解像度・高分解能モニターサウンド
MTシリーズはこれまでにプロオーディオ、ハイエンドオーディオ分野で培ってきたノウハウを活かし、音響部品の一つひとつを念入りにデザイン。フラットかつ定位感に優れた高解像度・高分解能モニターサウンドが、いかなる音量においても原音のニュアンスを余すところなく再現します。
『HPH-MT8』は精確性・解像度を追求した中~高域とローエンドまで輪郭を保つ締まりのある低域を特長とし、全帯域に渡りシリーズ最高峰の分解能を実現。シビアなジャッジを求められるスタジオレコーディング・ミキシング現場まで対応します。
ドライバー
要となるドライバーにはCCAWボイスコイルと強磁力ネオジムマグネットを採用したΦ45mmカスタムドライバーを採用、15Hz~28kHz のワイドレンジな再生帯域を実現。加えてドライバー角度、バッフルや吸音材等の細部にまで渡って入念なメカ・音響設計を施すことで、音源のもつ情報量を余すことなく再現し、プロフェッショナルの要求に応えるフラットかつ定位感に優れたサウンドを実現しています。
その他音響部品
イヤーカップやアーム等の音質に影響を与える音響部品は、不要な共振を排除しサウンドの精度を高めるよう設計しています。
優れた装着感と高い遮音性能
クリティカルリスニングやスタジオレコーディング等を行うオーディオエンジニアにとって、長時間の作業でも疲労の少ない装着感と、作業に集中できる高い遮音性能はとても重要です。スタジオモニターヘッドホン『HPH-MT8』は快適な装着性と高い遮音性を両立し、プロフェッショナルの高いニーズに応えます。
デザイン
耳をすっぽりと包み込むオーバーイヤー・密閉型デザインを採用し、快適なフィット感と高い遮音性能を実現しました。
イヤーパッド
『HPH-MT8』はフィット感の高い大型のイヤーパッドを採用。肌触りの良いプロテインスキンレザーと余計な振動を吸収するクッションが、ストレスを感じさせない装着性と高い遮音性を両立しています。
ヘッドホンからの音漏れが倦厭されるスタジオレコーディング、ライブミックスモニタリングを特に意識した優れた遮音性を実現しています。
イヤーカップ、アーム、スライダー
3次元のアームピボット構造と長さ調節が可能なスライダーにより、イヤーパッドが頭の形状に合わせてしっかりフィットするよう綿密にアングル調整され、長時間の作業でも疲れにくい装着感を実現しました。また、可動イヤーカップにより片耳モニターも可能です。
耐久性、柔軟性の高いデザイン
プロユースにふさわしい精悍なデザインを実現すると同時に過酷な現場にも耐えうる高い堅牢性、様々な用途に対応する柔軟性を確保しました。スタジオでのレコーディングやミキシング、屋内外のライブミキシング、また移動中の音源確認まで、プロユーザーの幅広いモニタリング業務を柔軟にサポートします。
ハウジング、アーム、ヘッドバンド
『HPH-MT8』は高堅牢性を誇る肉厚ABSハウジングとアルミダイキャスト製アーム、汗に強い素材を用いたヘッドバンドを採用し、精悍なデザインと高耐久性を両立しました。また折り畳み機構を採用しているため可搬性にも優れています。
ケーブル
様々な用途に柔軟に対応するため、『HPH-MT8』のケーブルは脱着式を採用しました。付属のストレートケーブル(3.0m)はヘッドホン装着時にコードの重量を感じさせない軽快な装着感が得られるうえ、コンソールやCUEシステムから離れた位置でのレコーディングモニタリング用途などにも対応。
同じく付属のコイルケーブル(カールコード、1.2m)はミキサーの周辺で取り回しよく使用できます。また腐食に強い金メッキのステレオミニプラグを採用、6.3mmステレオ標準プラグ変換アダプターを付属しています。
デザイナーメッセージ
ヤマハスタジオモニタースピーカーのフィロソフィー「原音忠実再生」を継承するHPH-MT シリーズ。円形ハウジングの中央に音叉マークをあしらい、アームはそこからオフセットした形状でハウジングを支えています。ヘビーユースな環境に耐えうる堅牢性と、ユーザーと信頼関係を築ける道具としてのシンプルさを目指したデザインです。今回MT 5/8のモデルは、折りたたみ機構と着脱可能なケーブルを新機能として組み入れ、新たなラインナップとして加わりました。
ハウジングを挟み込むアームと幅広のヘッドバンドを繋ぐ折りたたみ機構部に円弧状の「くびれ」をもたせることで、可動機能に一切妥協せずに耐久性を高めることができました。この「くびれ」は、長さ調整する際に、指のとっかかりにもなってくれます。業務用ヘッドホンだからといって、いかにもゴツゴツとした無骨感だけの印象にはしたくないという思いがあったので、この「くびれ」の存在によって、流れるようなフォルムとしっかりとした機能が同居するヤマハらしい造形になったと思います。
理想としたのは、プロが使う道具として相棒となってくれるような存在です。装着時のシルエットも、ハウジングからヘッドバンドまでの外周がきれいに円を描くように設計し、ユーザーとの一体感を高めています。
精確な再生能力を実現するための複雑な内部構造を意識させない、おおらかに中央が膨らんだハウジングに、加飾のない合理的な造形。あくまでも主役は演じる側であるというヤマハデザインの思想のもと、黒子の存在として長く信頼できるパートナーとなってくれることを期待しています。