音楽史について学ぶ
近代・現代の音楽
その他の国では
アルベニス
スペインには、組曲《イベリア》で知られるアルベニス(I. Albéniz, 1860-1909)や、《ゴイエスカス》が有名なグラナドス(E. Granados, 1867-1916)が登場します。いずれも、スペインの民族的な色彩をフランス音楽からの影響である印象主義的な技法で包む作風が特徴で、その表現においては近代的であるものの、内容的には国民主義的であるといえます。この2人より1世代ぐらいあとのファリャ(M. de. Falla, 1876-1946)は、バレエ音楽《恋の魔術師》や《三角帽子》がよく知られており、多分に民族的な色彩を見せながらも、きわめて近代的な作風が特色です。
バルトーク
バルカン半島の諸国にも国民主義的な音楽家たちが現れました。ルーマニアでヴァイオリニストとして活躍したエネスコ(G. Enesco, 1881-1955)は《ルーマニア狂詩曲》が知られています。ハンガリーにはドホナーニ(E. v Dohnányi, 1877-1960)が出て、近代ハンガリー音楽の基礎を築き、その同年代にバルトーク(B. Bartók, 1881-1945)やコダーイ(Z. Kodály, 1882-1967)も出て、20世紀の音楽に大きく貢献することになります。スイスには、ラフ(J.J. Raff, 1822-82)やマルタン(F. Martin, 1890-1974)、ポーランドには、ヴァイオリニストとして活動し、ヴァイオリン協奏曲で親しまれているヴィエニャフスキ(H. Wieniawski, 1835-80)や大統領になったことで有名なピアニストのパデレフスキ(I. J. Paderewski, 1860-1941)などが登場します。また、イギリスではエルガー(E. Elger, 1857-1934)が活躍しました。
新しい国家としてのアメリカでも、19世紀後半にはいって、ハーバート(V. Herbert, 1859-1924)やマクダウェル(E. A. McDowell, 1861-1908)などが登場してきます。