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サロンコンサート in Ginza

Vol.2:今井理子、沢田蒼梧

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この春からスタートした若き才能豊かなピアニストによるジョイントコンサートシリーズ「サロンコンサート in Ginza」。3月29日に開催されたVol.2には、今井理子さんと沢田蒼梧さんが出演しました。

前半は今井理子さんのステージ。凛とした美しさを秘めたショパン《ノクターン第8番》で幕を開け、さらに《ワルツ第7番、第8番》をおおらかな感性を感じさせる伸びやかな演奏で聴かせました。
ショパン《ソナタ第3番》では、柔軟なテクニックでCFXの色彩豊かな音色を操り、冒頭の力強く決然としたテーマを鮮やかに描き出します。軽やかなスケルツォとコラール風の中間部の対比が絶妙に溶け合う第2楽章、ゆったりと荘重な響きで歌う第3楽章、ピアニスティックな魅力にあふれる第4楽章まで、温かな抒情とパッションに満ちたショパンの音楽を楽しませてくれました。

後半のステージに登場した沢田蒼梧さんも、オール・ショパン・プログラム。《マズルカ第30番、第32番》を陰影に富んだ表現で清々しく聴かせ、《エチュード作品10-5「黒鍵」》では、ヤマハCFXから粒立ちのよいクリアな音色を引き出し、黒鍵のパッセージをニュアンス豊かに奏でました。さらに《エチュード作品25-10》。両手のオクターヴで始まる冒頭の激しいテーマと穏やかな中間部をバランスよくまとめ、ドラマティックな音楽を構築しました。
 若き日のショパンの心情を映し出すかのような《ノクターン第8番》、《バラード第1番》では、みずみずしい表現で聴衆を魅了し、終曲は《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》。ショパンの音楽のふたつの要素である繊細さと勇壮さを併せ持つ大曲を、しなやかなテクニックで味わい深く聴かせました。

終演後、今井さんは「お客様との距離が近いサロンでオール・ショパンのプログラムを聴いていただき、お客様の反応を直に感じながら自分の演奏が変わっていくことに驚きました。これは生のコンサートならではの体験です。ソナタをメインに、ノクターンとワルツを前奏曲的に聴いていただきましたが、一期一会の音楽の感動を聴いてくださる方と共有することができたことを嬉しく思います。ヤマハCFXはダイナミクスやペダルの幅が豊かで、タッチと組み合わせていろいろな表現ができ、インスピレーションを刺激されながら演奏しました」と語り、沢田さんは「やってきたこと、やりたいことは出せたと思いますが、まだまだ足りないなと新たな課題もみえてきました。家で弾いているときには気づかなかったことが、こうした本番の機会をいただくとよくわかります。ヤマハCFXは、ここはこうやってみようという気持ちに応えてくれて、より細かいレベルで自分の演奏をつくることができたかなと思います」と語ってくださいました。

若き俊英たちのショパンへの想いがあふれたコンサート。それぞれの個性が際立つ印象深い一夜となりました。おふたりの今後の活躍に期待が高まります。

会場

ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F)
東京都中央区銀座7-9-14

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日時

2021年3月29日 18:30開演 (18:00開場)

演奏者/曲目

■今井 理子
F.ショパン/
ノクターン第8番 Op.27-2 変ニ長調
ワルツ第7番 Op.64-2 嬰ハ短調、第8番 Op.64-3 変イ長調
ソナタ第3番 Op.58 ロ短調

■沢田 蒼梧
F.ショパン/
マズルカ Op.50より 第30番 ト長調、第32番 嬰ハ短調
エチュード Op.10-5「黒鍵」 変ト長調、Op.25-10 ロ短調
ノクターン第8番 Op.27-2 変ニ長調
バラード第1番 Op.23 ト短調
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 変ホ長調

※都合により曲目が変更になる場合がございます。
※演奏順は当日のプログラムでご確認ください。

公演チケットのお申し込み・お問い合わせ

チケットのお申し込みは、お電話で承ります。
アーティストサービス東京 03-3572-3426(平日10時~17時)

上記は2021年3月11日現在の情報です